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ゴートゥー!!(GoTo!!)

補助金があるから安心?
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日本各地にホテルを建設し、宿泊してもらうことで政府からの補助金を得るボードゲーム。社会派ボードゲームデザイナーの北条投了氏の作品で、先月大阪で行われたボードゲームフェス「盤祭 Re-3rd」にて頒布された(ディスカバリーゲームズの通販 で購入)。

盤面は一見すると『モノポリー』だが、ゲームの大枠も『モノポリー』である。しかし運の要素の強さや収束性の悪さから、現代ではアンチパターン(悪い見本)とされることの多い『モノポリー』を、北条氏は見事に改善している。

まず、移動は3~6マスの間で自由に選ぶことができる。その範囲内に空いているマスがあれば行ってホテルを建てるだろう。1周するたびに東京でもらえる定額給付金10万円もあって、短期間にどのマスにもホテルが並ぶ。

ほかのプレイヤーのホテルがあるマスに止まるのは悪いことばかりではない。ホテルの所有者は宿泊費をいくらでも値引きすることができ、それどころか宿泊客にお金(クオカード)を支払うこともある。政府からの補助金は満額出るので損はしない。こうして近隣のホテル同士で「うちに泊まって頂いたら無料でいいですよ」「それならうちは1万円進呈しますよ」といった太っ腹な売り込みが始まる。

四隅にはイベントマスがあり、「GoTo!!」マスではイベントカードを引いて指示に従う。指定された都市に飛ばされて、そこに自分のホテルがあれば建て増しできるが、ほかのプレイヤーのホテルだと正規料金を支払う羽目になる。「交渉!!」マスではほかのプレイヤーとホテルと交換でき、「強盗!!」マスではほかのプレイヤーのホテルを1軒、自分のホテルに取り替え、「刑務所」マスに行く。「刑務所」マスではお金を払って保釈されるまで、通過したプレイヤーにお金を支払わなければならない。

6人プレイで45分ぐらい。bashiさんが早期から強盗をはたらき、ホテルチェーンを築き上げる。ホテルチェーンでは補助金も高いので、ほかのプレイヤーはそれにたかってクオカードをもらう作戦である。そのうち神尾さんがGoTo!!でこのホテルチェーンに飛ばされ、破産して終了(誰かが破産するか、誰かの手持ちが100万円以上になるか、誰かが手持ちのホテルマーカーを使い切るとと終了)。

テストプレイは「感染拡大防止の為、中止しました。」と書いてあるが、テーマだけでなくメカニクスも楽しめるいつもの安定した北条投了クオリティである。なかなか遠出できる状態にないこのご時世、日本全国を旅行した気分になれたと思う。

GoTo!!
ゲームデザイン・北条投了/芸無工房
3~6人用/60分

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おとぎ話の建築競争『グリムフォレスト』日本語版、9月26日発売

アークライトゲームズは9月26日、『グリムフォレスト ~三匹の子ぶたの建物競争!~(The Grimm Forest)』を発売する。ゲームデザイン・T.アイズナー、イラスト・N.アデルマン&L.コセッテ&D.フォレスト、2~4人用、13歳以上、40~60分、6500円(税別)。
オリジナルはドルイド・シティ・ゲームズ(アメリカ)からキックスターターを経て2018年に発売された。3匹の子ぶたの子孫たちが、王様のために建築競争を繰り広げる。
舞台はおとぎ話の住人たちが棲むグリムフォレスト(おとぎの森)。王様が新たなお抱え建築士を決めることを国じゅうに告知し、建築競争を開催した。プレイヤーはシンデレラ、ピノキオ、ロビンフッドといった住人の力を借りながら、それぞれ優勝を目指す。
同時アクション選択でさまざまな場所に移動し、建築資材を集める。ほかのプレイヤーと行き先がかぶると資材を分けなければいけなくなるので、読みの力が試される。ここで寓話カードをプレイすることでオオカミなどのモンスターを召喚し、ほかのプレイヤーを妨害することもできる。
収集フェイズが終わったら建築フェイズで、集めた資材でわらの家と木の家とレンガの家を建てる。壁を作ると森の仲間が加わり、さまざまな特殊能力が得られる。先に3軒の家をすべて完成させたプレイヤーの勝利。
テーマと裏腹にシビアな大人向けゲーム。家は土台・壁・屋根の3つのユニットからなり、またモンスターのフィギュアも同梱。おとぎ話の世界に浸ってゲームが楽しめる。
内容物:採集ボード 4枚、プレイヤーボード 4枚、採集カード 16枚、早見表カード 4枚、寓話カード 58枚、おともだちカード 25枚、資材トークン(小) 50個、資材トークン(大) 15個、1軒目ボーナストークン 3個、ブタのコマ 4個、モンスターのコマ 6個、家ユニット 45個、親マーカー 1個、リーガル王子ダイス 1個、ルール説明書 1冊、プロモカード 6枚

(写真は英語版)