フォーセールオートラマ(For Sale Autorama)

期待を裏切る活躍

ForSaleAutorama

『ゲームメカニクス大全』において、「セレクションオーダービッド(獲得する順番を競るオークション)」の例として『蒸気の時代』(2002年)などと共に挙げられている『フォーセール』(1997年)。初版発売から24年、2段階のオークションを3段階のオークションにしてリメイクされたのがこの作品である(箱の大きさは約4倍)。

『フォーセール』では①チップで建物カードを競り、②建物カードを入札して小切手カードを競る。『オートラマ』では①お金トークンでアドバイザーカードを競り、②アドバイザーカードを入札して車カードを競り、③車カードを入札して小切手カードを競る。

②のアドバイザーカードが新要素で、数値の他に特殊能力があり、発動するタイミングは①②③ゲーム終了時とさまざま。お金を支払えば数値が上がったり、2枚出しができたり、ボーナスがもらえたりして、オークション以外の選択と、展開の多様性を生み出している(プレイ時間も15→30分)。

①のオークションの面白さは健在。ターン順オークションで、パスしたプレイヤーは、その時点で安い建物カードを取り、ビッド額の半分を支払う。最後まで残ったプレイヤーは一番高い建物を獲得できるが、ビッド額を全額支払わなければならない。競りにかけられるアドバイザーカード(元建物カード)の数値が均衡していればさっさと降りたいし、差が大きければ安いのを誰が取るかのガマン大会になる。特殊能力があるとはいえ、安いものは弱い(若干の補償があるぐらい)なので、高いカードを取りたいのは変わらない。

期待していなかったアドバイザーや車カードが、出てくる順番によって大金に変わるドラマもあり(その逆もあり)、最後まで勝敗の行方は読めない。

For Sale Autorama
ゲームデザイン・S.ドラ/イラスト・K.モリヤ
イーグル・グリフォンゲームズ(アメリカ)+ふるりん本舗(2021年)
3~6人用/10歳以上/30~45分

ふるりん本舗:フォーセールオートラマ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。