オリジナルはボード&ダイス社(ポーランド)から今秋発売されたばかりの新作。ボードゲームギークによるエッセン・シュピールの注目作ランキングで1位に選ばれ、スカウトアクションでも規定票数に届かなかったものの評価の高かった作品として挙げられていた。ルネッサンス初期の富裕な商人となり、ヨーロッパ中を渡り歩いて名声を競う。
ラウンドごとにダイスを振って対応するマスに置き、手番ごとにダイスを選んでそのアクションを実行し、リソースを獲得する。ダイスの目が大きいほうがリソースが増えるが、小さいほうがアクションポイントが多くなる仕掛けで選択を悩ましいものにする。
それから自分の建築士と商人をヨーロッパ各地に派遣し、商館・柱・大聖堂を建てたり、さまざまな人物を邸宅に招いて契約を遂行したりする。ラウンドごとに特定の都市・条件で見本市(得点計算)が起こり、名声ポイントが入る。見本市に参加するには商人か商館が必要となり、計画的な采配が求められる。
アクションポイントの振り分けや、獲得したタイルを用いたフリーアクションで自由度があるが、1ラウンド3手番という少ない手番で着実に先手を取っていくには計画性が求められる。イタリアのゲーマーズゲームデザイナー、タッシーニとルチアーニのコンビ手腕が久しぶりに堪能できる作品だ。
ティルトゥム(Tiletum / Luciani & Tascini / Board&Dice+テンデイズ, 2022)
ダイスドラフトでヨーロッパ中で建設と交易。12手番しかないが、異なるアクションポイントが複合する上に、自由度も高くて創造性があり、考えることがとても多い。長考必至(1手番平均5分ぐらい)だが毎手番充実感がすごい pic.twitter.com/E3VZawSjtv— Table Games in the World / ボードゲームニュース (@hourei) November 4, 2022