『人生ゲーム』の作者R.クレイマー氏死去

『人生ゲーム(The Game of Life)』の作者であるルーベン・クレイマー氏が9月14日、カリフォルニア州の自宅で亡くなった。1922年生まれ、99歳。

『人生ゲーム』の前身である『チェッカー人生ゲーム(The Checkered Game of Life)』はミルトン・ブラッドレー氏(1836-1911)が考案したもので、1860年、ミルトン・ブラッドレー社の設立と共に発売された。そして1960年、発売100周年を記念してリメイクされることになり、このときデザインを手掛けたのがクレイマー氏と、部下のビル・マーカム氏(1917-1993)である。ミルトン・ブラッドレー社は1980年代にハズブロ社に買収されたが、『人生ゲーム』はその後も今日まで販売され、これまでに26言語59カ国で発売され、7000万セットが販売されたと見られている。

クレイマー氏らのデザインによって格子状のマス目は山や建物を通る曲がりくねったコース状になり、円形のチェッカーコマは6人まで家族が乗れる自動車コマへ。勝利条件は100点先取からお金に変わり、紙幣や保険証が付属するようになった。これが日本に輸入されて、日本が世界に類を見ない人生ゲーム大国になったのはご承知の通り。2018年にはタカラトミー社の「人生ゲーム50周年事業発表会」にて日本に向けたビデオメッセージを送っている。

その後、ビル・マーカム氏とその遺族ががロイヤルティの配分を巡ってハズブロ社とクレイマー氏を2度提訴しているが、いずれも和解・控訴棄却となっている。

クレイマー氏がデザインしたボードゲームはほとんどが『人生ゲーム』シリーズだが、それ以外にもフープ、歩く子犬、哺乳瓶を飲む人形、大きな光線銃、練習用ローラースケートなど数多くの玩具を手掛け、特に強度の高いポリエチレン製玩具を広めたことで知られる。2005年にはアメリカ玩具業界の殿堂入りを果たした。

People of Play:Reuben Klamer, Toy Industry Icon and Inventor of the The Game of Life, has Reluctantly Left this World at 99
The Washington Post:Reuben Klamer, toy inventor who created the Game of Life, dies at 99
The Toy Association:Remembering Game of Life Inventor Reuben Klamer
タカラトミー:人生ゲームの歴史 1960年

『人生ゲーム』の作者R.クレイマー氏死去」に2件のコメント;

  1. Checkered Life というのは成句で「波乱に富んだ数奇な人生」というような意味です。
    それとチェッカーボードをかけてCheckered Game of Lifeにしたのだと思われます。
    なので、邦訳は「チェッカー人生ゲーム」というよりは「波乱万丈な人生ゲーム」とか「数奇な人生ゲーム」とかの方が良いかもしれませんね。

    1. チェッカーボードのほうを取って、チェッカーは訳しませんでした。ダブルミーニングになっているんですね。ありがとうございます。

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