ディテールに真相あり
封筒から今回のシナリオを出し、最初の1枚目を読むと、まず事件現場を探すよう指示される。マップは広いが東側とかだいたいの場所が書いてあるのでほどなく見つかるだろう。見つかったら次のカードを読み、順々にその事件の原因や、犯人の逃走経路を探していって、最後のシーンで真相を解明してクリアとなる。
推理の要素はあるが、やることはほぼ『ウォーリーを探せ』で、ゲームとしてどこが面白いんだろう?と思っていた。ゲーマーで遊んだときも、細かいものが見えなくなる年代ということもあって、3シナリオ目にもなるともう意地で遊んだ感じがある。難易度が高くなるにつれて重要なシーンが見つからず、適当な結論を出してハズれたときに漂う微妙な空気。
その認識が改まったのは、私がゲームマスターをして、小学生に遊んだもらったときだ。ストーリーをただ読むだけでなく言い換えたり肉付けしたりして、子どもたちの様子を見ながら、どんなシーンを探せばいいのかヒントを出した。関係ないシーンだったらなぜ違うのかを伝え、あきらめムードになったらもう大体の場所を教える。そうすることで最後まで熱中して絵を探す子どもたちの姿が見られた。
考えてみればファミリーにおいても、大人の誰かが盛り上げ役のゲームマスターを買って出れば、遊ぶ方もストレスがなくなり、ゲームマスターもゲームをコントロールする楽しみがある。これならゲーマー同士でもできるかもしれない。ゲームマスターを交替しながらタイムアタック協力ゲームなどにすれば盛り上がるだろう。
MicroMacro: Crime City
ゲームデザイン&イラスト・J.ジッヒ、他イラスト・D.ゴル&T.ヨヒンケ
シュピールヴィーゼ出版(2020年)
1~4人用/8歳以上/15~45分