それを取ってもらうけどこれは取らせない
となりのタイルを取っていって、左どなりの人との合計点を競う半協力ゲーム。ランドルフのアブストラクトゲーム『よき隣人(1986)』にフェデュッティが特殊効果タイルを加え、舞台を鹿児島の口之島
タイルをランダムに並べ、中央の口之島に船コマを置いてスタート。自分の番には、船を隣接するマスに移動させ、そこにあるタイルを取る。これを繰り返して、取れるタイルがなくなったら終了。獲得したタイルの得点を、左どなりのプレイヤー(下家)と合計して勝敗を決める。
タイルは赤青緑黄の魚が色ごとに1匹1点、2匹3点、3匹6点……。エビは一番多く集めた人だけ8点、ヤドカリは1枚-5点、1マス飛ばして獲得するトビウオは1枚5点。このほかに盤上のタイルを交換する、ほかのプレイヤーとタイルを交換する、盤上のタイルを除去する、1色の魚の得点を2倍にする特殊タイルがある。
最初の並びこそランダムであるが、ゲームが始まれば運の要素はない。プレイヤーの得点状況も完全非公開で、「ここで終わらせれば自分が勝てる」というポイントが思ったよりも早いタイミングで訪れる。プレイ時間は30分となっているが、うっかりしたプレイをしていると5分程度で終わってしまう。最初に、最終手番のプレイヤーが口之島のどちらのマスに船を置くところから重要だと言えるだろう。
2人のプレイヤーの合計得点というのが、ゲームに変化をもたらす。自分はあまり得をしなくても、次のプレイヤーに大得点を取らせてもよい。しかし次の次のプレイヤーにはあまり得点が入らないようにしたい。こういったことを全員が考えるとゲームがどう変わるか、読みきれないところがあるのが奥の深さだ。
Tonari
ゲームデザイン・A.ランドルフ&B.フェデュッティ
イラスト・K.モリヤ
2~4人用/10歳以上/30分(10~15分)
ゲームストア・バネスト:トナリ