シュナップス(Schnapp’s)

時計はどれも12時半だった
この頃とみに私が注目しているデザイナーが、イタリア人のC.A.ロッシである。『アルケミスト』と『いかだ動物園』が同じ作者であると知ったとき、急に興味が湧いてきた。いずれもいったんは手放していたが、あちこち探して海外から買い直した。『大勝負』も入手。このように、プレイ後何年も経ってから、何かの拍子で思い出して猛烈に遊びたくなるという経験、みなさんにはないだろうか。
『シュナップス』(「それを取れ」とお酒の名前をかけたものと思われる)は、8人まで遊べるという、これまた私の最近のツボにはまるパーティーゲーム。紛らわしい絵の中から、言葉だけで指定された絵を探す。

テーブルにいっぱい並べられたタイルは、紛らわしいものばかり。基本モチーフは「山」「手紙」「お城」など16種類だが、各種類6枚ずつあり、ちょっとずつ違う。これを言葉で説明しなければならないのである。例えば時計は、針が全部12時半になっており、腕時計、目覚まし時計、数字がローマ数字などの違いがある。
1人がお題カードを取る。そこには9つの絵が描いてあり、砂時計が落ちる前にできるだけたくさん取ってもらうように頑張る。左どなりの人が回答者。
説明のルールは「場所で教えてはいけない」「お題カードを見せてはいけない」「イエスとノー、またはそれに類するジェスチャーは禁止」。取るほうのルールは「1つのモチーフにつき1枚」「質問禁止」「パス(次のお題に)可」。純粋に言葉で内容を伝えなければならないようになっている。
砂時計が終わったら解答。正解すれば説明した人と取った人の両方に得点が入る。説明する人と取る人を交替して次。こうして全員が説明する人を務めるまで1周する。
2周目はハンディキャップカードが登場。「モチーフ名は言ってはいけない」「お題カードを覚えて、見ないで説明する」「ほかの人も見つければ取ってよい」「もう1枚のお題カードをもって、自分でも探しながら説明する」など酷なものばかり。
3周目はプレイヤーの組み合わせを変えて行い、合計点の多い人が勝ち。そのほかに、早取りを競うルール、チーム戦、全員協力して失点を防ぐルールがある。人数が多い時にはバリアントにしたほうがよさそうだ。
4人プレイで30分ほど。慎重に説明しないと間違いまくってしまうが、慎重すぎると枚数が稼げない。ほどよい速さで説明し、取る方もほどよいタイミングで取るかパスをすることが求められた。ハンディキャップの「全部ア行で説明する」が大笑い。「サンカカ、ハダラがカアラ」(三角、左が黄色)と解読できなくはないがその前に説明している方までおかしくなってしまった。
Schnapp’s
C.A.ロッシ/ツォッホ出版(2011年)
3〜8人用/9歳以上/30〜45分
国内未発売

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