けもぱに(Kamomimi Panic)


『人狼』を少人数でも遊べるようにした作品としては『ルプスブルク』があるが、アイテムが多くて気軽に遊びにくいという欠点があった。この作品はカード1人に3枚ずつ配るだけで、4〜8人で遊べるようにしてある。
少人数で遊べるための工夫としてはヒットポイントが2あって、1回刺されただけでは死なない(このゲームでは殺されるのではなくお宝を盗まれるという設定なので、正確には死ぬのではない)、昼間の投票では可決されなければ脱落しない、夜間の泥棒は全員中央に手を出して目を閉じ、10数える間に怪盗役が指すのでゲームマスターはいらない、少人数の場合、2晩に1回しか盗まれないという点がある。
さらにゲームを盛り上げるのが多彩な公開キャラクターの特殊能力。1周に1回、1人指名して一般人か否かを聞き出せる探偵、投票結果を変更できる教師、お姉さんが盗まれると自分も失う妹、生徒会長が盗まれると供出しなければならない副生徒会長など、1回のゲームでは使い切れないほどたくさんある。推奨の組み合わせでも、ランダムでもOK。強い能力の持ち主は早めに正体を探ろうとか、この特殊能力が推理の手がかりになる。
合宿で1回、8人で遊んでみたところ、あまりに盛り上がって3回連続。公開キャラクターの能力で会話が弾むのがよかった。キャラクターは全員女性なので、大の大人が自然と女言葉になっていたり。和やかなようでいて、指名や投票のタイミングが大きな手がかりとなったり、誰か分からない人から指されて戦慄したりというような『人狼』の醍醐味はいささかも損なわれていない。さらにヒットポイントが2あることで怪盗がわざと自分自身を指名しカモフラージュするというような高等戦術も。
萌え系イラストには好き嫌いがあるだろうが、しっかり作りこまれた作品なのでぜひ多くの方に手にとってほしい。
けもぱに
作者不明/アークライト(2010年)
4〜8人/12歳以上/30〜60分
アークライト:けもぱに

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