財宝を積んだ船を相手に奪われないように運ぶゲーム。フランスのゲームデザイナー、B.フェデュッティの新作で、アークライトが日本語版を同時発売した。海賊と私掠船は全く別物らしいが、ゲーム自体にはあまり関係がない。5枚の財宝カードと、それを守る5隻の船コマ、そして攻撃に使う3枚の大砲カードだけで遊ぶ、プリミティブなほどにシンプルなブラフゲームである。言語依存も全くない。
自分の手番にできることは、新しい財宝カードを出すか、前に出していた財宝カードを回収するか、ほかの人の財宝カードを攻撃するかの3択。財宝カードの上には船コマがのっていて、攻撃されたらコマの底を見る。大砲マークがついていたら攻撃失敗で大砲カードは相手の得点になり、大砲マークがついていなかったら攻撃成功で財宝カードを奪える。
財宝カードは3〜7点のものがあり、高いものほど狙われやすいから大砲マークのある船を置く。でも、みんながそう思って警戒するから裏をかいて高いものはノーマークにし、少し低めの財宝をガードする。しかしみんなは裏をかいて少し低めの財宝を狙うかもしれないから、裏の裏をかいて高いものを……とそんな感じの読み合いゲームである。
大砲マークのある船は5隻のうちたった2隻。2隻とも見破られてしまうと、あとの3隻は「どうぞご自由にお取り下さい」状態に。そうならないように、大砲のある船をあえてすぐ回収して(攻撃されなければ、大砲の有無は明かさない)、「もう1台あるはずだ」という警戒を持たせ続けるのも有効だ。攻撃は誰にしてもよいので、点数が低くても成功率の高いほうが狙われやすい。
ブラフゲームなので、淡々と遊んではつまらない。「これは絶対大砲あるでしょ?」「ないよないない」「じゃあこっち…と見せかけてこっち!」「回収しまーす。大砲なかったのに」といった会話で盛り上がりたい。10分くらいで終わるあっさりゲームなので、前ゲームの結果を踏まえて2ゲーム目を遊んでもよいだろう。1ゲーム目は7点とか6点を守るのが主流になりがちだが、2ゲーム目になると、その裏をかくか裏の裏をかくかでさらに悩ましい。
Letter of Marque
B.フェデュッティ/ファンタジーフライトゲームズ(2009)
3〜6人用/8歳以上/20分
日本語版がアークライトで発売中