スペースドラゴン(Space Dragons)
手柄を立てれば後ろから撃たれる
スートのないトリテというか、オークション的なシステムでスペースドラゴンを撃退するドイツのカードゲーム。スペースドラゴンを倒すと大きな手柄が得られるが、妬むライバルたちが後ろから攻撃してくる。
9枚のカードが配られ、これを同時ピックアップドラフトしたらスタート。今回のスペースドラゴンカードが1枚めくられ、スタートプレイヤーから時計回りに1枚ずつカードを出す。
トリックテイキングとはいうもののスートもトランプもなく、一周オークションといってもよい。数字の一番大きなカードを出した人がスペースドラゴンカードを獲得する。
しかし数字の一番大きなカード以外にも役割があるところがポイント。カードにはアイコンがついており、スペースドラゴンカードを獲得したプレイヤーにダメージを負わせる背後攻撃、ダメージを防御するシールド、ダメージを回復する修理がある。
リードプレイヤーが大きな数字を出してスペースドラゴンを狩りに行くのは危険だ。ほかのプレイヤーが次々と背後攻撃を仕掛けてきてドラゴンの報酬に全く見合わないこともある(ダメージはゲーム終了時に失点)。
全てのカードには上部に科学・雰囲気・犯罪のアイコンがあり、7ラウンド終了時にそれぞれのアイコンの最多・最少でボーナス得点やペナルティ失点がある。各自、出したカードは自分の前に並べておくので、お互いの状況を確かめつつ、どのアイコンを集めるべきか、回避するべきかを考えてカードを出さなければならない。ドラゴンカードにもアイコンがあり、魅力度合いが変わってくる。
最初のドラフトで手札状況がある程度推測できるところもポイント。ベタなテーマと裏腹に、周到なプレイが要求される。
Space Dragons
ゲームデザイン・R.ハールホフ/イラスト・F.ビーゲ
シュピールヴィーゼ出版+ペガサスシュピーレ(2021年)
3~5人用/10歳以上/15~20分
通販:ゲームストア・バネスト/ボードゲームキューブ
ブックアドベンチャー『カンタループ:刑務所入獄』日本語版、8月下旬発売
ルックアウトゲームズ(ドイツ)が昨年から始めたブックゲーム「インタラクティブ・アドベンチャー」シリーズ。ページをめくり、コードからテキストを参照して手掛かりを探し、フラグをたててエンディングを目指す。
ページのコードをカードと組み合わせ、対応するパラグラフに飛び、赤いシートを重ねてテキストを読み進める。ばかばかしい選択(例えば「手紙」を「スープに入れる」とか)には、ちゃんとおバカな結果が用意されている。さまざまな場所を探索し、アイテムを見つけて組み合わせ、いろいろな人に話しかけ、物語を進めよう。
今回の主人公は“フック”・カーペンター。カリスマ性と機知に富んだ詐欺師で、腕前は超一流だったが、十年前に騙され、警察に追われることとなった。カンタループ島に戻り、全力での復讐を誓うが、その計画には仲間が必要。刑務所に「入獄」し、服役中のハッカーを連れ出そう。
一人で遊んでも、誰かと一緒に遊んでもOK。時間をかかるのでじっくり読み進めていこう。