シュピール’24:アミーゴ
今年のエッセン・シュピールは10月3~6日に開催される。そこで発表される予定の新作を出版社別に紹介。邦題は直訳で、国内販売されるときに変更される可能性がある。
ゲームデザイン:K.フィッシャー、イラスト:(TRPG版イラスト)、3~6人用、10歳以上、45分。
ドイツ国内だけで260万セット販売されている人気トリックテイキングゲームが、ドイツのTRPGとコラボ。基本ルールは同じで、第1ラウンドに1枚、第2ラウンドに2枚……と手札が増えていく中で、何トリック獲得できるかを予想して当たれば得点になる。従来版にないオリジナルのスペシャルカード入り。
ゲームデザイン:J.ホート、イラスト:J.ビンタキース、2~6人用、10歳以上、30分。
メルヘンの登場人物を使った3章式トリックテイキングゲーム。第1章は各自8枚のカードをもち、同時ピックアップドラフトで手札を構成する。第2章はトリックテイキングで、数字の高いカードだけでなく、特殊能力やコンボでも得点できる。第3章は得点計算で、トリックの勝敗にかかわらずプレイした手札を自分の前にオープンしておき、もう1度得点できる。
ゲームデザイン:F.ナドラー、イラスト:C.エッフェンベルガー、2~5人用、8歳以上、20分。
戦利品カードにキャラクターチップを置いて、その戦利品カードで指示されたダイスの組み合わせが出せればカードをゲット。同じカードを複数のプレイヤーが希望すると、チップを置いた順番とは逆順(最後においた人が最初)にチャレンジし、誰かが成功した時点で、他のプレイヤーはより点数の低いカードに移らなければならない。獲得したカードは振り直しや特定の出目を変えるなどの効果があり、より高い戦利品に挑戦できるようになる。
ゲームデザイン:C.ベーレ、イラスト:B.シュペー、2~5人用、8歳以上、20分。
ハンバーグ、トマト、チーズ、レタスでハンバーガーを作るカードゲーム。各自自分の前にカードの山札があり、1枚ずつめくって中央に重ねていく。全種類が2枚以上出たと思ったら素早くバンズを乗せて「スタンダードバーガー!」と言い、1種類が7枚以上出たと思ったら同様に「ビッグバーガー!」と言う。誰もダウトしなければ自分の山札に入れる。誰かがダウトしていればチェックして、できていればダウトをかけたプレイヤーからさらに2枚カードをもらえるが、できていなければ中央のカード全部に、自分の2枚を加えてダウとしたプレイヤーに渡さなければならない。
ゲームデザイン:F.モイヤーセン、イラスト:C.シュテファン、1~6人用、16歳以上、45分。
カードのイラストから手がかりを集め、事件の真相に迫る協力型推理ゲームの第3弾。今回は館で起こった殺人事件を解決する。各自に配られた手札を観察し、隣の人に渡していく。その後話し合って公開するカードを8枚選ぶ。残りは伏せてもう見ることはできない。最後に事件に関する質問に答えてQRコードで答え合わせ。3つの事件が入っている。
ゲームデザイン:K.シュトレンメル、3~5人用、10歳以上、30分。
『シリメツレツ(Krass Kariert)』のリメイクで、新しいスペシャルカード4種類が加わる。配られたカードの順番を変えずに、リザーブから手札に補充しつつ、連続する数字や同じ数字のカードを出して早く手札をなくすことを目指す。
ゲームデザイン:T.ギムラー、3~7人用、8歳以上、20分。
『ゲシェンク(Geschenkt)』のリメイクで、新しいスペシャルカードが加わる。カードをめくって、そのカードをもらうか、嫌ならチップを払ってパスする。カードは数字の分だけ失点だが、もらうとそれまでみんなが払ったチップも獲得でき、さらに連番にするとそのうち一番小さな数字しか失点にならない。
リチュアル(Ritual)
どの宝石がほしいのか察する
制限時間内に宝石を交換してお題を満たすスペインの協力ゲーム。ドイツ語版が今年、ドイツ年間エキスパートゲーム大賞の推薦リストに選ばれている。会話をすることはできず、ヒントは宝石のやり取りだけ。その中でいかに意図を読み取ってもらえるかの勝負だ。
各自、4個ずつ宝石を持ち、タイマー(BGMが鳴る専用サイトあり)をセットしてスタート。手番には、①誰かに宝石をわたす、②左どなりから宝石を取る、③魔法台に宝石を乗せる、④他プレイヤーの魔法台にある宝石を場と交換する、⑤魔法台から宝石を下ろす、⑥目標の達成という6つのアクションから1つを行う。制限時間があるため、できるだけ短い時間で手番を行い、次の人にポーンを渡す。
最初は3人が個人目標を達成することを目指す。個人目標は「インスピレーションカード」に書かれていて、同じ宝石5個か、2色の宝石3個ずつか、3色の宝石2個ずつとなっている。お互い取りあいをしているといつまでたっても達成できないので、誰かに集めていくのがよい。
3人が達成すると、共通目標に取り組める。共通目標は6つあって、難易度別にさまざまなものがあるが、最初の儀式は「1色の宝石を誰かに集める」か「1色の宝石を全員が1個ずつもつ」のパターンしかない。第1ラウンドは6つのうちランダムに選ばれた1つを達成したらクリア、第2ラウンドは残りからランダムに2つ、第3ラウンドは最後の3つを達成したらクリアとなる。ミッションは増えるが、残りは絞り込まれるのでクリアしやすくなっていく。
制限時間は難易度・プレイ人数によって変わり、入門編・4人なら7分30秒。個人目標の達成に手間取ったり、共通目標で見当違いがあると入門編でも一気に厳しくなる。
ゲームのテンポがよく、全員の認識が一致したことがわかる瞬間が気持ちよくて、繰り返し遊んでいる。難易度が難しくなっていくとどこかで壁にぶ浸かるような気もするが、今のところチームの成長速度がほどよくて(初プレイでも2~3ゲームすればだいたい要領を得る)、10面中5面くらいまで進んだ。
Ritual
ゲームデザイン:T.タラゴン/イラスト:S.コルマノフスカヤ
Tタワーゲームズ(2022)+ストローマンゲームズ(2024)
2~6人用/10歳以上/15~25分
ゲームストアバネスト:リチュアル