オリジンズ2004、注目のリメイクが続々
アメリカのボードゲームメーカーはドイツゲームの英語版ほか、独自に制作したゲームを多数発表、発売時期も明らかになっています。注目されるのは根強い人気がある絶版もののリメイク。新作ではデザイナーでは世界級のデザイナー、アラン・R.ムーン氏が数多く発表しています。従来アメリカで好まれている長時間・重厚なゲームとは別に、ドイツゲームに影響されたファミリーゲームも増えています。日本への入荷が楽しみです。(Origins)
【主要メーカーの動向】(ドイツ系のみ、赤字は注目作)
フェイス2フェイス Face 2 Face Games
スルース(S.サクソン / 7月中旬)、ブームタウン(A.R.ムーン&B.フェドゥッティ / 9月)
ウォリアーズ・拡張ドラゴンホーズ(A.R.ムーン&R.ボルグ / 10月)
ラインレンダー(リメイク、R.クニツィア / 2005年)、アムレット(リメイク、A.R.ムーン&A.ワイスブルム / 2005年)、ロイヤルターフ(リメイク、R.クニツィア / 2005年)
メトロポリス(S.サクソン / 2005年)、ワープト(S.サクソン / 2005年)
メイフェア Mayfair Games
モダンアート(箱・カードを小さくして安価に、チップの数字は印刷、オークションハウスのブランクスクリーン付→写真。R.クニツィア / 6月末)ほか
ジョリー・ロジャー Jolly Roger Games
クロックタワー(カピトールのシステムを使ったカードゲーム、A.R.ムーン&A.ワイスブルム
/ 9月)
ノック・ノック(B.フェドゥッティ&G.ブーキン / 9月)
チーパス Cheapass Games
地球への誤った一歩(人類の誤った一歩の続編、J.エルンスト / 8月)ほか
リオグランデ Rio Grande Games
グローリア・ムンディ(衰退したローマ帝国から逃げるゲームでドイツのメーカーからも発売。J.エルンスト
/ 秋頃?)
トーレス(リメイク、W.クラマー&M.キースリング / 秋頃)、電力会社追加マップ(F.フリーゼ / 秋頃)
カルカソンヌ3(秋頃)、カルカソンヌ拡張3(秋頃)、ボーナンザ拡張セット(秋頃)、ボーンナンザ新拡張(秋頃)
アドアクタ(リメイク、A.マイアー / 秋頃)
プレナリー Plenary Games
ジェット・セット(S.グレン / 10月)ほか
ファンタジーフライト Fantasy Flight Games
砂漠を越えて(再販、R.クニツィア / 未定)ほか
ユーバープレイ Uberplay
フォーセール(リメイク、S.ドーラ / 秋頃)、ラー(リメイク、R.クニツィア / 年末)ほか
ダンシング・エッグプラント Dancing Eggplant Games
今月の雇用者(A.R.ムーン&A.ワイスブルム / まもなく)
ドイツ年間ゲーム大賞に乗車券
また、2002年から完全に別立てされたドイツ年間子どもゲーム大賞はオバケだぞ〜(おばけの階段)で、作者のM.シャーネン氏、メーカーのドライマギア共に初受賞です。
受賞理由について審査委員会広報部のU.ペーターセン氏は以下のように発表しています。
「アラン・R.ムーンの乗車券は、用具がたくさん入っていて一見複雑に見えるが、ルール説明は簡単。北アメリカのマップが描かれたボード上で2〜6(5?)人が鉄道建設を競争する。そこでは一番長い線路を引くだけではない。予め決められた都市を結べばボーナスがある。建設するには、必要なルートを結ぶために対応する列車カードをまず手に入れなければならない。乗車券は長期的な計画と短期的な決断、ほかのプレイヤーとの絡みが調和したゲームである。運がよければ、みんなが狙っていて最後まで冒険的なルートでも行く手をふさぐものはないだろう。乗車券はあまりゲームをしない人からたくさんゲームをする人まで同じくらい魅了される。」
「(オバケだぞ〜は)すばらしい木製のオバケコマがついた熱中してしまうパニックゲーム。全てにわたって綿密、かつ子どもが好む作りで、4才の子どもから夢中になる。ダイスゲームのオバケだぞ〜は、本当の意味で大人から子どもまで遊べる、エクセレントは家族ゲームである。」
2001年のカルカソンヌ受賞から、一貫してゲームをあまり知らない人、特に家族をターゲットに、ルールの簡単なゲームが受賞してきましたが、今年はフリークにも受け入れられるものとなりました。H@LL9000のアンケートでは乗車券について、回答者の3割がノミネート5作品の中で一番好きと答え(1位はサンクトペテルブルクで4割)、5割以上がこれが大賞を取ると予想しています。オバケだぞ〜については、好みも予想も6割を超え、ダントツでした(2位はマレ・ポラーレ)。
また、Spielboxの大賞トトでも、ノミネート発表後は乗車券を予想する人が最も多かったのですが、ノミネート発表前はサンファンとアッティカに予想が集中していました。この2つがノミネートに入らなかったことは、愛好者と審査員の溝を再び浮き彫りにしています。
乗車券は名古屋バネスト、オバケだぞ〜はメビウスから日本語訳つきで販売中。もう少し待てば、大賞のロゴが印刷されたゲームが手に入るでしょう。(Spiel des Jahres)
授賞式の写真(Hess氏)…会場、発表の瞬間、インタビューを受けるムーン氏、インタビューを受けるシャーネン氏