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6日目 もう最終日

主なゲームは昨日のうちに見終わっていたので比較的のんびりと過ごす。

 最初はクニツィアの2人ゲーム『メディチVSストロッチ』を草場さんと対戦。ルールは簡単なのに値のつけ方が難しく、やりこみがいのあるゲームである。このゲームが置いてあったリオグランデのブースには、2Fゲームズなどブースがいつもいっぱいになっていて遊べないゲームが何点かあったが、遊ぶためには3?4人で卓につかなければならなかった。いつも一緒に行動できるメンバーが2?3人ほしい。

 お昼前にカタンの世界大会へ。日本代表は昨日の予選を勝ち抜き、準決勝を戦っていた。C卓は鬼引きでポイントカードを引いた大井さん、D卓は出目が回って開拓地で決めた迫田さんが1位。2人とも決勝に進出するという初の快挙を成し遂げた。組んだらどちらかが優勝できるんじゃないかという冗談に、フェアに戦うと誓う2人。

 今年の日本代表は地方予選と決勝の勝ち抜きなので、代表になるまで8戦中7勝か8勝するという実力が必要になった。カタンには運の要素があるが、運だけではそんなに勝つことはできない。そんな実力をもった2人が共に決勝進出すれば、1位2位独占もあるのではないかという期待が高まる。

 お昼を挟んで決勝開始。日本代表の2人は出目に恵まれない上、2人並んで座っていたせいか「日本人チーム」としてまとめて叩かれる場面もあり、かなり厳しい展開となった。このまま3、4位かと思われた矢先、フィンランド代表が上がる。拍手する中で観客がクレーム。フィンランド代表はチャンスカードを1手番に2枚公開していたのだ。そこでもう1周できることになったが、及ばず大井さんが2位、迫田さんが4位。でも立派な成績である。国別ポイントでは間違いなく1位だ。

 最後のフェアプレイ人気調査を確認し、リストの中に2、3ゲームチェックしていないものがあったので調べに行ったり来たり。最終結果は1位がイスタリの『イスファハン(Ysphahan、1.77)』とコスモスの『大聖堂(Die Säulen der Erde、1.7)』、3位がダヴィンチの『レオナルド・ダヴィンチ(Maestro Leonardo、1.81)』、4位がサプライズド・ステア・ゲームズの『タラ(Tara、1.92)』、5位がレコスの『サンティ・アンノ(Santy Anno, 1.98』、6位がエガートシュピーレの『スペースディーラー(Space Dealer、1.99)』、7位がウリカンの『ミスター・ジャック(Mr.Jack, 2.04)』、8位がマインド・ザ・ムーブの『ヘマゴール(Hemagor、2.2)』、9位がJKLMの『アンダーグランド(On the Underground, 2.10)』、10位がツォッホの『ヒツジパニック』(Haste Bock, 2.18)、時点に『ウル』『タルヴァ』『クロノス』『アルカディアの建築士』と続く。ほとんど全部をチェックしたが、『クロノス』だけはブースに「売り切れ」の紙が貼ってあって撤収されてしまっていた。

 その近くで「ゲームモブ(Gamemob)」のブースを発見する。この頃いろいろなメーカーのルールの最後にロゴが貼られており、サイトがかなりカッコいいのでどんな組織なのか興味をもっていた。聞いてみるとマルチメディア会社がプロモートしてボードゲームを若い人に普及しようという会社らしい。敷居をできるだけ下げ、音楽や映画など若者の趣味とリンクさせて、今まで遊んだことのない人にボードゲームに興味をもってもらおうとしている。ウェブページはクールなデザインで分かりやすいゲーム紹介が載っており、また居住地や遊びたいゲームを登録しておけば、検索で一緒に遊べそうな人が探せる。こういう、フリークでない人の目から作られたサイトが日本でもあったらいいなと思う。

 あっという間に時間が過ぎてヤポンブランドの片付け。最終日は1時間早く終わり、スタッフで売れ残ったゲームを箱に詰める。幸い、最後に残ったゲームを全部買ってくれるお店が現れ、日本に返送しないですむことになった。お店に送るまでは、ドイツ人スタッフのヘニングさんが預かってくれるという。ヤポンブランドに関わった日本人・ドイツ人の人脈を最大限に生かしたファインプレーである。

 最後はイタリアレストランで打ち上げ、今後の方針などを話し合った。ヤポンブランドの収穫は、日本のゲームの知名度を上げられたということもあるが、それ以上にスタッフの絆を深め、新しい出会いをたくさん作ったことにあると思う。私は海外へのPRで少しお手伝いしただけだが、とても楽しかった。また来年、エッセンで。

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5日目 集中プレイ

今日はインタビューもなく、丸一日遊び倒した。まずはアレアの新作『ノートルダム』から。アレアは毎年、最小スペースで3卓だけ試作品を遊べるが、いつも満員なのでなかなか遊べない。今日は絶対遊んでいこうと思い、1時間ほど座り込んで観戦。実際にやっているのを見るとドイツ語の説明だけでも何とかルールをのみこめる。隣りの卓が空いたのですぐに入った。1ゲーム観戦していたのでコツがつかめダントツの1位。どこかで見たことがあるような要素が散見されるが、フェアプレイでは高い評価が出ているし、安心して楽しめる一品。

 次にフェアプレイの中間集計で1位になっていた『大聖堂』を観戦。これも1ゲーム観戦してから遊ぼうと思ったが、アミーゴのブースはグループでゲームを借りて遊ぶ仕組みなので一人では入りづらく断念。既存の要素をまとめて手堅く作ったという印象を受けたが、手番の決定システムなど見どころもある。

 さらにフェアプレイの上位を尋ねて回る旅。『ミスタージャック』はB.カタラとL.モーブランが制作した2人用の推理ゲームである。対戦したお姉さんが序盤に痛恨のミス。あっという間に犯人が分かり、妙に盛り上がらないゲームになってしまった。前のゲームも、ちょっとした手違いがゲームを盛り下げてしまっており、プレイヤーの能力への依存度が高いけれどもゲームに習熟すれば白熱した戦いになりそうだ。

 次に『シュヴァーベンの百万人』。自分で予想して自分で試合をする八百長サッカーゲームだ。1人2チームを担当し、合計8チームでまずA組、B組のリーグ戦を行う。私はドイツとスペイン、左どなりの人はイングランドと日本、対面の人はスイスとチェコ、右どなりの人はナイジェリアとイタリアを担当。A組にはドイツ、日本、イタリア、スイスが入り、B組にはイングランド、スペイン、チェコ、ナイジェリアが入った。私はスペインが優勝すると予想。ドイツは一次リーグで敗退するというどんでん返しを仕組んだ。予定通りドイツは日本にも負けてしまうが、その日本も敗退してしまいイタリアとスイスが準決勝進出。B組はスペインが全く振るわず、イングランドとナイジェリアが準決勝に進出した。どちらも準決勝進出までは予想していたが、まさか決勝に勝ち進むとは。結局延長の末ナイジェリアが優勝。自分のチームが全て予選敗退した上、予想も当たらずビリだった。サッカー好きな方に。

 そして最後に『タラ』はイギリスのサプライズド・ステア・ゲームズというメーカーのゲーム。たえず逆転が起こるように作られているのは落ち着きがないが、連鎖をうまく使うなどルールを聞いたときとは違うインパクトがあった。

 フェアプレイのアンケートは組織票である可能性もある。『ミスタージェック』や『レオナルド・ダヴィンチ』が高い評価を受けているのが、ブースはすぐそば。サクラが5人ぐらい最高点をつければたちまち上位に躍り出る。上位になればそれを見た客がやってくるから宣伝効果が大きい。投票結果はそれくらい差し引いて考えたほうがよいかもしれない。

 フェアプレイの人気調査、木金土の3日間の中間集計は、40票以上の獲得で上位からアレアの『ノートルダム(Notre Dame、1.7)』、サプライズド・ステア・ゲームズの『タラ(Tara、1.7)』、コスモスの『大聖堂(Die Säulen der Erde、1.7)』、ダヴィンチの『レオナルド・ダヴィンチ(Maestro Leonardo、1.8)』、イスタリの『イスファハン(Ysphahan、1.9)』、エガートシュピーレの『スペースディーラー(Space Dealer、2.0)』など、最終日の明日はどうなることやら。

 来場者自体は木金と比べものにならないほど大混雑していたが、ヤポンブランドは不思議なことに客足が落ちて売り上げも半減していた。それだけウェブなどの事前情報をチェックしない一般客が多いということで、木金にいかに事前情報を得て訪れた人が多かったかを物語る。

 夕食はヤポンブランドのメンバーと軽食のつもりがまたシュヴァイン・ハクセを頼んでしまいずいぶんヘヴィーに。軽いデザートのつもりで頼んだバニラアイスのベリーソースも大盛りで驚いた。こんなのを子どものときから食べていたら、太っている人が多いのも分かる。その上ゲームばかりで運動しなかったら……自分も気をつけよう。