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年間ゲーム大賞、ノミネート発表

 ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)選考委員会は8日夕、2005年のノミネートリストと推薦リストを発表しました。ノミネート数は昨年に引き続き、一般大賞と子ども大賞について5タイトルずつ、推薦リストは9タイトルずつに絞り込まれました。

 年間ゲーム大賞のノミネートは以下の通り(リンク先はメビウス、プレイスペース広島、各メーカー)。今年は発表時点でメビウスルートが2タイトル、プレイスペース広島ルートが1タイトル、未輸入2タイトルという輸入状況です。



 選考の方針は明らかにされていませんが、難易度の低いもの(勝利への道)から高いもの(ヒマラヤ)、ボードゲーム(80日間世界一周)、ギミック系(ナイアガラ)、2人用(ジャンボ)と同じジャンルが重ならないような配慮を見て取ることができます。これまでの傾向から難易度が中庸で3人以上でも遊べるゲームが大賞を受賞するとすれば、80日間世界一周ナイアガラの受賞可能性が最も高いことになりますが、はたして結果はどうなるでしょうか。ドイツのウェブサイトSpielboxで行われている年間ゲーム大賞予想・中間集計ではナイアガラが1位、80日間世界一周が4位、勝利への道が9位となっています。

 一方、同時に発表される年間子どもゲーム大賞のノミネートは以下の通り(リンク先はプレイスペース広島と各メーカー)。国内で発売されていたものは2タイトルに留まりました。



 推薦リストは以下の通りです。家族向けゲームとしてノミネート入りが予想されていたゲームでは、マニラウボンゴオーストラリアアマゾン探検などがリスト入りを逃しました。フリーク向けで期待されていたルイ14世バベルの塔を含め、投票が開始されたドイツゲーム賞(Deutscher Spielpreis)での入賞が見込まれます(リンク先はメビウス、名古屋EJF、Spielnet、当サイト、各メーカー、データベース)。



大賞は6月27日発表予定。(Spiel des Jahres

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勝利への道(Verflixxt!)

毎年、ドイツ年間ゲーム大賞のノミネートは愛好者の予想を裏切ってきたが、昨年からその傾向を強めた。愛好者も決してフリーク向けのゲームを予想しているわけではないので、審査員たちは愛好者の考えるような家族ゲームからあえて距離を置き、将来のために何か新しいものを提示しようとしているのかもしれない。
ノミネートされた5作品のうち、難易度が最も低いとされているVerflixxt!(くそったれ)は、クラマーとキースリングという大賞の常連作家で、しかもメーカー大手のラベンスバーガーから発売されていながらあまり注目されていなかった作品だ。ラベンスバーガーはエッセンでYESを、ニュルンベルクではオーストラリアを推しており、この作品は大々的に宣伝していない。おそらくラベンスバーガーにとってもノミネートは意外だったにちがいない。
Verflixxt!は、シンプルながらもひねりのきいたスゴロクゲームだ。スタートからゴールまで、プラスタイルとマイナスタイル、それからマイナスをプラスにできるラッキータイルを並べる。自分のコマは3つ(5?6人なら2つ)。サイコロを振って、その数だけ自分のコマをどれか1つ進める。
あるタイルの上に自分のコマが1つしかないとき(他にコマがないとき)、そのコマを動かしたらタイルを取らなければならない。プラスだったらよいが、マイナスタイルは誰も取りたくないので他の人のコマと一緒に移動したり、「見張り」と呼ばれる中立のコマを踏み台にする。中立のコマは条件さえ満たせば誰でも動かせるので、これを上手に使うのがポイントだ。
全員がゴールしたら獲得したタイルで得点計算。ラッキータイルは、一番大きいマイナスタイルをプラスに転化できる。-9点が+9点になってしまうのだから重要だ。2枚あれば、2番目に大きいマイナスタイルもプラスに転化できる。これを見越してあえて大きいマイナスタイルを取りに行くという選択もありだろう。
バリアントルールとしてタイルの並び順を変えたり1が出たら別のことができたりするというもあるが、基本的にはこれだけ。遊んでいないので実際にどう運ぶかは分からないが所詮サイコロ次第なので、気楽にマイナスを踏んで「くそったれ」というような遊び方になるだろう。
これが数ある作品を押しのけてノミネートされたことを考えると呆気ない感じは否めない。コンポーネントも地味で、大賞がこれになる確率は低いのではないかと思われる。
Verflixxt!
ゲームデザイン・W.クラマー&M.キースリング
ラベンスバーガー(2005年)
2~6人用/8歳以上/30分