レゴゲームの成功
昨秋にドイツのエッセンに行ったとき、いくつかのおもちゃ屋を回ったが、レゴゲームはひとつのコーナーになって、お店の目立つところに陳列されていた。ボードゲームはメーカーもさまざまで種類が多く、奥に押し込められがちだが、レゴゲームがこうして目立つところに置かれるのは、レゴ社のネームバリューと販売力によるものだろう。
10タイトルの代表となったのは『ラムセスのピラミッド(Ramses Pyramid)』(写真。ゲーム内容はこちら)である。R.クニツィアが手がけ、トイイノベーション賞(ゲーム&アクション部門)と、オーストリアゲーム大賞(Spiel der Spiele)を獲得した。記憶と運の両方が試されるキッズゲームで、記憶を頼りに、ピラミッドのどの段から上ったらよいか、段をどう回せば自分に有利かを考える。でも最後の決戦はダイスロール。記憶力で劣っていても、ダイスでいい目を出せば勝つ可能性はある。
ほかの9タイトルにも共通するのは、きわめてシンプルなルールであるということ。『ラムセスのピラミッド』はまだ複雑なほうで、ほかはルールをよく読まなくとも見た目で判断しながらすぐ遊べるように作られている。ゲーマーには物足りないだろうが、普段レゴを遊ぶファミリーにはウケるにちがいない。
この成功を受けて、今年もこれまでに8タイトルの発売が予定されている。中でも『ハリーポッター:ホグワーツ』は、ライセンス商品を得意とするレゴ社ならではの新作。魔法学校のさまざまな仕掛けをレゴでどう再現するか楽しみだ。
さて、こうしたレゴゲームは、日本で展開されるのだろうか。以前、知人がレゴショップで問い合わせたところ、取り扱いの予定はないという答えだったそうだが、日本での発売を計画しているという噂もある。この成功を見ると、近いうちにおもちゃ屋さんのレゴコーナーに、レゴゲームが並ぶ日も近いような気がする。
・LEGO Games
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カヤナック(Kayanak)
イヌイットの魚釣りをテーマにしたキッズゲーム。1998年にドイツ年間ゲーム大賞キッズゲーム特別賞と、ドイツキッズゲーム賞を受賞。それから10年以上経つが、根強い人気があり、NPOゆうもあの「ゆうゲームズ」にも認定されている。
ダイスを振って、イヌイットコマを移動し、盤面に実際に穴をあけ(挟んでおいたA4用紙を破る)、釣竿を垂らして魚を釣る。穴をあけるときにブスッという音、魚が釣れたときのカチッという音が気持ちいい。魚が釣れなくてスカッというのもまたウケる。
対象年齢は6歳以上だが、ルールを簡単にすればもっと小さい子供でも遊べる。長女・長男と3人で対戦。大漁の漁場を見つけた長女はウハウハで1位。私は大人の読みで大漁の漁場を探し歩いたが、その分釣りができなくて3位。4歳の長男も、最後まで熱中して遊び、大きい魚だ小さい魚だと喜んでいた(魚は金属のボールで、2点になる大きい魚と1点の小さい魚がいる)。
近年、キッズゲームが各社からたくさん発売されているけれども、これと同じくらい面白いものはなかなかお目にかかれない。ドイツ年間キッズゲーム大賞史上でも、群を抜く傑作である。
余談ながら、箱絵をじっくり見るとおかしいので紹介。
Kayanak
P.-P.ヨーペン作/ハバ社(1998年)
2〜4人用/6歳以上/20分