ワニに乗る?(Tier auf Tier)
いろんな動物のコマを崩さないように積み上げるバランスゲーム。2005年のドイツ年間ゲーム大賞でキッズゲームの推薦リストに入った。それから5年、今や安定したロングセラーとなっている。
みんな各種1匹ずつ、7匹の動物をもってスタート。中央には邦題にもなっているワニを置く。自分の番にはダイスを振って、1か2ならその数だけ自分の動物を積み、最初に全部なくしたら勝ち。『スティッキー』に次ぐ分かりやすさで4歳でも十分遊べる。
ダイスにはほかにワニ(ワニの両脇に置いて土台を拡張する)、手(ほかの人に積んでもらう)、?(ほかの人に指定されたものを積む)があり、展開にメリハリがあるのもよい。丸々と大きくて積みにくいヒツジを指定されたらもう!
ポイントはぐにゃぐにゃと長いヘビ。この上には、アクロバティックに積める。まるで動物たちのサーカスを見ているようで楽しい(実際は、ヘビの上には乗れないだろうが)。大人だけならば、このヘビを上手く使うことで相当高く積み上がり、エキサイティングになるだろう。
崩したら引き取らないといけないが、3個以上でも2個引き取るだけでよい。残りは箱にしまい、もう出てこないので、どんなに不器用でもゲームが終わる。
遊んだ後は子供たちが動物を並べて動物園ごっこをしていた。それぐらい想像力をかきたてられる美しい造形とかわいい顔立ちである。
Tier auf Tier
K.ミルテンベルガー/ハバ(2005年)
2〜4人用/4歳以上/15分
ゆかいなさかな:ワニに乗る?
どうぶつしょうぎ(Let’s Catch the Lion!)
小さい頃、祖父から将棋を教えてもらったのを憶えている。何度やっても勝つことができず、本を読んで穴熊など試してみたりした。そんなことを思い出しながら、長女と『どうぶつしょうぎ』を遊んだ。
『どうぶつしょうぎ』は昨年発売されて9ヶ月で17万個も売れたヒット作である。うちにあるものも、親戚のおばさんから長女へのクリスマスプレゼントだった。そんな風にして、ボードゲームなどあまり知らない人も気軽に手に取るからこそ、ここまでヒットしたのだろう。
絵柄が子供にも親しみやすいだけでなく、どこに動けるかがドットで示されていて間違わない。盤面は3×4マスで、ヒヨコ(歩)同士はもう最初から目の前。先手はこのヒヨコを取るかどうかを考えることになる。
それでいてゲームは意外に深い。取ったコマを好きなところに打てる、前にしか進めないヒヨコが奥の列まで行くとニワトリになり、6方向に動けるようになるというような将棋のエッセンスだけでなく、将棋にはなかったライオン(王)が敵陣の一番奥まで行くと勝ちという将棋になかったルールでエキサイティングになった。
こちらによればお互いベストを尽した場合78手で後手が勝つそうだが、これだけの盤面なのにそれだけ手数が多ければ、人間同士が普通に遊ぶ分には全く問題がない(『シンペイ』は49手とのこと)。実際、30手くらいで決着が着く。
ここを取ったら、あちらに取られ、今度はこれで取って、ライオンはこっちに逃げるから……というような読みは、記憶と思考の訓練になる。はじめは同じコマで進んだり戻ったりしていた長女も、3戦目くらいになると少し先を読めるようになっていた。
草場純さんによれば、『どうぶつしょうぎ』はフェアリーにしやすいという。左右の端から反対側に出られるルールなど、しばらく遊んだら、いろいろな追加ルールやルール変更を考えてみるとよいだろう。もちろん、これをステップにして将棋にチャレンジするのもよい。
どうぶつしょうぎ
北尾まどか/幻冬舎エデュケーション
2人用/4歳以上/10分