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ハンザ・テウトニカ(Hansa Teutonica)(2)

お互いに手を取にか

ゲーム内容はこちらプフェファークーヘルでは4位と評判は上々で、ドイツゲーム賞でも1位は難しいかもしれないが間違いなく上位に入ってくるだろう。私はこのゲームをとても気に入っていて、昨年のエッセン国際ゲーム祭で発売された新作で5本の指に入ると思う。
序盤は1回のアクションで通商路を完成させることができない。手下を3人置くところで2アクションとか、4人置くところで3アクションしかないからである。そのため半分置きになったところにほかのプレイヤーが1人だけ置いてブロックするという手が横行する。これを追い出すには、相手に手下を1人余計に消費させるだけでなく、自分も追加で1人置けるのでとてもお得なのである。
でも、このために膠着することはない。完成させなければ自分の手下が減り、ほかのところに置けなくなってくるから、放置しておくのは得策でないからである。むしろ、お互いに追い出して手を伸ばしあうほうがよい。
序盤はレベルアップ(特にアクション数)のルートが当然混むが、そこは2ルートあるし、両方埋まっていてもほかにやりたいことはいくらでもある。今回は、くさのまさんがレベルアップはほとんどせずにルートをつなぎまくっており、それに伴って鍵(つながっている都市数分の得点)だけ上げたり、チップも積極的に集めれば十分勝ち目はあった。
確かにアクション数を増やし、ついでルートをつなぐのが王道である。でも皆が同じことを狙えば、それ以外の戦法を取った人に勝ち目が出てくる。そんなクニツィア的なジレンマを感じた。
通商路ブロックを近隣ルートへ広げるチャンスと捉え、またアクション数のレベルアップを経ないでも勝ち目があると考えれば、このゲームには随所に駆け引きがあり、それによって深みは一段と増すように思われる。前回は4人、今回は5人。どちらも概ね好評だった。
Hansa Teutonica
A.シュテーディング/アルゲントゥム出版(2009年)
2〜5人用/12歳以上/60分
ゲームストアバネスト:ハンザ・テウトニカ

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メンサセレクト2010

高IQ者のみ入会を許される団体メンサのゲームイベントが先週サンディエゴにて行われ、200名の参加者によって今年のメンサセレクト(Mensa Select)が決定された。49タイトルの候補から選ばれた今年の5タイトルは、『ドミニオン』や『マラケシュ(ズライカ)』が選ばれた昨年とは打って変わって非ヨーロッパゲームが並んでいる。
メンサ賞は1990年から始まるゲーム賞で今年で21回目。1月に発表されたドイツ・メンサ賞とは別で(ドイツ・メンサ賞に『頭脳絶好調』)、アメリカの会員が選んでいる。
【メンサセレクト2010】
アノミア(Anomia)カードで指示されたプレイヤーより早く人物・場所・物事を挙げるリアクション&トリビアゲーム。自家出版。
ディジオス(Dizios)絵柄が合うようにサイケデリックなカードを並べて得点するドミノ系配置ゲーム。
禁じられた島(Forbidden Island)『パンデミック』のM.リーコックによる、協力探検ゲーム。
ワード・オン・ザ・ストリート(Word on the Street)カードに指示されたジャンルの単語を考えてスペルを進めるレースゲーム。
イカーズ(Yikerz!)ほかの磁石とくっつかないようにボードに配置するアクションゲーム。
Boardgame News:Winners of the 2010 Mensa Mind Games
Boardgame Geek:Mensa Select winners 2010