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なげなわ名人・ラリー(Larry Lasso)

西部劇のようにカッコよく

ダイスで出た目の泥棒を投げ縄でつかまえ、手元に引っ張ってくるアクションゲーム。ボードゲームおっぱいでは酒に酔って盛り上がったようだが、シラフでも十分熱くなれた。
ダイスは2個で、コマの色・コマに描かれた泥棒の絵の色と対応している。ダイスを振ったら、対応する色の泥棒に縄を投げてひっかけ、手元まで引き寄せたら得点。2色とも合っていれば2点、1色だけなら1点。捕まえるべき泥棒はたくさんいるので、1人捕まえても安心せず、どんどん捕まえてこよう。
投げ縄は西部劇によく出てくるものだが、泥棒にひっかけるにはコツがいる。上からかぶせるようにするのではなく、サイドスロー気味に投げたほうがいいみたいだ。投げ方が悪くて出遅れてしまったが、後半は健闘できたと思う。だがそれ以上に調子を上げてきたtomokさんが、全員リーチという状態から頭ひとつ抜け出て優勝。
泥棒を捕まえるたびに歪む輪のかたちをいちいち手直したり、ほかの人が捕まえて引っ張り中の泥棒に縄をひっかけて転ばせたり(故意にすることは許されていないが、「誤って」引っかかるのである)、みんな童心に帰って熱中していた。
4歳の長男とも遊んだが、縄を持つ位置でハンデをつけると対等に遊ぶことができる。大人げなくなっている親の姿を見せるのも、ときには必要かも。
Larry Lasso
L.ボス/セレクタ玩具(2009年)
2〜4人用/5歳以上/15分

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ナビゲーター(Navegador)

長崎は遠かった

15世紀に航海者を支援し、「航海王子(Infante de Navegador)」と呼ばれたポルトガルのエンリケ。大航海時代の先陣を切って長崎を目指すボードゲーム。昨秋のエッセン国際ゲーム祭で発表され、ドイツの人気調査スカウトアクションとウムフラーゲでいずれも3位につけている高評価タイトルである。日本では先月からようやくテンデイズゲームズなどで一般発売され始めた。
船を作り、ヨーロッパからアフリカ、インド、東アジアに植民地を作りながら長崎を目指すというのが大まかな流れだが、一番先に長崎に着いた人が勝ちというわけではない。勝利点のパターンがいろいろ用意されており、建物・船・植民地・人材などの総合得点で競う。
ゲームの心臓となるのは作者ゲルツの得意なロンデルシステム。手番が来るたびに円形のアクションスペースを回って、各アクションを満遍なく行う。アクションは7種類あるが、無料で選べるのは毎回そのうち3つだけなのであまり迷わない。そのため手番が早く回り、「もうオレの番?」と思うくらいサクサク進む。これぞドイツゲームの粋。
7種類のアクションとは、労働者を増やす、船を作る、船を進める、植民地を作る、建物(工場・造船所・教会)を建てる、商品を売る、得点力を上げる。このうち労働者・船・建物はお金が相当かかり、収入が入ったそばから消えていくカツカツぶり。商品は相場が常に変動しているので、高い利益が見込める植民地や工場を作っていかなくてはならない。商品は砂糖・金・香辛料の3種類があって、それぞれ売るたびに相場が下がるので、ほかの人とかぶらないことが大事だ。
労働者を雇えば植民地や建物を作りやすくなり、造船所を作れば船が安く、教会を作れば労働者が雇いやすくなる。このようにお互いに密接している効果で、好循環を作る手腕も試される。船をどんどん作って先へ先へと航海するか、後を追いかけながら植民地と工場を作ってまず貯金に専念するか?
先へ先へと航海するか後を追いかけるかが問題になるのは、船が最先端の海域に入ると、船が1艘なくなってしまうからである。最先端の海域では、後で得点になる探検家コマをもらえるし、真っ先に植民地を作ることもできるが犠牲も大きい。2艘なければその先の海域に進めないので、後方から船をどんどん投入しなければ行き詰まってしまう。
終盤は、それぞれ伸ばしてきた長所で得点力が上がるように調整していくことになる。長崎は諦めて建設に専念してもよいし、長崎を目指して探検家コマを集めるのもよい。ただ、誰かが長崎に到達すると1周でゲームが終わるので、詰めを誤らないようにしたい。
神尾さんと私が同じ植民地を選んでしまって共倒れしているところで、その植民地に対応する工場をどんどん作って大金を手に入れた鴉さんが1位。内容は重量級なのにテンポは軽快という、面白楽しいゲームだった。
Navegador
M.ゲルツ/PD出版(2010年)
2〜5人用/12歳以上/90分
テンデイズゲームズ:ナビゲーター