Posted in や行

屋台料理大食い勝負(小吃大胃王 / Taiwan Snackbar)

腹八分目は難しい
屋台料理大食い勝負
各サイズのカードスリーブを製作販売している台湾のスワンパナシア社が、ゲームマーケットに持ち込んだカードゲーム。ウノ系かと思いきや、カードを押し付けあうチキンレースで、「これは買いだよ」「どこで売ってるかな」と好評だった。
カードには美味しそうな台湾料理のイラスト。手番には、好きな料理を出してとなりの人に渡す。となりの人は、同じ料理を出してさらに次の人に渡すか、そのカードに書かれた枚数を山札から引く。そのほかにリバースや指名でやり過ごすこともできる。
同じ料理を出して次の人に渡すと、数字が累積して山札から引く枚数が増える。「2」の「臭豆腐」なら2,4,6…と穏やかに増えるが、「6」の「油肉飯」だと6,12,18…と激しい。
ただし、目的は手札をなくすことではない。山札の中からたまに出てくる「もう食べられません!」カード(-1点)を引かないことなのである。最初、「もう食べられません!」カードは山札の中に1枚しかない。少ない枚数なら、引けるうちに引いておき、絶体絶命の押し付け合戦に備えておきたいところだ。
「もう食べられません!」カードが引かれるたびに、捨て札をシャッフル。「もう食べられません!」カードを増やして次のラウンドを始める。ロシアンルーレットの弾が1発ずつ増えていくような感じで、山札から引くのがどんどん怖くなる。
誰かが3枚目の「もう食べられません!」カードを引いたら終了で、マイナスの少ない人が勝ち。同点の場合は、手札の多いほうが勝つ。そのためにも、引けるところでは引いておきたい。
ここは大食い大会。食べない(カードを引かない)ままでは終われないが、食べ(引き)過ぎるといつ限界が来るか分からない。そんなジレンマが絶妙である。2ゲーム遊んで、1ゲーム目はできる引かないようにしていたが、それでは勝てないことが分かり、2ゲーム目は適度に引く展開。そうなるとみんなが「もう食べられません!」カードを引いて均衡してくる。勝敗がどうなるか分からなくなる中、鴉さんが思い切って3枚目を引いて終了。かろうじて無傷だった私の勝利。
小吃大胃王 / Taiwan Snackbar
倉木羽/スワンパナシア(2011年)
3〜10人用/8歳以上/30分

Posted in さ行

スプリングフィーバー(Spring Fever)

春のブラフはさらさら行くよ

4枚のカードを回して、ばれないように嘘をつくブラフゲーム。人気ゲームのフランス語版を出しているフィロソフィア出版(カナダ)のオリジナルゲームで、F.フリーゼの作品である。フリーゼは癖のあるデザイナーで好き嫌いがはっきり分かれるが、このゲームはフリーゼ嫌いという人でも楽しめると思う。
山札から引かれた4枚のカードには、プラスのカードとマイナスのカードが入っている。受け取ったら4枚を見て、「一番低い数字」のカードを1枚、自分の前に出し、残りをとなりの人に渡す。となりの人は本当だと思えば受け取り、山札から1枚カードを加えて、また「一番低い数字」のカードを出して渡す。この繰り返し。最後に自分の前にあるカードの合計で勝敗を決める。
「3点しかありませんでした」「んなわけないでしょ!」ウソだと思ったらチャレンジ。3枚のカードを公開して、ウソがバレればペナルティとしてマイナスカードを取らせる。反対にウソでなかったら。すでに公開しているマイナスカードを押し付けられるか、プラスカードを取られてしまう。
ブラフゲームの名作『ファブ・フィブ』のように、ウソにウソを塗り固めるようにしてカードが回っていくのが楽しいが、『スプリングフィーバー』はちょっとした戦略的要素がある。
マイナスカードには数字の大きいものがあるが、一度受け取っても、チャレンジに失敗させれば押し付けられる。これを利用して、序盤にマイナスの大きいカードを取っておいて、となりの人にプレッシャーを与えるのである。となりの人は、マイナスカードに怖気付いてチャレンジしにくくなる。その間に、嘘をつきまくってプラスカードを貯めこむのである。なので大きなマイナスカードを取っても、負けるとは限らない。
右どなりがシミーズさん、左どなりが草場さんという座り位置。シミーズさんのウソは連続で見破り、2ゲーム目に逆周りになったときも、チャレンジをことごとく退けたが、草場さんはさすが百戦錬磨。すべて裏をかかれて見破ることができなかった。でかいマイナスカードを引いてしまったときに、小さいマイナスをどこまでいえば勘弁してもらえそうか悩ましい。のどかなイラストと裏腹に、相当大人のゲームである。
Spring Fever
F.フリーゼ/フィロソフィア出版(2011年)
3〜6人用/8歳以上/20分
テンデイズゲームズ:スプリングフィーバー