ドイツボードゲーム博物館(Deutsches Spielemuseum)
エッセン国際ゲーム祭「シュピール」が始まる前に、ケムニッツにあるドイツボードゲーム博物館を見学してきた。シュピールは水曜の記者会見からスタートするが、ドイツボードゲーム博物館は月曜と火曜が休館日であることから、早めに日本を発って、日曜日に行かなければならなかった(別にシュピール会期中でも休館していないので、後から行くという方法もある)。
ケムニッツは旧東ドイツの都市で、エッセンからは特急を使っても6時間かかる。今回は日本から直接なので、ライプチヒ空港で降りて1時間ちょっと。シュピールに合わせて行こうと思うと、前でも後でもなかなか行きにくい。
中央駅の近くのホテルに荷物を預けて、行き方を訊き、路面電車1号線シェーナウ行きに乗って「カップラードレーエ」で降りた。少々迷ったが、歩いて10分ほどで到着。
入場料は4ユーロ。1階がプレイスペース、2階が博物館になっている。まずは博物館から。ここには紀元前のサイコロや、19世紀のボードゲーム、ドイツ初のモノポリー(1933年)などが陳列されている。古いゲームはほとんどが双六であるが、各時代のイラストがそれぞれ味わいがあって興味深い。マリア・テレジアのゲーム禁止令文書なんていうのもあった。
ゆっくり展示を見てから1階へ。プレイスペースでは、コスモスやアミーゴなど国内主要メーカーのボードゲームが棚にいっぱい入っており、自由に出して遊ぶことができる。メーカーが宣伝を兼ねて提供しているのだという。新しいゲームが多いが、絶版ゲームもちらほら。家族連れやカップルがボードゲームを楽しんでいる姿も見られる。
今年の年間ゲーム大賞棚があって、そこで未プレイだった『小さなカエルの音楽(Kleine Froschmusik)』、『恐竜から逃げろ(Flucht vor dem T-Rex)』(ともにキッズゲーム大賞推薦リスト)など7ゲームを遊ぶ。これだけで元を取った気分だ。
閉館まで遊べそうな勢いだったが、昼食抜きだったのと、帰り道が寂しくなりそうだったので早めに退出。ショップでM.コッベルトの『文化財としてのボードゲーム(Kulturgut Spiel)』という本を購入した。ほかにもいくつかボードゲームが販売されており、格安品もあった。
路面電車で繁華街まで戻ったが、日曜日なので店はほとんど閉まっている。そんな中で、市役所の古い建物の地下にある「ラーツケラー(Ratskeller)」というレストランを発見。内装が驚くほど豪華なのに、料理はほとんど10ユーロ以下。魚料理にビールを飲んで、食後にケーキビュッフェと紅茶までつけたのに、20ユーロに満たなかった。残念ながら、エッセンにはこれほど美味しい店がない。
路面電車の街並みと、ボードゲーム遊び放題の博物館、そして美味しいレストランで大満足の1日だった。明日も少し街の中を散策してから、6時間かけてエッセンに向かう。
・Deutsches Spielemuseum
レオナルドの謎(The Enigma of Leonardo)
いいスケッチを流すな
レオナルドの発明品スケッチを縦横に揃えて、チップを集めるロシアのカードゲーム。ロシアのライトゲームズ社は、初出店となる今年のエッセン国際ゲーム祭に4タイトルを用意しているが、そのうちの1つである(残りの3タイトル『エボリューション:種の起源』『十字軍の王国』『ポーション作りの練習』については当サイトですでに紹介済み)。いずれもイラストが非常に美しく、またゲームは社名の通りライトながらひねりがある。
それぞれ自分の前に十字型にカードを並べてスタート。自分の番には、4枚のいずれかに手札を出して、スケッチを揃えることを目指す。イラストが揃えばチップがもらえ、規定枚数のチップを集めれば勝ち。同じチップは1回しかもらえないので、だんだん上がりにくくなる。
ポイントは、手札を出したとき、前に置かれてあったカードは左どなりの人の同じ位置に移るというところ。絶好のカードが渡らないように注意するだけでなく、揃いにくくなるよう、全く違うスケッチを出したい。
もっとも、妨害のつもりが絶好のカードを渡してしまうことも。私からナイスなカードが流れてきたtomokさんが一挙に2パターン揃える快挙で1位。1枚のカードにはスケッチが2パターンあるので、どちらかは揃えられることが多い。手札次第だが、そのチャンスを見逃さないのがポイントのようだ。
The Enigma of Leonardo
S.マーチン作、ライトゲームズ(2007年)
2〜4人用、8歳以上、40分
RightGames: Potion-Making
ゲームストアバネスト:レオナルドの謎