心臓発作ゲーム(Infarkt)
体に気をつけて!じゃないと死ぬよ
今や誰でも気をつけなければいけない生活習慣病。喫煙、糖尿病、高血圧、メタボリック症候群、高コレステロール血症……40歳くらいになると、健康診断で「要注意」が出ない人のほうが珍しくなる。知り合いと会って健康の話だなんて、年寄りのすることだろうと思っていたが、40代どころか、30代からそんな話が出てしまう世の中である。医者から「このままの生活では死にますよ」と、脅しではなく注意されたという話も聞く。
コレステロール、血圧、体重、うつ度、糖尿度、がん度。この6つの値をできるだけ上げないように注意して生き残ることを目指すチェコの人生ゲーム。ゲーム中の会話が妙にリアルで、身につまされること大である。
毎ラウンドはじめにイベントが並ぶのでその中から1つ選ぶ。「誕生日パーティー」「会社で昇進」「交通事故」「離婚」「祖母の逝去」…いいこともあれば、悪いこともある。でもどんなによさそうなイベントでも、健康によくはない。パーティーを開けば、飲み過ぎ、食い過ぎでコレステロールや糖尿が上がるし、会社で昇進すれば血圧やうつ度が上がる。しかし必ず1つは取らなければならない。現在の体調を考えて選ぶ。
次に、このラウンドの行動を3つ決める。会社(収入を得るがうつ度が上がる)、スーパーマーケット(食料を買う)、自宅(うつ度を下げ食事かパーティーをする)、フィットネスクラブ(お金を払ってうつ度と体重を下げる)、薬局(薬を買う)、蚤の市(食料を交換する)から。お金はうつ度と引き換えに手に入るところがせつない。
食料には健康食と有害食があり、いずれも自宅に行ったときに、食料と飲物のセットで出す。緑茶、コーンフレーク、ワイン(ポリフェノール?)などの健康食は自分で摂っていろいろな値を下げる効果。ステーキ、ウォッカ、タバコなどの有害食は、自宅でパーティーを開いて、両どなりのプレイヤーにご馳走する。「さあどうぞ、召し上がれ♥」断ることはできず、コレステロールや体重やがん度がアップ。
抗うつ剤などの薬は単独で飲める。また全体的に少しずつ改善する健康食と違って、ピンポイントで今やばいところを治療できる。必要な薬が手に入らなければ、蚤の市で交換してもよい。薬の安易な服用が、健康の秘訣。何か間違っている気がする。
値が危険領域に入ると、複合的に体調が悪化する。コレステロールが7以上になると血圧も悪化、血圧が7以上になるとコレステロールも悪化。体重は5以上で糖尿度が悪化、うつ度・がん度は5以上でそれ自体が加速。こうなると健康食ぐらいでは焼け石に水。体重以外、いずれか1つでお10に達すると死亡、脱落となる。
誰かが死亡したとき、全員が香典を支払わなければならず、しかも仲間を亡くしてうつ度が上がる。パーティーに招待してヘヴィーな料理をご馳走したひとは責任を感じてさらにうつ度+1。苦しみばかりの人生でも、生き延びた人が勝者だ。
ゲーム開始直後に昇進した塚本さんが、収入をひたすら薬につぎ込んで健康を維持。私はうつ度に気を遣い、あまり働かずに健康食を食べ続けたが体重が抑えきれず、糖尿が悪化。鴉さんは血圧がやばい感じである。ご馳走を振る舞いまくっていたぽちょむきんすたーさんが、その分自分の健康管理に手が回らず、最初に高コレステロールで心臓発作。残る3人の戦いは、塚本さんがとどめのパーティーで鴉さんと私にとどめを刺し、余裕の1位となった。
「そろそろ血圧がやばい感じだなあ」「早めに抗うつ剤を飲んでおくか」など、ゲーム中の会話が生々しい。ゲームが終わっても、ベーコンやスクランブルエッグに至るまで、「これを食べると体に悪いかな」などと思ってしまい、気がつけば体重が少し減っていた。ダイエットしたい方におすすめ。
Infarkt
V.ブルマー/チェコボードゲームズ(2011年)
2〜5人用/10歳以上/45分
ゲームストア・バネスト:心臓発作ゲーム
ドロッセルマイヤーズ、新店舗リニューアルオープン
8月11日(土)、中野ブロードウェイ3階にて、ドロッセルマイヤーズボードゲームマートがリニューアルオープンする。開店時刻は12:00。以前の店舗を6月24日に閉じて以来、1ヶ月半ぶりの再開となる。
新店舗は中野ブロードウェイの3階(344-1)。4階にあった前店舗から、ビル内でのフロア移動のみではあるが、中野ブロードウェイで最も人通りの多い花形エリアに移転した。7月中旬予定だったリニューアルオープンが遅れたのは、手作りで凝った改装をしていたため。
新店舗では、よりセレクトショップの方向性を強め、広く浅く多数のゲームを取り揃えるのではなく、「ドロッセルマイヤーズらしいもの」を今まで以上に選択的に扱うとしている。テーマとして、一過性のブームで終わってしまうような個々のゲームではなく、普遍的な「遊び」の文化を伝えていきたいと店長の渡辺範明氏は語る。すでに、5月のゲームマーケットからオリジナルバックギャモンボードを受注するなど、独自の活動を展開している。
またドロッセルマイヤーズは、秋から同人アナログゲーム専門のネットショップ「ラウンドテーブル」をオープンすることも明らかにした。ゲームマーケットだけでなく、365日いつでもインディーズゲーム作品を売る/買うことができる場、作品とクリエイターを紹介し、情報発信していける場、新しい作品が生まれ、カルチャーがつくられる場を目指し、インディーズゲーム専門レーベルとして展開する。
すでに次のような名だたる顔ぶれが参加を表明しており、今後も募集を続けていくという(五十音順)。今後の動きから目が離せない。
・I was game (代表作『ヴォーパルス』)
・OKAZU Brand (代表作『TRAINS』『ひも電』他多数)
・株式会社エリゴス (代表作『つかいま!』)
・株式会社ツムラクリエイション (代表作『アメン』)
・カワサキファクトリー (代表作『R-ECO』『ノーラックポーカー』他多数)
・薫風 (代表作『ヒットメーカー!』)
・サークル倦怠期 (代表作『卑怯なコウモリ』『バベルの塔』)
・サイ企画 (代表作『ストリームス』『グースカパースカ』他多数)
・篠原遊戯重工 (代表作『うそつきばかり』)
・シュピールエンブリオ (代表作『面接開始5分前!』)
・ショーナンロケッティアズ (代表作『クラウンテイカー』)
・77spiele (代表作『ファラオの帰還』)
・高天原 (代表作『みならいゆうしゃとまほうつかい』他多数)
・タンサンファブリーク (代表作『ファブフィブ』『ヒットマンガ』他多数)
・BakaFire Party (代表作『惨劇RoopeR』)
・ピグフォン (代表作『未確認生物TV』『ウントチュース!』他多数)
・HISADAKE (代表作『ご当地大戦』)
・MoB GAMES (代表作『Mansion of the DEAD』)
・遊星からのフリーキック (『オートマチックフロンティア』『トロルマスター』他多数)
・ドロッセルマイヤーズ:店舗リニューアルオープン &ドロッセルマイヤーズ ラウンドテーブル発表!