月刊少年サンデーにボードゲーム漫画
12日に発売された月刊少年サンデー(ゲッサン)の4月号に、ボードゲーム漫画『放課後さいころ倶楽部』が新連載された。作者は『風』『月の蛇』の中道裕大氏。
女子高校生の日常をボードゲームを通して描く作品。表紙の絵では、3人の少女が謎のボードゲーム(版権の関係で、既存のボードゲームを描けなかったそう)を遊ぶ姿が描かれている。
京都の女子高生・美姫は自分の殻に閉じこもりがちな毎日を送っていた・・・
そんなある日、ある少女との出会いから、新たな「楽しい」を探す日々が始まる!
作者の中道氏は作品紹介ページにて、「作家が一番好きなものを描かないと、面白い漫画は生まれない」というゲッサン編集長の言葉を引用し、自分の興味を持ったことを思いつく端からやってみて、今回の連載が生まれたことを明かしている。ツイッターによれば、千葉県松戸市のフリースペースで毎月行われている「オトナのテーブルゲーム大会」に参加して、さまざまなボードゲームを遊んでいる模様だ。
なお、ボードゲームは第1話にまだ登場していない。今後の展開に期待がかかる。
スペクタクラム(Spectaculum)
陣取り&株ゲーム
村から村へと渡り歩くサーカス団を支援してお金を稼ぐボードゲーム。人気のあるサーカス団を見極めて投資しよう。まもなく来日する人気デザイナー、R.クニツィアが昨秋、発売した作品で、クニツィアらしく随所にジレンマがたっぷり仕込まれている。
『秦』と同様、テーマよりもシステム寄りのゲームである。4つのサーカス団の人気=株価を操作しつつ、サーカス団員=株券を売買して儲ける。株価を操作する方法が、ボード上にコマを置いて+3~-3(サーカスの評判)のタイル(中央に+5)を取ることで、ここに陣取りの要素がある。株ゲームと陣取りをミックスしたところが面白い。
自分の番には、株券を2枚まで現在の価格で売買し、ボード上に手持ちのコマ3つを置いて株価を変えたり配当や損失を出したりする。売買は、コマを置く前でも後でもよい。ボード上に残っている配当・損失のタイルが1枚以下になるか、コマがなくなったら終了。株券を全て換金して、現金の多い人が勝ち。イベントも特殊能力もない、骨太なドイツゲームである。
しかし、いざゲームが始まると悩むことは実に多い。どの株価を上げ、どの株券を買うか。株券は今が売りどきか、もっと上がりそうか。そしてこれらの判断には、ほかのプレイヤーの所持状況も加味しなければならない。ほかのプレイヤーがたくさんもっていれば下がりにくいだろう。儲けるには相乗りや協力も欠かせない。株価が今後上がり調子かどうかは、ボード上を見ればある程度予測できる。
複数のプレイヤーと異なる株券で協力関係を築いたぽちょむきんすたーさんが1位。私は周りが売れば売る、周りが買えば買うという対応で後手後手にまわり、しかも見切りをつけて売り払った株がその後も上がり続けるという誤算で最下位。
ほどよいインタラクション、たえず訪れるジレンマを、煩雑な手続きなしに楽しめるクニツィアの手腕はさすが。ボードゲームにハマった原点に帰る思いがした。
Spectaculum
R.クニツィア/ペガサスシュピーレ(2012年)
2~4人用/8歳以上/30分