Posted in た行

海の通路(Tsuro of the Seas)

大怪獣に救われる
海の通路
ボードから落ちないようにタイルを並べてルートを確保する生き残りゲーム『通路』(2004年)の第二弾。今回は盤面を荒らしまわる「大怪獣(Daikaiju)」が現れる。
盤面は7マス×7マスで『通路』から一回り大きくなった。ここに最初から大怪獣が何頭かいる。各自、自分の船をボードの端にセットしてスタート。手番にはまずサイコロを振り、出た目によって大怪獣が移動する。その動きはランダムであり、自分の近くへ来ないことを祈るばかりだ。
次に手持ちのタイルを1枚、自分の船の前に置いて、そこに書かれた通路に沿って船が移動する。盤外につながっている通路や、大怪獣につながってしまったら脱落。近くにほかの人の船がいると、その人が置いたタイルによって脱落させられることもある。
手札を補充して次の人の手番へ。こうして最後まで生き残った人の勝ちとなる。
大怪獣の移動先にタイルがあると、そのタイルは除去される(そこに船がいる人は脱落)。そこからさらに移動すると、タイルのないマスが生まれる。そのマスがあるために、盤外に出ないで助かることもあって、大怪獣はいつも悪者というわけではない。
大怪獣の動きはランダムで、盤外に出て行ってしまうこともある。規定数より減ると、新たに盤上に出現することになっている。サイコロで決められた座標に出現するので、たまたまそこにいていきなり脱落ということも。大怪獣にはいつもヒヤヒヤさせられる。
7人プレイ。ケイコさんがいきなりとなりにいたツカモトさんの船を盤外へ。近づくと危険である。その後も小競り合いが続き、大怪獣に突っ込んで行ったり、目の前に居座った大怪獣を避けられなかったりしてどんどん脱落していく。ケイコさんは大怪獣が出現しない周縁部を堅実に周って生き延びた。最後はbashiさん、ケイコさん、私の一騎打ちとなり、bashiさんが大怪獣に食べられた穴で助かって1位。

タイルを置けるところはあと4枚だけ。手番順と手持ちのタイルが勝敗を決める
大怪獣が襲いかかる恐怖で、サイコロを振るたびに一喜一憂が湧き起こり、スリルのある展開が楽しめた。
Tsuro of the Seas
T.マックマーキー、J.ワイズマン/カリオプゲームズ(2012年)
2~8人用/8歳以上/30分
国内未発売

Posted in か行

禁断の砂漠(Forbidden Desert)

砂嵐と日照りに翻弄されて

『パンデミック』『禁断の島』のデザイナー、M.リーコックが今年発売した協力型の探検ゲーム。古代の都市を発掘に来た探検隊は砂漠の中で遭難してしまう。砂漠から脱出する方法は4つのパーツを集めて伝説の飛行船を作ること。しかし砂漠はいつも砂嵐が吹き荒れ、パーツはみるみるうちに砂の中に埋もれてしまう。さらに焦げ付くような日照りが隊員の命を奪っていく。
盤面は『禁断の島』と同様、タイルを並べて作る。『禁断の島』ではタイルが海に沈んで除去されていったが、『禁断の砂漠』ではタイルの上に砂マーカーがどんどん重なっていく。砂マーカーがあると発掘や通行ができなくなる。
手番にできることは移動、砂の除去、発掘、パーツの獲得で、4アクションが与えられる。移動して、砂マーカーを除去し、砂がなくなったところで発掘する(タイルを裏返す)というのが基本。
一番の目的は4つのパーツを全て獲得することだが、各パーツは、東西の位置を示すタイルと、南北の位置を示すタイルの両方がめくられてはじめて、その交点に出現する。つまり最低8枚のタイルを発掘しなければいけないことになる。盤面は24枚あり、そのうち8枚がパーツのありかを示すタイル。ほかのタイルも有用なものばかり(井戸、トンネル、アイテム)だが、8枚全部見つけるにはどんどん発掘していかなければならない。砂に埋もれたところに出現したりするのを、砂をかき分けて取りに行くのも一苦労だ。

手番が終わるたびに、砂嵐カードがめくられる。これによってタイルが何枚か移動し、移動したタイルに砂マーカーがのせられる。その中に入っている砂嵐レベルアップは砂嵐カードをめくる枚数が増え、日照りは対策をしていない人の水筒(ライフ)が1つ減る。
ゲームは1人でもライフが0になったら敗北。また砂マーカーがのストックが切れたり、砂嵐レベルが最高に上がったりした時も敗北となってしまう。その前に4つのアイテムを全部集めて発着所に集合できれば勝利。
ゲームを勝利に導くためには、各プレイヤーがもっている特殊能力(斜め移動・砂の除去ができる、1アクションで2枚除去できる、積もった砂を通り抜けられるなど)を活かした行動を取り、また発掘で手に入るアイテム(砂を一挙に除去できる、めくっていないタイルの中身を見る、仲間とワープできるなど)をやりとりして有効活用することがカギとなる。
5人プレイのノーマルレベルでプレイ。ゲーム開始後まもなく、ライフ0の人が出て敗北。そこで初級レベルに下げて再挑戦したところ、何と連続3回敗北を喫してしまう。1回は砂マーカー切れだが、あとは日照りによる死亡である。そこで対策を練って、水運び(井戸から何度でも水を汲める)がこまめに水を配って歩き、危ない場面ではトンネルかサンシールドに避難することを徹底した。5回目、「次にこの砂嵐カードが出たら終わる」という場面が2度ほどあったが、運に助けられて辛くも勝利。BGGのフォーラムを見たところ、人数が多いと水の供給が滞りがちで難易度が上がると書いてあった。
ベストを尽くした上で立ちはだかるこの難易度は、協力ゲームの醍醐味がマゾヒズムであることを教えてくれる。人数が少なくなるともう少しクリアしやすくなると思われるが、さてどうだろうか。
Forbidden Desert
M.リーコック/ゲームライト(2013年)
2~5人用/10歳以上/45分
国内未発売

4つのアイテムを飛行船に取り付けてクリア!