シュピール’13新作情報:フッフ&フレンズ
広い販売網を武器に、ゲーマーズゲームからファミリーゲームまで幅広いラインナップをもつドイツの出版社です。3タイトルが、ホビージャパンの取り扱いでまもなく一般発売されます。
T.ターコカッリオ作、2~4人用、10歳以上、45分、ホビージャパン取り扱いで5250円。
『ウォルナットグローブ開拓史』や『エクリプス』などのシンプルでシステマチックな作品でファンも増えている、トウコ・ターコカッリオによる戦略性にとんだタイル配置ゲーム。
溶岩が迫り来る中、できる限り多くの住人を見つけ出し、脱出ボートまで導かなくてはなりません。適切な判断と、わずかながらな運を味方につけて、恐るべき自然災害から住人を救い出した英雄になることを目指します。
R.フラガ作、2~5人用、6歳以上、30分、ホビージャパン取り扱いで5250円。
順番に1人が積み木で城を建てる役となり、制限時間内にいろいろな難易度の城の中から好きなものを選んで、うまく建てたらその点数をもらいます。しかし、その城を作っている間、ほかの人はダイスの砲弾をカタパルトで飛ばして崩そうとするのです。しかも、飛ばしたダイスで『ドッカーン!』の目が出たら、机をドンッ!と叩いて揺らすこともできます。フラガの本領が発揮された尋常でないゲームです。
D.ブレトン作、2人用、8歳以上、20分、ホビージャパン取り扱いで3990円。
火と水との精霊に分かれてお互いに優位を競うゲーム。火と水の精霊が拮抗する世界に、地と風の精霊を侵入させて、相手を世界から押し出します。しかし、風の精霊は地の精霊が押した時だけ世界から押し出され、地の精霊は決して世界の外に押し出されることはありません。また、同じ精霊が1列に並んでしまったら、その聖霊は世界から消えてしまい、世界もその分狭くなっていきます。はたして最後に残るのは、火か水のどちらでしょうか? 押し出して、色をそろえて、連鎖させる、考えどころいっぱいのアブストラクトゲームです。
★ドイツあるある:カヤのゲーム(Typisch Deutsch – Das Kaya Spiel)
M.フェルトケッター作、2~5人用、10歳以上、45分。
ドイツのコメディアン、カヤ・ヤナールと共にドイツを旅行し、行き先の文化や言葉についてのクイズに答えます。
地獄の釜(Auf Teufel komm raus)
「もっと欲張れ」が悪魔のささやき
ゲームボードに描かれているのは、鋼鉄製の地獄の釜。その中には炭コマが入っている。その裏にはさまざまな数字と、悪魔マーク。自分の番には、ここから1枚ずつ引いていって、好きなところで止めてよい。ただし悪魔を引いてしまったらバーストで0点。つまりは坊主めくりである。
しかし、その前に全員で、このラウンドの最高点を賭けるというフェイズがあることでゲーム性が高まる。ほかの人の得点状況を見ながら(劣勢の人は大きく賭けてくるだろう)、いくら賭けるかを考え、手持ちのチップを出して全員同時公開。それから順番に炭を引いていく。
自分がバーストしても、賭けたチップ以上の点数を誰かが引いてくれたら賭け成功となる。賭けたチップと同額だけプラス。ところが賭けたチップが一番多い人は、成功すれば払い戻しが何と2倍! このルールのおかげでぬるい賭け方ができない。一方、賭けたチップが一番多ければ多かったで、次々と目標に届かず終わっていく仲間をはらはらしながら見ることになる。
一番かっこいいのは、一番多く賭けて、自らそれだけの炭を引くことだ。バーストせずに枚数が一番だった人と、合計が一番だった人に与えられるボーナスも総取りできる。そういうときに限って、最初の1枚目で悪魔が出てズッコケたりするものだ。規定点に達したラウンドで、チップの最も多い人が勝ち。
5人プレイで30分ほど。最初は慎重に賭けていたが、途中で冒険して高めに賭け、「100」の炭を引いて一気に儲けることができた。トップとなり、あと1回で規定点に達するところだ。そこで安全策を取り、逆転を狙うほかの人が失敗してくれれば1位という展開を狙う。最後のnagaさんの手番、場のチップはほとんどが悪魔となっていた。勝利は確実かと思われたが、nagaさんが鬼引きで「100」を引き大逆転。私は安全策が裏目に出て3位に後退。
勝敗は結局のところ引き運であるが、チップを賭けるとき、炭を引くときのスリルがたまらない。誰かが異様に高額な額を賭けたり、「100」がめくられたりするたびに大きな歓声がわき起こって盛り上がった。
Auf Teufel komm raus
T.エンゲル、S.エンゲル作/ツォッホ出版(2013年)
2~6人用/10歳以上/40分