リトルデビル(Little Devils)
目立ったら悪魔のえじき
全員が1枚ずつ出して、負けた人が全部取るという流れだが、誰が負けるかに工夫がある。そのカギは2番目に出されたカードだ。この数が最初に出されたカードの数より大きいと、ほかのみんなも大きいカードを出さなければならない。そして負けるのは、一番大きいカードを出した人だ。だから、最初のカードを上回るぎりぎりのところを出したいが、そんなに都合よく手札はない。
2番目に出されたカードが最初より小さければその逆。みんなも小さいカードを出して、一番小さいカードを出した人が負ける。どちらの場合も、最初の数より大きい(小さい)カードがない人がいたら、その人の負けとなる。
一番大きい数字は54である。最初の人が49を出して、次の人が52とか出したらもうたいへん。条件に合うのは50、51、53、54しかない。これらのカードがなくて負けそうな人はいるのか、それともみんな50以上のカードを出して頑張るのか。その狭い範囲のカードを出して「もってるのか!」といわれるのが気持ちいい。
手札はどんどんなくなっていくので、後半になるほど選択肢がなくなって苦しい。そうならないために、数字の小さいカードと大きいカードを、うまくさばけるかがカギだ。手札がなくなったら取ったカードの悪魔マークを記録。これを累積して、誰かが規定点に達したところでゲーム終了となる。
子どもたちも交えて20分くらい。数字の大きいカードを出したらいいのか、小さいカードを出したらいいのかが毎回のように変わる中で、カードを出す順番を考えるのはなかなか考えさせる。とはいえ手札運も大きく、Kさんが無傷の勝利。みんな目立たないようにもぐりこんでカードを出し、数字が目立ってしまった人が全部取らされるところが、悪魔に狙われている感じが出ていると思う。地獄の業火を想起させるイラストもマッチしている。
Little Devils
M.フェルトケッター/ホワイトゴブリンゲームズ+アークライト(2012年)
3~6人用/8歳以上/15分
犯人は踊る(Criminal changes)
犯人はお前だ!
犯人カードを配られた人を当てるカードゲーム。だが犯人カードは次から次へと人の手にわたっていき・・・。『王様のマカロン』『王さまとカフェ』に続く鍋野企画の作品で、2013年のゲームマーケットで発売された。その後、再版されて名古屋ボードゲームフリーマーケット、ゲームマーケット2014大阪などのイベントや、すごろくや、イエローサブマリンで販売されている。短時間で終わって、繰り返し遊びたくなる作品だ。
1人4枚ずつ配り、「第一発見者」をもっている人からスタート。自分の番にはカードを1枚出してその効果を使う。誰かの手札を見る「目撃者」、誰かと手札を1枚交換する「取り引き」、全員がそれぞれの右どなりからカードを引く「うわさ」、全員がそれぞれ左どなりにカードを渡す「情報交換」。こうしたカードを通して、犯人カードが誰の手にあるか少しずつ明らかになっていく。
誰が犯人か、見当がついたら「探偵」で指名。このとき指名された人が犯人カードをもっていたら、指名した人が勝つ。ところが、犯人カードをもっていても、「アリバイ」ももっているとしらを切ることができる。ここがゲームのポイントだ。犯人でない人は、積極的にアリバイカードを出して無実をアピール。「○○さん、アリバイ出してませんね」「いや、本当にないんですってば」
犯人が勝つ場合もある。手札の最後の1枚が犯人だったとき、そのカードを出すことで逃げ切ったことになるのだ。このルールにより、手札が減るゲーム終盤は犯人も、犯人以外も興奮が高まっていく。
8人プレイで10分ほど。目撃者が出ず、「うわさ」や「情報交換」で手札がぐるぐる回っていたので犯人が絞り込めない展開。とりあえずアリバイカードを出す人は除外して考えてみたが、アリバイカードを出した後に犯人カードが回ってくる展開もありうる。そんなことをしているうちに手札が2枚、1枚と減ってきた。仕方がないから当てずっぽうに探偵でとなりの人、そのとなりの人と指名してみるが空振り。そこにやってきたのが「いぬ」。手札1枚の人を指名して、その人が犯人カードをもっていたら(つまり上がる直前だったら)勝てるカードである。これがぴたりと当たって勝利。犯人カードは案の定、警戒した人たちが流していた。
短時間で終わるのに妙にドラマチックで楽しい。目撃者や、カードを交換した人、犯人の疑いをかけられた人などが何をいうかもヒントになって、推理やコミュニケーションゲームの要素もある。逃げる犯人の楽しさ、追い詰める探偵の楽しさの両方があるので、何度か遊んでみるとよいだろう。
犯人は踊る
鍋野ぺす/鍋野企画(2013年)
3~8人用/8歳以上/15分
ショップ検索:犯人は踊る