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ダイス・ブルーイング(Dice Brewing)

美味しいビールを作ろう

世界中のビールを、ダイスの組み合わせで作っていくダイスゲーム。シュピール出展は2年目となるポーランドの出版社「ボード&ダイス」が発売した。ダイスの目を操作するアクションを駆使するべく、振った後に考えることの多いゲームである。
ゲームに登場する4色のダイス、黄色はライトモルツ、黒はブラックモルツ、緑はホップ、青は技術を表している。自分の番になったら手持ちのダイスを全部振って、ビールの原料やアクションに分配していく。
ビールの原料はカードが並んでいて、そこに示されている。ダイスの数だけでなく、ダイスの目まで決められており、さらに後半になって登場する難易度の高いビールには、お金を払って購入する特別な原料も必要となる。原料にするダイスはリザーブに移して、ビールの原料に使うまで振り直すことはできない。中途半端な出目をリザーブに移すか、ほかのアクションに回すかが悩ましい。
ダイスが足りなかったり、出目が低かったりして原料を揃えられないときのために、青のダイス=技術がある。これを使うと、ダイスを増やしたり、出目を上げたりすることができる。そのためのアクションがいくつか用意されており、ダイスを置くことで実行できる。アクションはラウンドによってできることがだんだん増えていくのが楽しい。
出目を整えたら、スタートプレイヤーから順に醸造。必要なダイスを使って、条件を満たすビールカードを取る。これがゲームのメインで、醸造するとお金や得点が入ってくる。しかし狙っていたカードが先の人に取られてしょんぼりということも。
醸造に使ったダイスも次の手番に振ることができるので、基本的にダイスは増えていく。しかしビールの醸造に必要なダイスも増えていくので、ダイスが多いからといって簡単に作れるとは限らない。むしろ何も醸造できずに手番終了ということも多い。
4人プレイで1時間ほど。序盤からみんなダイスの目がよくて、どんどんいいビールが醸造されていく。しかしよく見ると、得点になるビールと収入になるビールがあり、私は収入になるビールばかり醸造していたものだから得点が上がらない。その間に神尾さんが得点になるビールをどんどん醸造してぶっちぎり。
ダイスの出目が1つか2つだけ低いときなど、どのアクションをどの順番で使うと醸造できるようになるのか、そのアクションのためのダイスはいくつ使えるのかなど、振ってから考えることが多くてしびれた。1枚1枚名前付きで描かれているビールの名前と色合いを見るのも飽きない。
Dice Brewing
F.グロワツ、I.フスツカ作/ボード&ダイス(2014年)
2~4人用/12歳以上/45分
国内未発売

Posted in 日本語版リリース

『パッチヒストリー』日本語版、11月29日発売

アークライトは11月29日、韓国の文明発展ゲーム『パッチヒストリー(패치스토리/Patchistory)』日本語版を発売する。ジュン・ユンミン、キム・ジュンヒュ作、2~4人用、12歳以上、60~120分、6800円(税別)。
デインコー社(韓国)が2013年に発売したボードゲームで、イエロ社(フランス)によってフランス語版も作られている作品。プレイヤーは古代から現代までの3つの時代を通じ、パッチワークのように地形タイルを組み合わせて自国領土を広げ、生産力を上げるとともに、戦争や交易を行い、モニュメントを建て、文明を進化させてゆく。
チンギスハン、カエサルからピラミッド、マチュピチュ、そして赤十字やステルス機まで、古今東西の歴史上の人物や文明の産物が登場。近隣諸国との通商路の設定や軍事力の増強、投票と広報活動、施設の建設や綿密なインフラ整備に加えて、偉人と世界遺産への礼讃や宣戦布告まで、たくさんの要素が詰め込まれたゲーマー向け作品。それでいてシステムを簡素化、抽象化することで遊びやすくしている。