『ダンジョンギルド』日本語版、11月15日発売
オリジナルは台湾のモアイデアス・ゲームデザインから昨年発表されたもので、デザイナーも台湾人である。モアイデアス・ゲームデザインは日本のゲームマーケットにも出展しているのでおなじみの方も多いだろう。ダンジョンに巣食う魔物をなぎ倒し、誰よりも多くお宝を持ち帰るゲーム。
プレイヤーはそれぞれが一攫千金を狙うギルドのメンバーを率い、フロアごとにモンスターが潜んでいる危険なダンジョンの攻略を目指す。各ギルドから、フロアごとに主役となるメンバーを選出しながらダンジョンを探索。どんなモンスターが出てくるのか、他のギルドはどれくくらいの戦力を投入してくるかの読み合いや駆け引きがポイントとなっている。
かわいくデフォルメされたキャラクターやモンスターも見どころ。味方戦力のやりくりとダンジョンならではのドキドキ感が楽しい、手軽なダンジョン攻略ゲームだ。
・アークライト:ダンジョンギルド
「エッセンシュピール」は和製独語?
毎年10月にドイツ・エッセンで行われ、15万人の愛好者が訪れるイベントがまもなく始まる。日本では「エッセンシュピール」という呼び方で定着した感がある。「エッセン国際ボードゲーム祭」などと呼ばれていたこともあったが、『メビウスママのエッセンシュピールガイド』で決定的なものとなった。
この本の校正で「エッセンシュピール(Essen Spiel)」と書かれていたのが気になり、調べたことがある。海外でも”Essen Spiel”と呼ぶのだろうか。
公式サイトでは”Internationale Spieltage(国際ボードゲームデイズ)”や”SPIEL(シュピール)”と呼ばれている。SPIELが全て大文字なのは、一般名詞「ボードゲーム」とイベント名を区別するためである。この区別が分からないドイツの一般向けには”Spielemesse Essen(ボードゲームメッセ・エッセン”と呼ぶ。
ボードゲームギークなど、世界の愛好者からは、年号をつけて”Spiel’14 Essen(シュピール14・エッセン)”と呼ばれたり、”Essen fair(エッセンフェア)”と呼ばれたり、あるいは単に”Essen(エッセン)”と呼ばれたりしている。
このように、”Essen”や”SPIEL”という呼び方はあるが、”Essen SPIEL”という組み合わせで呼ばれることはない。順序の問題だけだが、「エッセンシュピール」は和製独語といえるだろう。ドイツ人デザイナーのReiner Kniziaが、「クニツィア・ライナー」と呼ばれるようなものである。
このような日本独特の呼び方は、どうやら当サイトの新作プレビューで「エッセン シュピール’xx新作情報」としていたのが元になっているようだ。スペースを入れて分けていたが、つなげてひとつの単語と認識されたと見られる。その点で責任を感じている。
単に順序の問題であるし、海外で通用しないわけではないから、改めるべきであるとは思わない。少しだけ感じた違和感を書き留めておくだけである。パリ・シャルルドゴール空港より。