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R.クニツィアの『ダイスゲーム百科』発売

スモール出版は23日、R.クニツィアによるダイスゲームルール集『ダイスゲーム百科(Dice Games Properly Explained)』を発売する。R.クニツィア著、日本語訳・正田謙、A5版256ページ、2,100円(税別)。
世界的なボードゲームデザイナーであるライナー・クニツィア書き下ろしの約140のダイスゲームとそれらのバリエーションを掲載したダイスゲームの究極本。伝統ゲームからオリジナルゲームまで幅広く取り上げる。英語版が1999年に出版され、ドイツ語版(”Das große Buch der Würfelspiele”)にもなっている。これさえあればダイスとチップ、紙など家にあるもので遊ぶことができる。
クニツィアのダイスゲームでは『ヘックメック』が有名だが、運がメインの気軽なゲームから、本格的な駆け引きのゲームまで、本書では幅広く網羅。さらにゲームだけでなく、戦略や確率、ダイスの理論なども学べるようになっている。「運と得点のゲーム」「運とカウンターのゲーム」「賭けのゲーム」「前進のゲーム」「危険なゲーム(バーストゲーム)」「カテゴリーゲーム(役を作るゲーム)」「ブラフゲーム」というように系統別に分けられ、好みのゲームを見つけやすい。
紹介されているゲームはいずれも数行でルール説明が終わる簡単なものばかりだが、酒場などで人気のゲームを取り上げているだけあって面白さは折り紙つき。知らなかった世界のダイスゲームの興奮があなたを待っている。
またダイスの確率論が付いているのも数学者でもあるR.クニツィアならでは。「3個のダイスを振ったときに合計が4~17になる確率」このような計算は、賭けのゲームで重要となる。『王への請願』や『ウミガメの島』など、ほかのダイスゲームにも応用できるだろう。
当サイトでドイツ語版をいくつか訳出したものを公開しているので、どんなゲームが紹介されているか気になる方はご覧下さい。
TGiW:ダイスゲーム大全

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ピクテル(Pictell)

発想の転換
ピクテル
標識などで使われている絵文字(ピクトグラム)を組み合わせてお題を当ててもらう日本のコミュニケーションゲーム。ゲームマーケット2015春に発表され、伊集院光氏が「そこそこ面白かった」とコメントしている。おなじみの絵文字も、発想次第でいろいろなものを表せるという再発見がある。
出題者は今回のテーマ(映画、スポーツ、楽しいこと)を発表し、そのテーマに沿ったお題を作成者に伝える。作成者は場に並んだピクトグラムカードを自由に組み合わせて、そのお題を表現する。回答者は自由に思いついたことを言い、お題を当てたら得点。
ピクトグラムカードは透明になっており、自由に重ねることができるのが特徴。このため『スクイント』と比べて表現の幅が広がっている。ただし、それぞれのピクトグラムは「自転車」「森」「女性」「転倒」など具体的なイメージを伝えるものなので、線を組み合わせて表現することができない。柔軟な発想で別なものを表すものとして使うことが必要だ。


3人プレイで30分ほど。私の最初のお題「ゲームマーケット」は、東京ビッグサイトを表現しようとしたが、三角形を逆にしてしまって撃沈。カードやボードを脇に付けたが迷宮入りするばかりだった。一方、2回目は「キャラクター」というテーマで「ドラえもん」で瞬殺。2枚目ぐらいで当てられてしまった。ルールブックの「リオのカーニバル」(下記リンク参照)のようなうまいカードの使い方をするには、熟練が必要だ。
出題者としてはカードを見ながらいいお題を考えるのが楽しい。回答者としては絵を見るだけでなく、出題者の性格や趣味、回答者の関係からお題を予想することも大事そうだ。マニアックなお題を当ててもらえるとすごく嬉しい。
ピクテル
ボドゲイム/ボドゲイム(2015年)
3~6人用/6歳以上/30分
ボドゲイム:ピクテル