エイト・エピックス(Eight Epics)
もう無理だと何度も思った
サイコロ8個を全部1の目にする、サイコロ8個の出目の合計を10以下にするといった厳しい条件を、キャラクターの能力を駆使して達成していく協力ゲーム。『ラブレター』のカナイ製作所がゲームマーケット2015春に発表した作品で、カードはたったの16枚しか使わないが、その組み合わせと順番によって多様な展開が楽しめる。
各プレイヤーに1枚ずつキャラクターカードを渡し、お互いの能力を確認してスタート。各プレイヤーは英雄で、これからさまざまな災厄を乗り越えなくてはならない。まずは1枚目の災厄から。今回、最初の災厄は「隕石落下」。サイコロ1個で5回1の目を出した後、サイコロ2個で2回1のゾロ目を出し、サイコロ3個を全て1にすると回避できる。無理でしょ?!
自分の番には、場にあるダイスを3個まで無料で振り直すことができる。ここで狙った出目が出ればラッキーだが、その確率は低い。そこでキャラクターのLP(ライフポイント)を減らして、また3個まで振り直すか、そのキャラクターの能力を使うことができる。例えば「至高の聖騎士」の能力はサイコロ1つを1の目に変更するというもの。「隕石落下」には有効だ。
こうしてキャラクターのLPを減らせば、いくらでも振り直し/能力を使えるが、先は長いので無闇に減らさないほうがよい。適当なところで手番終了を宣言し、次の人に続きを頑張ってもらう。あとは頼んだぞ!
しかし手番が終わったとき、使っていたキャラクター(自分のキャラクターか、共有のキャラクター)は横向きになる。1つの災厄を回避する前に、全部のキャラクターが横向きになってしまうとゲーム終了だ。使えるキャラクターがどんどん減っていく中で、災厄を回避できるか?
災厄を無事回避できると、次の災厄が出てきて全てのキャラクターが再び使えるようになるが、LPはそのまま。LPがなくなったキャラクターは裏返しになり、もう使えなくなってしまう。最終的にはキャラクターが数人、命を落として犠牲になるぐらいの厳しいバランス。ゲームは5ラウンドあり、最後は2枚の災厄を乗り越えなければならない。
どんどん戦況が厳しくなっていく中で、どこまで進めて次の人に渡すかが悩ましい。しかも3ラウンド目からは相談禁止というルールが推奨されており、阿吽の呼吸を早くつかまなくてはならない。今回は1振りで6個のストレートができあがるなど、奇跡のダイス運に恵まれたこともあり最後まで達成できたが、終盤についつい相談してしまったこともあり、もう1度やって達成できる自信はない。マゾヒスティックな作品だ。
Eight Epics
カナイセイジ/カナイ製作所
1-8人/10歳以上/20分
シュピール15:コスモス
R.ドーン作、2-4人用、12歳以上、90分。
時は1899年、ストーンヘンジやエジプトのピラミッドで奇妙な現象が観察されました。時間の経過がおかしくなり、新しく発見された水晶の性質によって素晴らしい装置の開発が可能になりました。この発見の偉業を争い、急速に産業革命を進めていた国々は、これらを使って巨大な蒸気飛行船を建造し、時空を超えて移動することを目指します。長く失われた知識、衰亡した文明、隠された財宝をめぐるレースが始まります。過去に移動し、水晶を探し、水晶を上手に使ってライバルを出し抜いて下さい。
K.トイバー、B.トイバー作、2-4人用、10歳以上、40分。
民衆が上に苦しむ中、王様がモニュメントを建造し、国中が混乱に陥っています。農夫はこれ以上耐え切れずに、暴動を起こします。プレイヤーは貪欲な貴族となり、できるだけたくさんのモニュメントを建造することを目指します。そのためにはパンや大理石や道具が必要ですが、盗まれてしまうこともあります。同時プレイで、数秒の間にタイルをめくり、取るか隠すかを決めます。その際、民衆に残す分が少なすぎると暴動が起こり、欲張りな農夫たちは罰せられるでしょう。
G.ヘヒト作、2人用、10歳以上、40分。
ファンタジー協力ゲームがコスモス社お得意の2人用ゲームになりました。『アンドールの伝説:北方への旅立ち』からの帰還を描いたカードゲームです。女性弓使いのチャダと、戦士のトルンがシルバーランドの北から南へと旅します。そしてドワーフたちの助けを得て、海をわたってアンドールへ向かいます。航海では、スリリングな冒険と新しいチャレンジが待っています。2人が力を合わせないと、港にたどりつくことはできません。不吉な敵が後を追いかけてきます。4つのシナリオを選ぶことができ、タイルの配置によって毎回新しいルートとチャレンジが生まれます。
菅沼正夫作、2-4人用、8歳以上、40分。
ドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされた『街コロ』の拡張セット。『街コロプラス』と『街コロシャープ』の両方を合わせたもののドイツ語版です。
★トップ&フロップ(Top & Flop)
D.クラブシェット作、3-7人用、10歳以上、25分。
2005年にアメリカで発売され、数々の賞を受賞している数字当てゲーム『ウィット&ウェイジャー』のドイツ語版。問題に数字で回答した後、どれが当たりそうかをビッドします。
★ルムス(Rumms)
O.シブトーペ、G.シブトーペ作、2人用、8歳以上、15分。
2013年にゲームライト社から発売された『キューブクエスト』のドイツ語版。ダイスを指で弾いて、ボード上で生き残り、相手の王様をはじき出すことを目指します。
★ウボンゴ・スターウォーズ・フォースの覚醒(Ubongo: Star Wars: Das Erwachen der Macht)
G.レヒトマン作、1-4人用、8歳以上、25分。
ライトサイド、ダークサイドのあるタイルで地面を埋めることを目指します。成功すれば、宇宙船を進めることができ、先にできた人ほど遠くまで進めます。