2023年5月13日、あいにくの雨模様の中、東京ビッグサイトにてゲームマーケット2023春(1日目)が開催された。新型コロナウィルスが5類に移行したばかりで、ほとんどの人がマスクを着用していたが、多くの人が訪れ、ボードゲームの購入やプレイを楽しむ姿が見られた。
雨模様の東京ビッグサイト。待機列で大雨に当たられ一旦離脱した人もいたという
入場は3000円のアーリーチケットで午前11時からか、または1500円の通常チケットで12時から。さらに入場時の移動にかなり時間を要したため、実際はもっと短い。800以上のブースをすべて見て回ることは不可能に近く、少ない時間を有効活用するため、開場時間前から長い待機列が形成された。
開場前の待機列は屋外に形成された
11時の入場と同時に、会場に流れ込む愛好者たち。まずは買い物である。限定品の販売を発表していたブースにはまた長い行列を作る。
会場内では走ってはいけないため小走りでお目当てのブースに急ぐ
ゲームマーケット後に事務所を移転する萬印堂の在庫一掃セール。掘り出し物の作品を100~1000円で販売
今日も元気なテリテリマン。テリヤキゲームズ(ブシロード)は移動販売車で販売。
複数のサークルのアクセサリーやグッズなどをまとめて展示する「十華祭」
CAST JAPANの『AIスマート4』はAIと対戦。コマを押すとボードにAIが認識し、自分の手はライトで示す
『たった今考えたプロポーズの言葉を君に捧ぐよ。』発売5周年の「たった今考えたプロポーズ祭。」提灯は「PROPOSE」
シエラゲームズは『ブラッドリコール』の世界観でコスプレ
ittenのファンブリックシリーズ最新作は『ギシンアンキの塔』『ワンダーボウリング』。いずれも川崎晋氏の作品をリメイク
創作20周年を迎え、あちこちから新作がリリースされ「ザ・カワサキ祭」になった川崎晋氏。自身のブースでは新作『しりとり将棋』を発表
毎度凝ったブース設営で目を引くAzb.Studioは『マナとぴあ〜最強マナー講師決定戦:名刺交換編〜』を発表
オインクゲームズはフェデュッティ&佐々木氏の『クジラオルカ』をゴムボート上でプレイ
オインクゲームズが当日リリースを発表した『チェンソーマンナインタイル』
キックスターターブースはコロナ前よりもパワーアップ。キックスターター全体の4割はボードゲームだが、その5%に満たない日本からのプロジェクトローンチを支援したいという。
ボードゲームアイドルのあやみんさんとジーピーゲームズブースで遭遇。騎士カタンが好きだとか。ジーピーゲームズの米川氏、プロギャンブラーののぶき氏と
アトリウムでは買ってその場で誰とでも対戦できる『デュエルボーイ』が人気。阿曽山大噴火氏は3時間も遊んでいたという
午後1時半からは特設ステージにて、イタリアのゲームデザイナーであるシモーネ・ルチアーニ氏のトークショーがあり、多くの人がつめかけた。イタリアではゲームデザイナー同士が毎月のように国内のどこかでミーティングを行っており、それがアッキトッカなどのコラボ作品につながっているという。日本でいえば名古屋テストプレイ会のような集まりが全国各地で行われているようなものである。テンデイズのタナカマ氏からの質問で、再デベロップしたいゲームに『ツォルキン』を挙げ、『ゴーレム』のパラメータ上げはやりすぎではないかという質問にあっさりYESと答えていた。
サプライズ発表は、アークライトがOKAZU Brandの『レイルウェイブーム』を一般発売し、ルチアーニ氏がデベロップを担当することになったというもの。OKAZU Brandの林尚志氏も登壇し、ルチアーニ氏は『横濱紳商伝』が好きなのでデベロップできることを楽しみにしていると語った。
インタビューに答えるルチアーニ氏
アークライトでは、パーティーゲームだけで一過性のブームにならないよう、『レイルウェイブーム』のようなゲーマーズゲームだけでなく、ミドルクラスのゲームを一般の人に遊んでもらってゲームの楽しさを知ってもらおうと考えている。その一環でドイツ年間ゲーム大賞の体験コーナー「本当に面白いユーロゲームの世界」が特設ブースで作られた。定番中の定番ばかりだが、遊んだことのある来場者が知人に勧めて一緒に遊ぶ姿が多く見られた。
ユーロゲームのブースで『ディクシット』や『カスカディア』などが遊ぶ来場者
無償配布のパンフレットに感想を記入すると特製ラメシールがもらえる
アークライト・ゲーム賞2023ノミネート(昨年秋分)発表。コモレビパレード、ビルドキャッスル、DUEL BOY、レイルウェイブーム、トーネードスプラッシュ2の5作品がノミネートされ、さらに今回の出展作品の中からノミネート作品を加えて、次のゲームマーケットで今年度の大賞が発表される
ゲームマーケットは来年、エッセン・シュピールとコラボするらしい。続報を待て!
午後3時からはすごろくやブースにて、『忍者バナナ』の作者であるフランスのゲームデザイナー、ロベルト・フラガ氏のインタビューが行われた。前身の『シュリンプ』はフォレスト・ガンプを見ながら『SET』を遊んでいたときに思いついたとか、バナナの代わりにはサボテンがいいとか、ユーモアを交えたトーク。アクションゲームを多くデザインしているのは経験を重視しているためであるといい、ゲーム作家をやめたら画家になりたいという。同席した奥さんは「ゲームのおかげで世界を回れる」と日本観光も楽しんでいる様子。
すごろくや・丸田氏の質問に答えるフラガ氏
すごろくやでは今月発売されるカプセルトイ「すごろくや ミニチュアカードゲームコレクション」を先行販売。ほどなく売り切れ
NPOゆうもあ主催「日本ボードゲーム大賞」の授賞式が行われ、投票部門『アークノヴァ』で受賞するテンデイズゲームズのタナカマ氏。今日はユーロゲームコーナーでのインスト、ルチアーニ氏のインタビューと大忙し
注目されたボードゲームは2日目のレポートで紹介したい。