SCOUT!(スカウト!)

スカウトで手札を強化……してたら終わってた
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手札から前の人よりも強いカードを出して、早くなくすことを目指すゴーアウト系カードゲーム。ゲームマーケット2019秋にワンモアゲーム!から発表され、各所で高い評価を得ている。
カードを配られたら、手札の順序を変えてはいけない。ただしそのまま上下逆さまにすることはできる(カードによって数字の組み合わせが違うので、並びも変わる)。みんなが上下どちらかを選んだら、スタートプレイヤーからスタート。
手札から1枚以上、カードを出す。次の人は、より強い(数字の大きいカードか、枚数の多い)カードを出す。枚数を増やすときは、手札の中で連続しており、かつ連番か同数のカードを出す。出せたら、前に出されていたカードは自分の得点になる。
前の人よりも強いカードが出せない(出したくない)場合は、前の人が出したカードから1枚を「スカウト」して、自分の手札の好きなところに入れられる。さらに1ラウンドに1回だけ、「スカウト」してすぐにカードを出す「ダブルアクション」ができる。ここがこのゲームの肝である。
スカウトすると、手札が強化される上に、前に出されていたカードが1枚減って弱くなる。そこで「ダブルアクション」で一気に畳み掛けるか、ここぞというときまで取っておくかが悩ましい。また、自分が出したカードをスカウトされたときも得点チップが入るので、出し惜しみは得策ではない。
誰かが手札を出し切るか、1人が強い役を出して、ほかの全員がより強いカードを出せずにスカウトしかできなかったらラウンド終了。獲得したカードとスカウトされた時のチップが得点、残った手札がマイナス。得点を記録したら次のラウンドへ。人数分のラウンドを行って勝敗を競う。
配られた手札を見て「このカードを出せば、連番ができるな」「全然揃ってない!どうしよう……」とかあれこれ考える。計画通りにはいかないものだが、いいカードをスカウトして、一挙にたくさんのカードを出せたときは気持ちいい。プレイ順のアヤもあって、例えばやたらスカウトしまくるプレイヤーの下家はカードを出しやすい反面、手札の強化がしづらくジリ貧になりやすい。そこで流れを変えるにはどうしたらいいかを考え始める。出せるけれども、スカウトしておくか。
単純なルールなのに、スカウトをするかしないか、するならばどの数字を手札のどこに入れるかという選択によって、手なりではなく考えどころがあり、ゲーマーでも遊びごたえがあり、かつドラマチックな展開が楽しめる。非常に洗練された作品。
SCOUT!
ゲームデザイン・梶野桂/イラスト・SINC
ワンモアゲーム!(2019年)
3~5人用/9歳以上/15分

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