薄い壁も重ねれば
壁には薄い壁(白い紙切れ)、防音壁III(縦に模様あり)、防音壁IV(横に模様あり)の3種類がある。手番には2個のダイスを振って、出目に応じた壁を取り、ある程度集まったら「アパートを建てる」アクションで重ねて自分の前に置く。
「完了検査」アクションではほかのプレイヤーのアパートの上に、山札から完了検査カードを置いて、裏から部屋の光に透かしてみる。完了検査カードにはあるワードが書いてあり、それがアパートの壁を透過して読めれば、検査に不合格となり、壁を奪うことができる。
それならば壁を集めるだけ集めて完了検査カードを読めないように作ればよいと思うかもしれない。しかしダイスでゾロ目が出ると、手札を半分取られたり、未検査のアパートを奪われたりするので、その作戦は賢明ではない。完了検査カードの文字が読めるか読めないかぎりぎりのラインでどんどんアパートを建て、何とか完了検査で合格していく見極めが必要となる。完了検査カードには文字が非常に小さいラッキーカードもあるので、薄くても合格する望みはある。
薄い壁だけでも、そこそこ集まれば読めなくなるし、防音壁IIIとIVを組み合わせても窓のような部分が空いているので、そこから見える一部で推察される恐れもある。そして出てくるワードが時事ネタを巧みに盛り込んであり、読めても読めなくても盛り上がる。ワンアイデア・ワンゲームでない工夫が随所に施されており、楽しく遊ぶことができた。
ウリニゲマンレオ
北条投了/芸無工房(2019年)
2~6人用/30分