手塩にかけて育った弟子たち
『エイジオブクラフト~大建築時代~』(2014年)に始まるエイジオブシリーズの7作目。毎回独特なシステムでカードのコンボを楽しませてくれる。今回は弟子に書物を読ませて育てるというテーマ。書物は読み終わったら使い回せるが、弟子たちが次々と入門してきて読みたがるので、やり繰りが悩ましい。
各自5種類の書物コマと、最初の弟子「富豪の子息」をもってスタート。毎ラウンド、中央の場から弟子カードか特殊カードを1枚ずつ取る。弟子カードは自分の前に並べて入門したことになる。特殊カードは新しい書籍を手に入れたり、特殊能力やゲーム終了時のボーナスになったりする。
全員がカードを取ったら修業フェイズ。弟子に1冊ずつ、左から順に書物を与えなければならない。弟子はそれぞれ必要な書物の種類や数が異なり、手持ちの書物をうまくやり繰りしなければならない。必要な書物がないときは、知識コマを3つ支払うか、借財(本を借りてくる)をすることになる。
誰も取らなかったカードに知識コマを置き、場にカードを補充して次のラウンドへ。カードは3列になっており、次にどのカードから選ぶかは分かっている。
そのうち、弟子が必要な書物を全て読み終えると達成したことになり、得点と共に、さまざまな恩恵がもたらされる。手塩にかけて育てた弟子が、恩を忘れずに門下の力になってくれるというわけだ。育成に時間のかかる弟子ほど、得点も効果も大きい。またエイジオブシリーズの特徴でもあるカードのコンボがここで発揮され、1枚1枚は弱くとも組み合わせることで絶大な力を発揮する場合もある。
困りものなのが最初からいる「富豪の子息」。何もせずただ本を読むだけで、読み終わっても何の役にも立たない。しかもゲーム後半になると、「領主の子息」としてまた勝手に入門して本を読み始める。そのためにほかの弟子に与える書物が不足し、やり繰りが一層難しくなる。この道楽息子が!
山札がなくなったらゲーム終了で、達成した弟子の得点に、ゲーム中に集めたカードのボーナスを加え、借財によるマイナス点を引いて勝敗を決める。
4人プレイで45分ほど。借財のマイナス点は上限があるため、1ゲーム目はどんどん雇ってどんどん借財するというプレイをしてみたがマイナス点が大きすぎて勝てず。2ゲーム目は反対に弟子を極力入門させず、育てやすい弟子だけにしてみたが、最後の得点が伸びない。どちらのゲームもほどほどに借財しつつ書物をやり繰りして、育成に時間がかかる弟子を育て上げたプレイヤーが勝利した。
書物を読ませて育てるというテーマも好きだが、カードの出方で展開が変わり、いろんなコンボが考えられるのも楽しい。
エイジオブディサイプル~大門弟時代~
ゲームデザイン・N2/監修・北条投了
サザンクロスゲームズ(2017年)
2~5人用/10歳以上/30~50分