同じタイルのはずなのに
全員、同じタイルを並べてジャングルを抜け、神殿をいち早く目指すタイル配置ゲーム。ドイツ人デザイナー・R.ドーンが、キッズ向けの出版社・ハバ社から発表した作品で、ドイツ年間ゲーム大賞2016にノミネートされた。ハバ社は昨年からファミリーゲームに進出しており、近年周辺ヨーロッパ諸国に押されがちなドイツゲームの復権に貢献している。
各プレイヤーには、番号がついたタイル36枚と島ボードが渡される。探検家のスタート地点と神殿の場所を決めたらスタート。目標は、途中で金塊と水晶を集めつつ、ほかのプレイヤーより早く神殿にたどり着くことだ。
プレイヤーの1人(リーダー)は、渡されたタイルを裏返して混ぜ、1枚ずつ引く。「18番!」ほかのプレイヤーは自分のタイルからその番号を取り、島ボードに配置するか、タイルを捨てて探検家を進める。
タイルには道が描かれており、探検家のスタート地点から神殿までつなぎつつ、その道を探検家が通って神殿に向かう。金塊や水晶の描かれたタイルまで探検家を進めれば、それらをもらうことができ、最後に得点になる。神殿は、色別に先着順で得点がもらえる。
全員がタイルを置くか、探検家を進めたら次のタイルの番号発表。これを繰り返して、36枚全てのタイルがめくられるか、誰かが自分の探検家を全て神殿にたどりつかせたらゲーム終了。金塊・水晶・神殿の得点の合計で勝敗を決める。
3人プレイで30分ほど。ひとつの道を複数の探検家が通れるようにして、無駄なタイルを置かないように心がけたが、ポイントとなる地点で待っているタイルがなかなか出ず、探検家が足踏みしてしまう。そこで全部の神殿につなげることよりも、みんなが狙っている神殿を優先。ほかの人も呼応したため競争率が高くなる。その間にみんなが狙っていない神殿への道作りにじっくり取り組んだプレイヤーが勝利した。同じ順番で同じタイルがめくられているのに、全く違うマップになるのが面白い。
全員同時にタイルを置くので、待ち時間が少ないのがポイント。非常にテンポよくゲームが進む。ソロプレイ感もなくはないが、ほかのプレイヤーの島ボードをお互い観察しながら、「紫の神殿がみんな遅いですなあ」などと言い合えばインタラクションも生まれてくる。終盤は「○番来てくれ!」などと祈り合うのも楽しい。
次はもっとうまくやれそうな気がして、また遊びたくなる作品。「年間ゲーム大賞はこれだ!」と予想した人が多かったのも頷ける。
Karuba
デザイン:R.ドーン/イラスト:C.シュテファン/ハバ(2015年)
2~4人用/8歳以上/40分
すごろくや:カルバ