ポートロイヤル:契約をもうひとつ……(Port Royal: Ein Auftrag geht noch…)

みんなの顔色をうかがってめくる
ポートロイヤル拡張

カードをめくってリスキーな航海を繰り広げるドイツのカードゲームの拡張セット。作者は基本セットと同じプフィシュターで、協力ゲームのシナリオが入っているのが特徴だ。
日本語版も出ている『ポートロイヤル』はどんなゲームかというと・・・山札から好きなだけカードをめくり、バースト(同じ色の船が2回出て、それを撃退できなければアウト)しなかったら、めくった中からカードを取る。船カードを取れば収入になり、その収入で人物を雇う。雇った人物で探険命令を満たし、得点を増やして規定点になった人が勝つ。
手番プレイヤーにお金を支払えばほかのプレイヤーもカードをもらえるところがポイントで、それを見越してめくる枚数を調整したりするなど(この調整が墓穴を掘ることもあるわけだが)、戦術性もあるゲームである。
バーストゲームで他人がやることは、「もっとめくっても大丈夫!」とけしかけて、バーストを誘うことである。しかしそれが協力ゲームになったらどうだろうか?
この拡張セットには、何枚かの契約カードが登場し、これを限られたカード枚数で全部達成しなければならない。誰が達成してもいいけれども、1人で達成できるのは3つまで。誰がどの契約達成を目指すか、よく話し合って進めよう。
契約は多岐にわたる。指示された人物を雇うといった分かりやすいものから、12金以上もっていて「増税」を引き税金を支払う、全色の船を撃退するといった準備の必要なものまである。それぞれの契約に応じた人物を雇っていかなければならないが、それは山札から出てくるわけで、そう思い通りにはいかない。
カードは契約の難易度に応じて予め何枚か抜かれているが、さらに「増税」が出るたびに残りの山札を減らすことができる。この減らした枚数で成績が分かれるのもこのゲームの特徴だ。「抜いとく?」「いや、あと○枚しかないから無理だ」なんて言ってると、たとえ全ての契約を達成できたとしても成績は最低(「陸者」)だ。
5人プレイで40分ほど。5人プレイでは契約が11枚もあり、プレイヤーの状態も差があって難航した。「も、もう1枚めくったほうがいいかな」「やめといたら」バーストすると手痛いのでついつい弱気になってしまう。組み合わせをよく考えて堅実にゲームを進め、何とか全ての契約を達成できたが、抜いたカードは0。余ったカードも2~3枚しかなかった。成績は「陸者」。ちょっと悔しい。
バーストゲームを協力プレイでやるというのが、一蓮托生で航海しているような一体感を生み出す作品である。
Port Royal: Ein Auftrag geht noch…
A.プフィスター/ペガサスシュピーレ(2015年)
1~5人用/8歳以上/20~50分

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