ドラゴン(Dragon)

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ドラゴン(HOY GAMES)
マメの精霊の力を借りて、強いドラゴンを育てるゲーム。ゲームマーケット2015春にHOY GAMESが発表した作品で、『たねまき』に続く2タイトル目となる。セットコレクションで強化していくが、ほかのプレイヤーの動向を見たうえでどのパラメータを上げるか決めるので考えどころが多く、遊びごたえのある作品だ。カードゲームとしては珍しい1時間級。
と、
はじめ、各プレイヤーは「ホワイトベビー」というドラゴンをもっている。ドラゴンは頭部と胴体とが別々になっており、それぞれ新しいカードを増やして強化していく。強化するためには、3つの素材(食料、火のエレメント、水のエレメント)が必要だ。これらの素材は、精霊を使うことで手に入る。
はじめにもっている精霊は、1食料を3金に換える「マーメー」と、1金を2食料に換える「ナットー」。そのほかの精霊は場札に出てくるので、ゲーム中にお金を払って契約する。ゲームが進むにつれて、どんどん効果の強い精霊が出てくるしかけだ。1枚1枚違う精霊カードのイラストがとてもかわいい。
手番にはアクションカードを1枚出して、そのアクションを行う。「いのる」(精霊カードの効果を使う)、「契約」(新たな精霊を入手する)、「狩りに行く」(素材を支払ってドラゴンをアップグレードする)、「休む」(これまで使ったアクションカードを回収する)のいずれかで、バランスよく出していかなければならない。
アクションのメインは「いのる」だ。ここでは、自分がもっている精霊を1枚と、ほかの人の精霊を1枚使うことができる。ほかの人の精霊を使うと、支払ったお金や素材はその人にいってしまうが、効率のよいドラゴン育成のためには避けることができない。一方、自分もほかの人に精霊を使ってもらえるように、需要を見極めてよい精霊を入手しておく必要がある。「ご利用ありがとうございまーす!」お店屋さんごっこのような楽しさがある。
一方、ドラゴンのアップグレードは早い者勝ちだ。資材をほかの人より早く集めていく必要がある。楽しいお店屋さんごっこの中にも、「赤の素材は先に集められそう」「あちらは食料が足りなさそう」といったシビアな駆け引きがある。
ドラゴンの強さは攻撃力、体力、速度があり、精霊やドラゴンカードを取るたびに累積していく。精霊カードの場札が補充できなくなるか、ドラゴンカードが全体で一定数取られたらゲーム終了。最後に、総当たりのドラゴンバトルで勝敗を決める。
育成に比べたら、ドラゴンバトルは一瞬だ。速度の速いドラゴンが先攻で、攻撃力だけ相手にダメージを与える。体力を上回るダメージを与えれば勝利、生き残れば反撃。今度は相手から攻撃力だけダメージをくらい、体力を上回るダメージをくらえば敗北、生き残れば引き分け。つまり体力がなくても攻撃力と速度があれば勝てるし、速度がなくても攻撃力と体力があれば反撃で勝てる。
ドラゴンバトルで勝てば4点、引き分けで1点が入り、そのほかにゲーム中に行われる「査察」で条件を満たしたときのボーナスを加えて得点の多い人が勝ち。
4人プレイで1時間。鴉さんが序盤に体力を増やし、精霊を多く契約して攻撃力もアップする作戦。私は序盤に攻撃力を増やし、そこで生まれる食料を活かしてドラゴンを強化する作戦を取った。結果、私の精霊は力不足になり、序盤苦しみつつ、終盤に大枚をはたいて強い精霊を手に入れたcarlさんにも敗北。精霊が繁盛していたtomokさんと同率3位。
先手有利の感もあるが、精霊カードの効果やドラゴンのグレードアップに必要な資源の組み合わせのバランスがとてもよくて、いろいろな戦略が取れる。さらにドラゴンのパラメータをめぐる終盤の駆け引きも熱く、興奮曲線が上がりっぱなしの作品である。
Dragon
矢沢 賢太郎/HOY GAMES(2015年)
2-4人用/12歳以上/45-60分

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