レミング(Lemminge)

インコースは通らせない
レミング
崖に向かって、2匹のレミングをほかより先にゴールさせるレースゲーム。近年注目のデザイナー、S.ブリースデールの作品で、クリエイティブなプレイが楽しめる。
手番にはカードを場に出して、自分のレミングのどちらかを進める。曲がりくねったコースは山地、湖、砂漠など5種類の地形があり、その上を通って近道するには対応するカードを出さなければならない。手札のカードを見て、どちらのレミングを進めるほうが早いかを考える。
面白いところは、場に出されたカードが累積していくところだ。前の人が湖の3のカードを出していたら、そこに湖の2のカードを出せば5マス進める。さらに湖の2のカードを出せば7マスも進める。こうしてビハインドしていてもうまく波に乗れば逆転が可能だ。
ただし、最後に出た数字より大きいカードを出すとそれまでの累積がリセットされ、カード1枚分しか進めなくなる。その代わり、地形タイルを取って好きなところに置ける。こうして地形を変えることによって、自分のレミングを進みやすくしたり、ほかのプレイヤーのレミングを妨害したりするわけだ。トップは当然、いろいろな地形タイルが置かれて進みにくい。「な、何てことをしやがる!」 しかし妨害するために置いたタイルで結局自分が苦労することも。
手札を補充するには、1回休んで山札から6枚まで引く。手札を使いきってから補充というのが一番効率がいいが、手札が少ないと選択肢が減るので、どこで補充するかも考えどころである。
移動力を使って前にいるレミングを押しのけることも可能。ほかのプレイヤーのレミングはアウトコースに押しのけてしまおう。妨害を乗り越えて、2匹を先にゴールさせたプレイヤーの勝ち。
4人プレイで30分ほど。ゲームが始まってみると、考えることの多さに驚く。どちらのレミングを進めるか、地形の険しいインコースを通るか平地のアウトコースを通るか、地形タイルはどこに置くか、手札を補充するかもう1枚出すか。こういった判断を、手札と場札の状況を見て考えなければならない。最初は手札なりに遠回りしてでも進むようにしていたが、インコースとアウトコースを行き来しているのはロスが大きい。地形タイルをうまく自分の前において、インコースを突破する作戦、みんなが通りたいところで止まって、前に押してもらったり回り道させたりする作戦など、いろいろな手が思い浮かぶ。手札運もあるが、苦しいなりにもやりようがあってゲーマー魂を揺すぶられる。気がつけば3ゲーム。終わるたびに「ここの砂漠が効いたね」「このルートが厳しかった」などと感想戦が盛り上がった。
Lemminge
S.ブリースデール/アミーゴ(2014年)
2~5人用/8歳以上/30分
メビウスゲームズ:レミング

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