シュピール’13:ホビージャパン、輸入リストを発表

ホビージャパンは、先月ドイツで開催されたシュピール’13の新作取り扱いリストを発表した。注目の新作から未知の出版社まで13タイトル。いずれも英語などの外国語版だが、日本語ルールが添付される。このほかに出版社が先行販売している関係で既に発売されたものや、追加で販売になるものもある。
ブレーメンの港ブレーマーハーフェン(Bremerhaven)
R.アオアーロホス作/ルックアウトシュピーレ(ドイツ)/1~4人用/約90分/7,350円
ブレーメン州にある港町ブレーマーハーフェンを舞台にした経済ゲーム。プレイヤーはそれぞれ自分の港を建設していき、資産と名誉を築く。
毎ラウンド。プレイヤーは最も利益のあるアクションスペースを選んで影響力カードをつぎ込む。影響力カードは裏向きに積まれるので、ほかのプレイヤーの意図を考えて、影響力を配分しなければならない。アクションは、新たな船をと船荷を自港に導いたり、新たな契約を結んだり、4種類ある商品の価格を操作したり、影響力カードの手札枚数を増やしたり、港を拡大したり、建物を購入したり、航海レベルを上げて収入を増やしたりとさまざま。しかし、船と契約は限られた期間しかプレイヤーの港にとどまらない。商品の出入庫の手順を滞らせてしまえば、契約不履行で違約金を支払うことになるかもしれない。期待の新鋭による新作。
カーニッケル~ウサギとニンジンと鉄道と~(Karnickel)
B.J.ギルバート作/ルックアウトシュピーレ(ドイツ)/2~4人用/15分/2,940円
カーニッケルとはドイツ語でウサギのこと。ウサギは畑がどこまでも続く田舎に住んでおり、特に、にんじん畑がお気に入り。でも、汽車がときどき通るから、気をつけよう。
サイコロを振って、ウサギがにんじん畑を進む。しかしサイコロの目が揃うと、汽車がものすごい速さで線路を走り始める。汽車をうまくかわし、ウサギがまだ線路に残っていたら、にんじんをゲット。たくさんにんじんを集めたほうが勝つ。うまくニンジンのあるマスに自分のウサギを動かせるか、ほかの邪魔なウサギを動かすか。汽車がいつ動き始めるかもハラハラドキドキな、子供から大人まで楽しめるお手軽なボードゲームだ。
マデイラ(Madeira)
N.P.センチエイロ、P.ソレダーデ作/ホワッツユアゲーム?(ドイツ)/2~4人用/120分/7,350円
マデイラ諸島は15世紀はじめにポルトガルの船乗りによって発見された島々で、ポルトガルで「木」を意味する通り、うっそうとした森におおわれた島である。ここはその大西洋上での位置と材木資源から、大航海時代のポルトガル帝国にとって、植民地政策の重要な実験場となった。小麦のプランテーションからサトウキビ栽培、やがてブドウを栽培し、今ではマデイラ・ワインが重要な産物となっている。
プレイヤーはこれらの歴史的制約下で、最適な産物を栽培できる農場を拓き、良質な木材を入手し、町に建物を建てたり、船を建造したりする。船は海外の市場との貿易のために重要なものとなっていき、新たな土地を発見していくことになる。ポルトガル王家は遠征、都市建設、通商路開設、富の蓄積、島のギルドの支配、農業の転換を要求してくる。これに応えて威信を高めよう。
小麦もお金も不足しがちで、住人は腹を空かせ、海賊がいつ現われるやもしれない。行動が早すぎても十分な名声は得られず、遅すぎればほかの誰かが先に名声を得てしまう。的確なタイミングの選択と、さまざまな要素のマネージメントがやりごたえのあるゲーマーズゲームだ。
ブループリント(Blueprints)
Y.トーリニィ作/ズィーマンゲームズ(カナダ)/2~4人用/30分/3,990円
建築家となり、3枚の青写真に従って建物を建築し、建築家の腕を競うダイスゲーム。
プレイヤーは場に出ているダイスを選んで、手元の青写真に配置して建物を作っていく。しかし、ダイスを積み上げるにはその目が重要。上に積み上げるダイスは下のダイス以上の目でなければならない。作り上げた建物はそのダイスの色と配置の組み合わせによって点数が異なり、またその目と種類などによってボーナスもある。手軽なダイス・ドラフトと、パズルのような得点計算により、簡単ながらも悩ましさのある作品だ。

ブリュッセル1893(Bruxelles 1893)
E.エスプレマン作/ズィーマンゲームズ(カナダ)/2~5人用/(25×プレイヤー人数)分/8,925円
19世紀のブリュッセルでアール・ヌーボーの有名な建築家となって、名声を競うボードゲームゲーム。助手を使ってアール・ヌーボー様式の建物を建築したり、アール・ヌーボー様式の装飾を作る。建築物を完成させれば、自身の最も美しい代表作に投資することができる。また、世間での評判も上がり、宮廷や市議会での発言力も増していき、著名人からの助力を得られるようにもなるだろう。
毎回使用できるアクションスペースが変化するワーカープレイスメントシステムと、ボーナスカードの競りのシステムが独特な作品。
銀杏都市:専門家たち(Ginkgopolis: The Experts)      
X.ジョルジュ作/ズィーマンゲームズ(カナダ)/2~5人用/60分/4,830円
昨年のシュピール新作の中でも5本の指に入る人気を博した『銀杏都市』の拡張セット(プレイするためには『銀杏都市』が必要)。5種類の拡張セットが含まれており、それぞれ別々に導入することも、組み合わせて導入することもできる。
新たに加わるのは、新たな建物、威信建物、専門家、イベント、緑地帯の5種類。そのうちタイトルにもなっている専門家は、銀杏都市の成功を見て集まってきた様々な分野の専門家、たとえば芸術家やエンジニア、銀行家、ジャーナリストなどを表す。新たな戦略や視点を加えることができる。
ダンジョンペッツ:宵闇小路(Dungeon Petz: Dark Alleys)
V.フヴァチル作/ズィーマンゲームズ(カナダ)/2~4人用/90~120分/5,250円
モンスターをペットにする風変わりなゲームの拡張セット(プレイするためには『ダンジョンペッツ』が必要)。新しいペット、新しい檻、新しい顧客のほか新宵闇小路から、あなたのペットにピッタリなさまざまなものが発見される。巨大ナメクジの背中にごっそり荷物を詰め込んだ行商人から、トゲトゲのペットの首輪を手に入れたり、本物の預言者にペットの相談をしたり、ペットを精神科医に連れて行ってカウンセリングを受けさせたり、最新の堆肥製造技術を導入したり、ロリポップキャンディ製造の工程を学んだりする。ほしいものがお手頃価格で手に入るブラックマーケットも登場する。
ワールド・オブ・タンクス:ラッシュ(World of Tanks: Rush)
N.ペガソフ作/ホビーワールド(ロシア)/2~5人用/30分/4,200円
世界的に人気のオンラインゲーム『ワールド・オブ・タンクス』を元にしたデッキ構築ゲーム。プレイヤーは戦車小隊長となり、戦場で戦車戦を指揮し、自陣を防御し、隊を再編成し、勲章を得ることを目指す。システムの根幹はシンプルなデッキ構築ゲームで、より多くの勲章を得るのが目的となる。しかしそのために編成できるのが、米英独ソの4勢力各25種類もの様々な戦車と超豪華。
ミリタリー・戦車ファンはもちろん、オンラインゲームのファンも注目のロシアのメーカーによる作品だ。
ハリウッド(Hollywood)      
N.ペガソフ作/ホビーワールド(ロシア)/2~3人用/30分/5,040円
映画スタジオの責任者となって、ヒット作を送り出すことを目指すカードゲーム。映画の制作に必要なものは、カードをドラフトして集めていく。有名俳優・女優を起用すれば注目を集めることができ、よい脚本、テーマに合った演出家、監督、道具係などを揃えることで映画の完成度は高いものとなるだろう。
最初のカードはドラフトで選ぶが、次に得るスターは競りで獲得するので、出費に気を付けなければならない。ハリウッドで3年間にわたってスタジオを経営し、最も成功したプレイヤーが勝つ。アメリカがテーマのロシアゲームという点も注目される。
キーフラワー:農夫たち(Keyflower: The Farmers)
S.ブリーズデール、R.ブリーズ作/フッフ&フレンズ(ドイツ)/2~6人用/90分/5,040円
昨年のシュピールで任期を集めたイギリスのボードゲーム『キーフラワー』の拡張セット(プレイするためには『キーフラワー』が必要)。今までのキーフラワーでの発展に加え、麦畑、牛、豚、羊の牧畜など、農業方面での発展ができるようになる。動物はタイル配置で作られる地形上に置いておくことができ、麦を育て動物を増やすことで得点が入るようになる。
基本セットに入れ替えて使うことも、基本セットに加えて使うことも可能。
キーフラワーミニ拡張:キーセレステ号(Keyflower: Celeste)
S.ブリーズデール、R.ブリーズ作/フッフ&フレンズ(ドイツ)/2~6人用/90分/840円
『キーフラワー』に新たなタイルを追加するミニ拡張セット(プレイするためには『キーフラワー』が必要)。謎の幽霊船キーセレスト号が加わる。シンプルなタイルとコマだけのミニ拡張なので、手軽に基本ゲームに導入できる。
ひつじグーグーグー(SheepZZZ)
B.カタラ作/ハリケーンゲームズ(スイス)/2~5人用/20分/1,680円
すっかり夜も暮れた山の中、羊飼いは退屈そう。しかし仕事は忘れておらず、引き連れているヒツジが全部いるのか数え始める。でもだんだん眠くなってきて、眠りにつく前にちゃんと数えられるだろうか。
『モウ』などの軽快なゲームも得意とするブルーノ・カタラによるカウントアップ系のカードゲーム。枕をたくさん取らないように、うまくカードを出していかなくてはならない。しかし、オオカミが現れた途端にカウントダウンに切り替わり、状況はくるくる変わる。子供から楽しめる、短時間で終わるユニークな作品。
オペラ座の怪人(Le Fantome de l’Opera)
B.カタラ、L.モーブラン作/ハリケーンゲームズ(スイス)/2人用/90分/5,250円
2人用傑作推理ゲーム『Mr.ジャック』に連なるシリーズ最新作。オペラ座の10個の部屋には8人の容疑者トークンが置かれ、それぞれ歌姫ラ・カルロッタを追い出す動機をもっている。8人の容疑者のうち、1人はオペラ座とその地下水路に棲む謎の人物『オペラ座の怪人』がその正体だ。プレイヤーの一方はこのオペラ座の怪人となり、もう一人は捜査陣を受け持って正体を暴くことを目指す。怪人側は正体が暴かれる前にラ・カルロッタを追い出せば勝利、捜査側はそれを阻止すれば勝利となる。
ミステリアスな雰囲気も魅力的な、対戦型推理ゲームの新作。

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