ターギ(Targi)

ワーカープレイスメント・ダイナミック
サハラ砂漠の民トゥアレグ族の男はターギと呼ばれる。青いターバンと顔まで覆う民族衣装を身にまとい、ニジェール、マリ、リビアなどで反政府を掲げて武装闘争を繰り広げている。
その勇敢な姿から名前をもらって、フォルクスワーゲン社は「トゥアレグ」という4WDのSUV車を2002年から作っている。それでお馴染みになったのだろう、昨年の『トゥアレグ』に続いて2タイトル目のゲーム化である。
作者のA.シュタイガーはこれが処女作となる新人だが、ドイツ年間エキスパートゲーム大賞にノミネート。ネットで行われたアンケートは、大賞を受賞した『村の人生』を上回り1位の評価を得ている

塩、胡椒、ヤシを商い、カードを集め、一族の勢力を競う。奇をてらうことなく、ドイツゲームらしい骨太な作りである。
中央には5×5枚で25枚のカードが並べられている。ここに交互にターギコマを置いてアクションを選択する。ターギコマは、周辺のカードにしか置けない。3個ずつ置いたときに、ターギコマの座標(縦線と横線の交点)にあるカードも、アクション対象となる。『マオリ』などG.ブルクハルトのシステムを2次元化したようなシステムだ。ターギコマを置いたところと、交点となったところ、合計4〜5アクションが毎回実行できる。
コマを置き終わったら、スタートプレイヤーからアクションを全て実行する。商品を取り、一部を売ってお金にし、商品とお金を組み合わせて部族カードを取るというセットコレクション。獲得した部族カードは得点になるだけでなく、さまざまな特殊効果を持っており、これでゲームを有利に進める。
特殊効果といってもそこはドイツゲーム、派手なものはない。「胡椒を手に入れたラウンドは胡椒をもう1つもらえる」「ラクダ乗りを獲得するときは支払う商品が1つ少なくなる」といったものを積み重ねてコツコツと。カードのほかに勝利点チップもあり、勝敗の行方は終わるまで分からない。
どちらかが部族カードを12枚獲得するか、盤面を回っている盗賊が1周したらゲーム終了。
ふうかさんと2人プレイ。順調にラクダ乗りを集めていったが、カードの種類にこだわるあまり、商品の仕入れが甘くなり、身動きがとれなくなる。そのうちにふうかさんが怒涛の勢いで部族カード12枚を集めゲーム終了。カード枚数では2枚の差を付けられたが、盗賊に我慢して勝利点を差し出さなかったのが奏功して僅差で勝利。
アクション選択では、相手がターギコマを置いたところはもう選べないだけでなく、向かい側にも置けないというルールがある。つまり相手がターギコマを置いた列は全て選べなくなるのである。ダイナミックなワーカープレイスメントとなっており、狙っていたアクションが軒並み選べなくなるのが、駆け引きがあって面白かった。
Targi
A.シュタイガー/コスモス(2012年)
2人用/12歳以上/60分
国内未発売

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。