ひいて・よって・見っけ!(Kuck Ruck Zuck!)

その写真を撮ったのは?
今年のドイツ年間キッズゲーム大賞には、ノミネート3タイトルと推薦リスト9タイトルのうち、メーカー別に見ると複数入選したのはコスモス社とドライマギア社だけだった。セレクタ社がエントリーしなくなった今、キッズゲーム一筋を貫いてきたハバ社から『キャプテンリノ』しか入らなかったのは寂しい。
その一方で、ふうかさんがハバ社の新作に注目しているという。デザイン的には子供向けだが、内容は大人「も」楽しめるどころか、大人のほうがもっと楽しめるものが多いのだという。すごろくやさんが、ハバ社の作品を積極的に紹介しているのも、内容の充実ぶりに目をつけてのことであろう。
『ひいて・よって・見っけ!』はフランスの奇才R.フラガによるもので、フラガが得意とする同時プレイのパターン認識ゲームである。めくったカードに載っている写真の遠近から、どの動物が撮影したものかを探す。
ひいて・よって・見っけ!
カードには2つの動物が大・小で描かれている。遠近法で、大の動物が手前、小の動物が奥ということを表している。山札からカードをめくったら全員同時スタート。ボードに並んだ動物のポジションから、この2匹の動物の手前にいる動物をいち早く探し、その動物名を言う。当たったら自分の山札を1枚減らすことができ、早くなくしたら勝ち。
ときおり、2つの動物の手前が盤外になることがある。そういう写真は飼育員が撮ったということ。その場合は、対応する辺にいる飼育員コマをいち早くつかむ。取った人が自分の山札を減らせる。
上級ルールでは、斜めの並びが出てくる。混乱すること間違いなしで、より高い集中力が問われるだろう。もちろん、気後れしていては勝てない。
初級ルールから本気モードの大人4人。「ゾウ!」言うタイミングがほとんど一緒で誰が早かったか分からず、じゃんけんで決めたこともあった。飼育員コマを取るときは接触で爪が割れるほどのスピード。初級ルールは1位を取ったが集中力が続かず、上級ルールはふうかさんの勝利。
同時プレイのパターン認識ゲームは、アブストラクトゲームと同様、かつて私の苦手ジャンルだった。120%の処理能力が要求されると、脳みそがフリーズしてしまうのである。しかし数をこなすうちに、実は集中力のほうが大切だと気づくようになった。コツをつかむと、反射的に動けるようになるのが快感である。ゲーム愛好者には敬遠する方も多いようだが、チャレンジしてみてほしい。
Kuck Ruck Zuck!
R.フラガ/ハバ(2012年)
2〜6人用/6歳以上/10〜15分
高円寺0分すごろくや:ひいて・よって・見っけ!

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