ラバトはハボローネの東です
世界の都市を、東西南北に並べる地理トリビアゲーム。アラカルトカードゲーム賞を受賞したドイツ国内都市版の『ブクステフーデ』、その続編でヨーロッパ都市版の『ウプサラ』に続いて今年発売され、日本語版となった。『ブクステフーデ』も『ウプサラ』も知らない都市が多すぎてお手上げだったが、今度は知っている都市がほどよく登場して楽しめる。都市名に混じって、世界の名所も登場するのも面白い。
自分の番には、出てきた都市を、前においてある都市の上下左右に置く。より北だと思えば上へ、東だと思えば右へ。都市と都市の間に挟んでもよい。
ほかの人は、間違いだと思ったらチャレンジする。2枚のカードをめくると、緯度・経度が書いてあって確認できる。間違いならチャレンジした人がカードを置いた人からチップをもらい、当たっていれば逆に払う(ちなみに東の端と西の端は日付変更線)。
さらにゲーム中に3回、予想タイムがあって、その時点で置かれているカードのうち何枚間違っているかを予想する。誰もチャレンジしない限り、実は間違いでも置かれたままのカードがあるわけだ。予想が当たればボーナス。こうして一番多くチップを集めた人の勝ち。
都市名は、場所も大体わかるもの、名前は聞いたことがあるもの、聞いたこともないものががそれぞれ3分の1くらい。ほどよいバランスである。名前も聞いたことがないものは、「ああこれね」と知ったかぶりをして置く。間違っていたってチャレンジされなければいいだけの話だ。それでも中には絶句してしまうくらいマイナーな都市もあって、そのときは笑うしかない。
『ファウナ』と同様、理論的には詳しい人が勝つわけだが、ドイツとロシアの都市のどちらが北かとか、リビアと南アフリカの都市のどちらが東かなんて普通考えないから、知識の差は意外と出ない。またカードはたくさんあって、経験者有利でもない。むしろ、生半可に知っていると「そんなはずはない」などと必要以上にチャレンジしてしまって、チップを失うことになる。みんなに「そうだよな」と思わせる説得力が(たとえそれが見せかけでも)大切だ。
果敢にチャレンジしていたhataさんは五分五分で、チャレンジを少なめにしてうまく配置したcarlさんが1位。自信がないのをチャレンジされて、正解だったときドヤ顔になるのがおかしかった。
Ausgerechnet Honolulu
B.ラッフ、U.ラップ/フッフ&フレンズ(2011年)
2〜6人用/10歳以上/20分
Amazon.co.jp:なんてったってホノルル 世界の東西南北、分かりますか? 日本語版