つくば自宅ゲーム会 09/02/21

つくば自宅ゲーム会 09/02/21

フッテセッテ徳川ルイーズと羊たちクール・クレバー・クリーンゲリニ、キャッチミーオランダ黄金時代ケチャップはりねずみウルク

フッテセッテ(Futte Sette / 米出康人 / 試作品, 2009)

フッテセッテダイスは一気に振りたい

米出さんが現在製作中のゲームをテストプレイさせて頂きました。タイトルはドイツ語風。なんか『フォレロッテ』を彷彿とさせます。現在のところ、ダイスを振って1個ずつもらい、そのダイスで競りをするフッテセッテと、ダイスを振る権利を競って、目標点めざして振るセッテフッテの2ゲームが楽しめます。まずはフッテセッテから。

 はじめは振ってから1個ずつドラフトして、一番小さいのを取った人からまた振ってドラフトという流れ。4や5を手堅く集める私と、1と6の両極端が来るふうかさんが対照的です。
 ダイスを取り終わったら、カードを1枚ずつめくって手持ちのダイスで競ります。1のカードは1点ですが、ダイスが交換できる能力がついているので6のダイスがあっち行ったりこっち行ったり。
 6のダイスを取られるのが惜しくてあえて1のカードを取りにいったら、そうやって死守した6のダイスでいいカードが競り落とせず負け。ダイスゲームとは思えないシビアな作りでした。

 続いてセッテフッテ。山からカードをめくって、その合計が出せそうなダイスをビッドします。たくさん出せば成功率はもちろん上がるわけですが、残りダイスが減れば次の競りに出られません。でもとにかく競り落とさないとしょうがないので、ダイスを目いっぱい出して挑戦する皆さん。ダイス3つで9なんてと余裕かましてたらちょうど9でヒヤヒヤしたり。そういうハプニングがダイスゲームの楽しさです。
 パスをするとダイスを1個補充できるというルールがよく効いていました。終盤、どこで引いてどこで出るかの駆け引きが生まれます。早めにダイスを使い切ってしまったので、もう少しねばってもよかったかも。余りまくった人もいましたが。

 どちらもそれぞれに違う面白さがありましたが、目標値を決めて一気に振るセッテフッテのほうが燃えました。ダイスゲームは振るところがクライマックスになったほうがよいですね。

徳川(Tokugawa / V.ギルハウス、T.ブルーメンタル / バンブスシュピーレ, 2008)

徳川ジャパン

勘違い日本ゲームが多いドイツで、9歳のティツィアン君と11歳のヴィクトール君が作ったゲームです。徳川幕府軍と天皇軍に分かれて戦います。2人用ですが、4人でチーム戦にして見ました。

 北海道と九州がないのは2人用だからしかたないとして、トウホコ地方とか、ユマガタとか、微妙にゆがんだ世界観です。ルールには「地名は当時のものではありません」と注記がありますが、今のものでもないような。
 サムライを適当に配置したらスタート。年貢を取り立てるのも、サムライを雇ったり何かを建設したりするのも、通貨の石(コク)はすべてその地域の銀行でやりとりするところが斬新です。年貢を取りすぎると干からびます。雇用や公共事業で地域を潤わせましょう……って、ほんとうに9歳と11歳が考えたんでしょうか?
 敵の都を落とせば勝ちですが、周囲が固めれているのでほとんど無理です。代わって、場に3枚出ている契約カードを達成するのがこのゲームのメインになります。契約カードを達成するには、指定された地域の都市を全部征服するか、船を建造する必要があります。こうして全国にサムライの配置合戦。石がなくなったら年貢集め、石がたまったらまた雇用です。
 北越地方の征服まであと一歩と迫った徳川軍は、最後の砦であるオバマを攻めます。嵐もなんのそのダイスは2つで11。絶体絶命の天皇軍に、ダイス2つで12という神風が吹きました。ここが天下分け目の戦いだったと思います。勢いを失った徳川軍は、無謀にも敵の懐であるナゴヤに挙兵。そしてあえなくつぶされてしまいました。
 その後、徳川軍はシコクを平定して契約を1つ達成しますが、その直後に西トウホコ地方を治めた天皇軍が3枚目の契約カードを達成して勝利。ナゴヤの失態が響きました。切腹!

 このゲームはフィクションであり、実在の地名とは関係ありません。

ルイーズと羊たち(Luise und die wilden Ziegen / G.コルネット / シュピールボックス, 2003)

追いかけられても行き場なし

シュピールボックスの付録ゲームです。バンブスシュピーレの社長であるコルネットがデザインしています。

 ダイスを振って牧羊犬のルイーズを進め、羊を柵の中に追い入れていきます。ポディロンの森に行ったときに見ましたが、犬がけたたましく吠えても羊は知らん顔。これでは人間だったらもっと苦労するなと思いました。
 このゲームでも、犬のコマに押されないと羊は動きません。その先に羊がいれば、さらい押し出されます。犬は順番に進めますので、自分の番に自分の色の羊を前のほうに出しておくのがポイントです。
 とはいえ柵に入る順番は早いほどいいわけではありません。1,2,3,1,2,3……と点数がついており、3点のときに入ればいいわけです。まあ、ルイーズ君をそこまでコントロールするのは難しいですが。

 なぜか米出さんの羊ばかり3点のところに入って圧勝。途中で気づいたのですが、外周に追いやられるともう前の羊を追い越せません。柵には定員があるので、途中で絶望するのみ。karokuさんがこれで終了でした。そうならないように先手を打つのでしょうが、終盤の盛り下がりは付録なりの出来ということで。

クール・クレバー・クリーン(Cool Clever Clean / 作者不明 / F.X.シュミット, 1995)

これであなたも買いたくなーる

ドイツの家電メーカー、ミーレ社が、FXシュミットとタイアップして出していたボードゲーム。販促品にしては箱が大きく、コマも木製で、不自然に豪華です。でもその内容は、販促品というに相応しい洗脳ゲームでした。

 ダイスでボードをぐるぐると回ります。家電製品のマスに止まったら、その家電製品を買うことができます。値段はたえず変動していますので、安いうちに買ったほうがよいでしょう。
 マスに書いてある家電製品をもっていたら、収入が入ります。収入も変動しますが、2つもっていれば2倍です。だから洗濯機でも乾燥機でも、2個買いましょう。消費こそ快楽。ミーレ社もたいへん喜びます。
 買わないケチんぼには、おしおきもあります。ところどころにある「クール・クレバー・クリーン」のマス。ここではカードを引いて指示に従います。その中に、「電子レンジを持っていなければお金を払う」「洗濯機をもっていなければお金を払う」という指示が。お早めに買い揃えておいたほうがいいですよ。
 前半は有り金をはたいて家電製品をどんどん買っていたkarokuさんが、終盤に爆発的な収入をものにして勝利。家電製品をあまり買わないで、少ないチャンスに賭けるという方法も(ミーレ社は推奨してないでしょうが)ありです。ゲームが終わるころには、見事に洗脳されて、何か家電製品を1つ買いたくなっていました。

クール・クレバー・クリーン!

ゲリニ、キャッチミー(Gelini Catch me! / R.クニツィア / ラベンスバーガー, 2009)

最後の1枚は誰が

クニツィアの新作はシンプルな子供ゲームでした。

 手札からカードを出して、同じ色のクマのゲリニさんを場から取ります。ほかの人がもっていたら、相手も同じ色のカードを出して防御できます。防御されたら、さらに1枚出して挑戦できます。こうして最後まで出せたほうがゲリニさんをもらいます。こうして最後にゲリニさんをたくさんもっていた人が勝ち。
 つまり最後の1枚を出せればいいわけです。よってカードをもっているのにあえて取らせて、ほかの人とやりあってもらった後に、1枚出して奪い取るという漁夫の利も考えられます。
 でもみんなが同じことを考えたら、集めた人の手札がなくなってゲームが終わってしまうので適度に取りにいっておかなければいけません。そもそも手札は5枚しかありませんから、狙えるかどうかも分かりません。

 ゲリニさんの名前はともかく、小さいコマが可愛いです。ちなみにちょうどここで3歳の長男が、紙パンツにウンチをしていました(ゲリつながり)。

オランダ黄金時代(Goldene Ära / L.コロヴィーニ、G.バウ / ファランクスゲームズ, 2008)

商売も貿易も博打

荘重なボックスのイラスト、そしてボードには雰囲気たっぷりのオランダ地図がエリアごとに色分けされていて、カードも美しいイラストがいっぱい、とくれば、重量級の陣取りゲームを予想するわけですが、ダイス運やカード運が大きいお気楽なゲームでした。

 まず2つのダイスを振って、ボードの周囲にいるコマを進めます。止まったエリアに自分のマーカーやコマがあれば収入。運が悪いと何周しても収入が入ってきません。『カタン』みたいな感じですが、確率に差がないのでまことに運次第。
 さて各エリアに自分のマーカーがあると、カードが手に入りますが、多くのカードは何枚か引いて揃わないと何もできません。くじ引きみたいです。米出さんは船カード3枚のセットを3枚引いただけでコンプリート。早速東インド会社を設立し、またコーヒー豆の3枚セットを3枚引いただけでコンプリート。莫大な富を手に入れ、やりたい放題です。引いても引いてもなかなかカードが揃わない私やふうかさん、最初からなぜかお楽しみカードを引き続けているkarokuさんは何だか腑に落ちない感じ。
 でも、karokuさんのお楽しみカードが地味に得点になり、私もスパイスが揃わないながらも船をどんどん出港させて追いつき始めました。運任せの分、トップ叩きをしやすくなっています。一進一退の攻防を繰り広げましたが、米出さんが逃げ切りました。

コンポーネントと内容にギャップがあるような気がしないでもありません。まあ、黄金時代は商売も貿易も一か八かだったのかもしれませんが。

ケチャップ(Ketch Up / L.コロヴィーニ、D.D.トフォリ / ピアトニク, 2003)

僕出す人、あなたもらう人

木更津の木のおもちゃ屋「ゆかいなさかな」で人気ナンバーワンというカードゲームです。シンプルなルールなのに駆け引きもあり、考えどころもあり、盛り上がります。

 自分の番には3枚の手札から1枚以上、好きなだけ場に出します。出した分だけ補充します。3のカードは3枚目、4のカードは4枚目……7のカードは7枚目を出した人が全部もらいます。一番カードを多く集めた人の勝ちです。以上。
 あと1枚、あと2枚で揃うところで終えると、次の人が「ごっつぁんです」となってしまいます。ですのでチビチビ出してチャンスを待とうとするわけですが、流れが悪いと絶好のパスを出すばかりになってしまいます。今回はkarokuさんが出す係、米出さんがもらう係。いっそのこと目いっぱい出して、手札が揃うのを待つという手もあるでしょう。4人くらいだと、どこかで流れが変わるチャンスがあります。

 ゲーム会では少し物足りない面もありますが、子供と遊ぶもよし、お酒の場で遊ぶもよし。短時間で終わるので、繰り返し遊びたくなります。

はりねずみ(Smic Smac / K.ツォッホ / チェローナ, 2007)

気づいたときは手遅れで

これまた木のおもちゃ屋「ゆかいなさかな」で売れ筋というカードゲーム。作者はツォッホ社のツォッホですが、販売はギリシャのメーカーです。3才以上とか書いてありますが、もうちょっと大きくないと無理です。

 山札からカードをめくって、えさを食べます。食べるたびに、4匹のはりねずみを1匹ずつ冬眠させることができます。4枚の冬眠カードが出る前に、はりねずみを全部冬眠させないと負け。でも冬眠させればさせるほどえさが取りにくくなります。さらにお邪魔カードが入って、いよいよ焦ります。
 4枚の冬眠カードは、山札のどこにあるか分かりません。後から出てくるならば欲張りさんが勝つでしょうし、先に出てしまうならば臆病さんが勝ちます。カードの出方によって、遊ぶたびにいろんな展開がありそうです。今回は、ちょっと欲張ったkarokuさんも、取るたびにどんどん眠らせた私も、結局みんな間に合いませんでした。

 ストーリーとシステムがかみ合い、和むイラストも見事です。すばらしい。

ウルク(Uruk / H.クーン、W.クーン / DDD出版, 2008)

文明発展はコンボにあり

メソポタミア文明の発展を、カードゲームで描きました。ドイツゲームが従来得意としてきた建設と、アメリカゲームが持ち込んだ今流行のカードコンボを組み合わせた興味深い作品です。

 手札からカードを出して、そのカードから資源を集め、村や街を作って得点にします。カードは5枚までしか出すことができず、効果の弱いカードは強いものに差し替えていかなければなりません。強いカードはコンボによってさらに強くなるでしょう。
 山札から補充するとき、時折出てくる神カード・災害カードでイベントが起こります。発展が遅れているプレイヤーに救済があったり、競りをして勝った人(負けた人)にアドバンテージがもたらされます。このカードは、場にしばらく出てから効果が発動するので、イベントの内容を見て準備をする猶予があります。
 コンボ系のカードゲームが面白くないはずはありません。karokuさんは資源を少なく街にできるカードと、街を移せるカードのコンボで着々と文明を発展させて勝ちました。私はトップのプレイヤーが資源を補充するたびに同じものを補充できるカードと、資源とカードを自由に交換できるカードのコンボでしたが及ばず。

 カードの効果は文字ではなくアイコンで記されていますが、ややこしいものもあって「本(ルールブック参照)」のアイコンが。その辺がなかなか飲み込めないですが、オリジナリティの高い効果は素敵です。

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