新築した山形の家で初めてのゲーム会。日曜の午後が空いたのですかさず入れたところ、ぽちょむきんすたーさん、nagaさん、Psy+さんにお出でいただいた。所要時間がおしなべて2時間以上というところからのご来訪に感謝。とっておきのゲームでおもてなしである。
ペンタゴ|カニボーン|レース・フォー・ザ・ギャラクシー|アグリコラ|順風満帆
ペンタゴ(Pentago / T.フローデン / 河田, 2005)
回転するボードで五目並べを競うスウェーデンの2人ゲーム。北欧で各賞を受賞し、日本では河田が輸入販売を手がけている。デパートや量販店のおもちゃ売り場など広く販売されているようだ。
自分の番にはボールを一個、好きなところに置いてから4つのボードのいずれかを90度回転させる。これだけ。そのうち一列に五目並んだら勝ちだ。いたってシンプルなゲームだが、回転のパターンは4枚×2方向で8通りあり、結構考えたつもりでも思わぬところに列が生まれたりする。その中で相手の列を殺しながら、いくつかの列を同時に作っていくのは考えるものだ。
写真は白が五目を作ったところ。これはぽちょむきんすたーさんがうっかり見落としてしまったもので「詰み」(どこに置いても次の手で相手が勝ってしまう状況)ではない。一手戻して続行したところ、ぽちょむきんすたーさんが「詰み」を作って勝利。長考しなくても、長めに楽しめるゲームだった。
カニボーン(Kanniborne / U.ローゼンベルク / ルックアウトゲームズ, 2006)
まとめ食い
ゲーム内容はこちら。今回は派手な特殊能力がなかなか出ずに、捨て札の山から拾って大量得点を狙う展開。山札から場にめくったとき、捨て札の一番上と同じカードがあれば全部おまけでついてくるという2人用ボーナンザの処理がこのゲームでも用いられている。2人では交渉がないので、こういうくじを引くような楽しみがあってよい。特殊能力の小競り合いで拮抗していたが、そのうちぽちょむきんすたーさんが捨て札から大当たりして優勝。
レース・フォー・ザ・ギャラクシー(Race for the Galaxy / T.レーマン / リオグランデゲームズ, 2007)
国内では一般販売が始まっていないにもかかわらずクチコミで評判になっているゲーム。前回のレポートはこちら。人気の理由はサンファンをはるかに上回るカードの多様性と、その多様性をアイコン表示で分かりやすくしたプレイアビリティ、そして手番同時プレイというスピードなどがあるだろう。
毎ラウンドはじめにフェイズのカードを出し、補充や建設などからどのアクションを行うか選ぶ。『サンファン』でいうところの職業カードである。誰かが出したフェイズは行われ、誰も出さなかったフェイズは行われない。ここにほかの人の手を進めないようにするという『サンファン』的な選択もできるが、結局やりたい人は自分で出してしまうのであまり妨害にならない。むしろ誰かが選んでくれそうならば自分は別のフェイズを選んで手を早く進めることを狙うだろう。
こうした駆け引きは確かにあるが、どのフェイズが実行されるか決まったらあとは各フェイズ同時プレイ。補充といったら順番に関係なくみんな補充、建設なら各自建設。慣れないうちはミスがないか確認しながら行うが、慣れればもうさくさくと進む。1ゲーム30分未満でも遊べるのではないだろうか。
この同時プレイは、子どもたちがめいめいゲーム機をもって背中合わせに遊んでいるような一抹の寂しさを覚える。でもネットゲームなどスピーディな処理が当たり前になった現代のゲーマーにとってこういうシステムは歓迎されるのだろう。何年か前にネット上で盛り上がった長考反対キャンペーンを思い出す。同時プレイでも長考はありうるし、給食を食べるのが遅い子どものようにかえって白い目で見られないとも限らないのだが。
今回は出荷する人が少なくて建設競争になった。序盤に手札がたくさんあったので高い建物を一か八かで建てたところこれが全然使えなくて失敗。自分のコンボを強化するような建物を引けるかどうかがつい気になってしまうが、手札を活かして第二のコンボを作るなどの多様化戦略も有効そうだ。
アグリコラ(Agricola / U.ローゼンベルク / ルックアウトゲームズ, 2007)
こちらも今人気のゲーム。少量が入荷するたびにすぐ売り切れている。ゲーム内容はこちら。
今回は小麦を取るたびに畑も付いてくるというものすごく美味しい職業で磐石。畑に小麦を植えて収穫し、後にはかまども作って食料を確保できたので余力をほかに回すことができた。全種類揃えてマイナス点をなくし、38点で1位。
ゲームの出来は最初に配られる14枚のカードに大きく左右される。「何かのアクションを選ぶたびに毎回特典がある」というカードがあれば安心だが、資源を1回もらって終わりとか、ゲーム終了時に条件を満たしていれば得点とかいうようなゲーム中の効果が小さいカードばかり揃うと厳しい。収穫までに食料を集めるだけで精一杯ということも少なくない。こうして格差が開きがちで貧しいほうには勝利のチャンスがまずないのが妙にリアルでシビアだ。
もっとも勝敗よりも過程を楽しむというスタンスならばむしろ貧しいほうが見せ場はある。食料1つを何とか調達して物乞いを回避できたとか、やむをえずペットを食べてしまったとか、ドラマチックな展開を楽しみたい。
順風満帆(Before the Wind / T.ランズフォークト / ファランクスゲームズ, 2007)
ゲーム内容はこちら。相手の選んだカードをお金で奪い取れるので、お金をどこまで貯めてどこにつぎ込むかがポイントだ。私は先を急ぐ悪い癖があって、ちょっとお金がたまったところで使ってしまう(現実にもそうなんです)。ぽちょむきんすたーさんは皆に揶揄されながらもお金を貯めて貯めて、その資金力を背景に中盤から一気に高得点を取った。お金をいっぱい持っていると分かると、相手はアクション購入に安値をつけられなくなるのだ。よい勉強をさせてもらった。