2003年1月から始まり年に2回のペースで続けられている山形ボードゲームコンベンションの11回目。nagaさん、ぽちょむきんすたーさん、かゆかゆさん、神尾さん、光の翼さん、Stさん、上野さん、鴉さん、ゑびなさん、Mさん夫妻、はるさめあんさん、そして私の13名。あとちらっとmuraさんも顔を出した。午後から三々五々集まってきてのんびりゲーム。温泉に入って、庄内名物どんがら鍋に舌鼓を打って、お酒を飲みながらさらに続行。朝6時ぐらいまで遊び倒した。
アグリコラ|キャッシュアンドガンズ・ライブ
アグリコラ(Agricola / U.ローゼンベルク / ルックアウトゲームズ, 2007)
ゲーム概要はこちら。今度はカードを全て印刷してスリーブに入れて用意したので、遊びやすさは大幅に改善された。
このゲームの面白くてかつキツイところは、食料がいつも不足気味というところにある。何ラウンドかに1回、食糧供給フェイズがあり、家族の数だけ食料を出さなければならない。食料は点数にならないが、食料が足りないと物乞いが出て大きなマイナスポイントになってしまうので、食料は最大の関心事となる。だが食料集めにばかり汲々としていては点数は伸びない。いかに早く食料を増やす体制(畑や家畜)を築いて、食料以外のものにエネルギーを割けるかが勝敗を決めると言えよう。
食料を増やす体制を築くには、発展カードと職業カードが欠かせない。パンを焼いたり、資源を余分にもらったりすることで労力を削減するのだ。ところがいいカードがないと途端に展開は厳しくなる。それでも戦略の立てようはあったのかもしれないが、手持ちのカードを生かせず終盤まで農場がほとんど更地。物乞いも1人出た。更地の農場はマイナスポイントになり、1人で大沈み。1位は早めに牧場を作って家畜いっぱいにし、ふんだんな食料を背景に家族も増やしたぽちょむきんすたーさん。戦略はカードに依存し、そのカードは300枚以上あるから、何度遊んだって別な展開になる。それがこのゲームの魅力なのだろう。
キャッシュアンドガンズ・ライブ(Ca$h ‘n’ Gun$: Live / L.モーブラン / レポス, 2007)
互いに銃口を向け合って度胸試しをする『キャッシュアンドガンズ』が、20人まで遊べるワイド版になって返ってきた。チームに分かれて編成を相談し、できるだけ多い分け前を狙う。
はじめにラウンドの賞金額を発表した後、各チームに人数分のカードが配られる。早撃ちの「バンバンバン」、2人撃てる「二挺拳銃」、一発で病院送りにできる「ショットガン」のほかに、ブラフ要素として撃たれたら爆発して周囲を巻き込む「手榴弾」、同じく撃たれたら近くにいる人を刺す「ナイフ」、そして撃たれてもセーフな「絆創膏」。これをチームで相談して配分したら、スタート!
10数え終わるまでに部屋の中を自由に移動し、いっせいに誰かに銃口を向ける(素振りをする)。手榴弾・ナイフ・絆創膏の人もいずれかの銃で撃つ真似をすること。次に3つ数えて、この戦いから抜ける人はいっせいに万歳する。万歳した人はチキンコーナーへ。そして「バンバンバン」、「二挺拳銃」、「ショットガン」の順に公開だ。2回撃たれるか、ショットガンで撃たれるか、手榴弾やナイフの被害を受けたら病院送りとなる。生き残った人で賞金を等分。
自由に位置取りをできることで面白くなるのが、手榴弾とナイフだろう。手榴弾は撃たれた場所から一歩ジャンプして、そこから両手で手の届く範囲にいる人を全て巻き込む(味方でも)。ナイフは撃たれた場所から移動せずに、片手で届く人を刺す。これがあるからむやみに人に近づくのは危険なのだ。
光の翼さんチームが強いチームワークと強運で1位。私のチームはノーガード戦法で病院に送られまくって3位。もはやテーブルゲームではないが、協力ありブラフありハプニングありと要素を備え、やけに盛り上がった。
キューバ(Cuba / M.リーネック+S.シュタドラー / エッゲルトシュピーレ, 2007)
ゲーム概要はこちら。『大聖堂』のデザイナーコンビは、フリーク向けである『大聖堂』からさらにフリーク向けな作品を狙ったようだ。運の要素はほとんどなく、勝敗はプレイヤー間のアヤで決まっていく。ときには他人より早く、ときには他人の動きを見た上で行動しなければならない。
自分の農場をどのように組み立てるかがゲームの骨になるだろう。どの建物を建て、どの畑を潰すか。光の翼さんがタバコ工場にしたのを見て私はラム工場を建設。ぽちょむきんすたーさんもラム工場にしたが、出荷を早めて先行した。stさんは水を中心にしたレジャー路線。ぽちょむきんすたーさんが方針転換して成金路線にし、税金を上げて差異化をしたが、その恩恵をstさんが受けるかたちになってしまい、結局stさんの勝利。終わりまで誰が勝つか分からないしびれる展開だった。
今回も序盤慣れないことによるポカがいくつか発生したようだが、遊び慣れてくると隙を逃さなくなるから、どんどんガチンコになるだろう。とはいえ一見悪手に見えても後から正解だったことになる場合もあるから深い。2時間はかかるゲームで機会が限られるのが残念だが、まだいろいろ試してみたい。
護民官(Tribun / K.H.シュミール / モスキート+ハイデルベルガー, 2007)
ゲーム概要はこちら。勝利条件の達成具合は、ボードに獲得したチップ類を並べていくことで一目瞭然になる。勝利条件の難易度を上げてプレイ。私は序盤にグラディエーターを支配し、支配したグループの横取りを防ぐ戦車の競りで勝ってグラディエーターを確保。その特権でカタコンベにあるお金をがっぽがっぽと手に入れることに成功した。そのうちヴェスタリンの0番をたまたま拾って、永遠の神の寵愛を手に入れ、勝利条件をあっさり達成。ほかの条件と比べてこれだけたやすく取れてしまうところに納得できないという声が上がる。何か間違っているのだろうか?
アルタミラ(Altamira / P.P.ヨーペン / ツォッホ, 2007)
バッティングを避けながら、武器を節約しつつ狩りをするボードゲーム。子ども向けのマグネットを使ったゲーム(『カヤナック』、『おしゃれパーティ』)で有名なヨーペンが大人向けを作るのは初。
行き先を2つ決めていっせいにオープン。武器を補充してから狩りを始める。狩りでは同じ場所にいるほかの人もライバルで、武器の数で競りをして一番多かった人が獲物をゲット。1人だけ別の場所で狩りをすれば、最小の武器で悠々と獲物を取れるのだが、皆同じことを考えているものだから、多くの武器を消耗しなければいけなくなってしまう。
うまくできているのは補充できる武器と狩りに使える武器が違うこと。湖では弓を補充できるが、湖で魚を取るには槍がいるのでサバンナで取ってこなければならない。武器と獲物を求めて行ったり来たり。さらに、獲物は場に出ているものしか狩ることができない。1匹狩られるたびに新しい獲物が出てくるから、まだ場に出ていない獲物の猟場にヤマをはって待ち伏せするのも一手だ。それならバッティングする確率も減るだろう。
後半は勝利条件の達成をめぐって利害がはっきりするため、より戦いが熱くなる。同じ動物をたくさん狩るともらえるボーナスがポイントだ。そうなったらバッティングも覚悟で行かなければならない。このクマだけは絶対に譲れない!
序盤の小さい狩りにやたらと武器をつぎ込んでしまったのが響いて、一時は勝利条件を達成できそうな場面もあったものの息切れ。最後に全力で突っ込んだら、キングメーカーになってしまった。バッティングの巨匠、ランドルフのような趣をもったゲーム。どこか懐かしさを覚えた。
王宮のささやき(Palastgeflüster / M.リーネック / アドルング, 2007)
各キャラクターを1枚ずつ自分の前に出して行き、全部出せれば一人勝ち、出せなくなれば一人負けというシンプルなゲーム。でも各キャラクターには特殊能力があるのが先を読めなくする。出さなければならないのは能力なし、1枚捨てて山札から補充、全員に手札を見せる、場札同士を交換、手札同士を交換、場札を手札に戻すの6種類。このほかに特殊能力を潰すカードがある。特殊能力によって絶体絶命に追い込まれることもあれば、いきなり勝利が転がり込んでくることも。
『伝説のかけら』のように1ラウンドは5分もかからない。規定ポイントを先に集めた人の勝ち。
あと1枚で達成できるということは、その1枚が来なければ負けということで、手札がまずければ無闇にカードを並べないほうがよい場合もある。ヒントになるのはほかの人の場札と、顔色だ。どうしようもない状況に追い込まれたのが顔に出て、集中砲火を浴びて負けた。ポーカーフェイスが必要だったようだ。