年の暮れも近づき気ぜわしくなる12月半ば、秋葉原に行くとほっと気を抜ける。遊ばれるのを待っているたくさんの新作・旧作のゲームたちについつい心を奪われてしまいがちだが、いつも一緒に遊んで下さる仲間にも感謝したい。今年もおかげで充実したゲーム生活を送ることができました。来年もどうぞよろしくお願いします。
コズミック・カウ|迷宮牧場の決闘|コンフュージョン
コズミック・カウ(Cosmic Cows / M.ヒロン / プレイルームエンターテイメント, 2001)
ダイス5つを振って牛を引っ張り合う2人用ダイスゲーム。ホビージャパンが日本語つきで取り扱っているプレイルームの作品の一つ。
いわゆるキャトルミューティレーションがこのゲームのテーマ。牛を殺す前に自分の側に引き寄せなければならない。ダイス5つを振って、1ペアならその数字の牛を2マス、スリーカードなら3マス、フォーカードなら4マス自分の側へ。ほかにストレート、合計○以上(以下)で動くウシもいる。自分のエリアまで3匹引き寄せれば勝ちだ。
ダイスは2回まで振りなおすことができるので、ファイブカードを出して中央のスーパービーム(1回で自分の陣地に入れられる)を決めよう。
お互いリーチになったあたりから勝負が白熱する。相手の陣地に入っているウシを押し合いへし合い。場合によっては一投目を全部振りなおして必要なダイス目を狙う賭けもある。FRTSさんの好調なダイス目を潰すことができず、スーパービームまで決められて負け。ダイスゲームらしくシンプルで分かりやすく、熱く戦えた。
迷宮牧場の決闘(Make You Gunfighters / 近藤功司 / 冒険企画局, 2007)
相手の居場所を推理して倒す西部劇カードゲーム。昨年のエッセンから2年がかりで開発された冒険企画局の渾身の一作だ。値段が1500円とリーズナブルなのも嬉しい。
手札はガンマンの居所を表すカード。誰かを1人指名して、自分のガンマンカードを1枚出す。同じ場所のカードをもっていれば全員撃たれてアウト。カードにお金が描かれていれば撃った人の賞金となる。しかし出したガンマンカードは次の人の標的にされて……こんなふうに撃ち合いを繰り広げ、最後まで生き残るか、賞金を9ゴールド集めれば勝ちだ。いたってシンプル。
手札が減ってくるにつれて予想が当たりにくくもなる。さらに残り1人になるとクライマックスカードを引いて、撃つたびに場所を変えたりもできるようになる。さらに賞金を使って物語りカードを引けば大量の増員ができるかも。脱落していくタイプのゲームだが、こうして結構粘れるからつまらなくない。
派手に撃ちまくった月斎さんや、自爆したケイさんがいなくなったあとは娯楽堂さんとFRTSさん、私の一騎打ち。どこでも指定できるクライマックスカードを引いた娯楽堂さんに対して、私とFRTSさんは逃げるばかり。FRTSさんの最後の一撃が外れて撃たれてしまい、娯楽堂さんの優勝。終盤はなかなか当たらなくて間延びするがドラマチックで笑いあり涙ありのゲームである。
コンフュージョン(Confusion / H.マルティン / ラベンスバーガー, 2000)
3つのダイスを振って、決まったリアクションをすばやく行うゲーム。まずカラーダイスとワードダイスを見る。カラーダイスには赤・青・黄があり、ワードダイスには(ドイツ語で)赤・青・黄と単語が書かれている。この2つが違う色を指していたら、そのどれでもない色のカードを出す(例えば「●」、「黄色」が出たら青のカード)。ワードカードは関係ない色(赤地に「黄色」とか)で書かれていて混乱する。
さてこの2つが同じ色を指していたら、もう1つのダイスを見る。ダイス目によって手を叩く、机を叩く、プスと言う、ワオと言うの4つのリアクション。
間違った人、最後にリアクションした人はチップをもらえず、9ポイント先取。ダイスを振ってから1~2秒、勝負はコンマ数秒の差だ。神経がどんどん研ぎ澄まされていくだろう。
タナカマさんが驚異の集中力を示して1位。色の名前はドイツ語で書かれているので難しいかなと思ったが、全く支障がなかった。ああ紛らわしい。
うそつき袋(Lügenbeutel / 作者不明 / アミーゴ, 1995)
数字を言いながらカードを裏にして出していくカードゲーム。トランプの『ダウト』と基本は同じだが、何枚出してもいいのがポイントだ。「1、1,、1、これも1、これも1、あ、もう1枚あった1……」と自分の前に左から並べる。そしてダウトチャレンジ。並んでいるカードの中から1枚を選び、抜き打ち検査をすることができる。ウソだったら、それより右のカードも全部ウソということになり手札に戻さなければならない。それより左のカードは裏のまま捨てられる。
1~2枚目くらいは正直だろうから、3~4枚目を狙おうか。でも相手はその裏をかいて3~4枚目に本物を入れて1~2枚目には偽物を入れてあるかもしれない。さてどれをどうしたものか? 芝居がかった台詞と、ポーカーフェイスと、腹の探り合いが楽しい。
誰かが手札を全部なくしたとき、残りが失点。数字はそのまま失点、何の代わりにでもなるジョーカー、何の代わりにもならないウソつき、そして手番を飛ばせるスキップはマイナスがさらに大きい。影でこっそりうまいことやるのは誰か?
あっさりウソが見破られてしまい、大量のカードを抱え込んでビリ。ブラフ半分、賭け半分といった趣のユニークなゲームである。
天空の巨人(Giganten der Lüfte / A.ザイファルト / クイーンゲームズ, 2007)
ダイスを使ってパーツを集め、ヒンデンブルク号を完成させるダイスゲーム。『プエルトリコ』『郵便馬車』のザイファルトによる期待の新作だ。
最初は3までしか出ない白いダイス2個でスタート。場にあるカードを1つ指定して、要求された目が出ればゲットできる。そのカードでダイスを増やしたり、出目を増やしたりして次のカードへと挑戦していく。最終的には、8まで出る黒いダイスでヒンデンブルク号を完成させるのが目標。勝利点の合計を競う。
白いダイスから赤いダイスへ、赤いダイスから黒いダイスへ切り替えるタイミングがポイント。というのも、パーツは同じ種類のものを取ると前のを捨てなければならないからだ。カードには「白白赤で合計10以上」というようにダイスの色が指定されており、早くバージョンアップしても使い道がないし、遅ければ取り残されてしまう。特に得点になる飛行船カードは、何が残っているかをよく見ておきたい。
今日はダイス目がよく出ていて逃げ切り優勝。となりのタナカマさんは何度も失敗して飛行船製作に乗り遅れ、パーツカードでの得点を狙ったが及ばず。パーツカードは選択できるが、能力は中立的でコンボを組むというほどではない。ザイファルトにしては珍しく、ストレートでシンプルなゲームである。