仕事の都合で2週間ぶりとなった秋葉原。ちょうど日経新聞の取材が来ていて、どういうきっかけでこの趣味を始めたか、ボードゲームは流行しているのか、これからどういう切り口で広がっていくのかなど、記者さんと話しながら楽しいひと時を過ごした。記事は30日(月)の日経流通新聞に掲載されるという。
スカイブリッジ|ボルテージ|ヘリホッパー|ザンジバル|雄ヤギのベッポ
スカイブリッジ(Skybridge / A.リッチー / ギガミック, 2006)
ギガミック社の重厚な木製コンポーネントを使ったアブストラクトゲーム。今年のドイツ年間ゲーム大賞で推薦リストに入っている。
自分の色の積み木を重ねながら、9つのビルを伸ばしていく。最後に屋根を置いた人がそのビルの所有者。高さが得点になるが、所有者の橋があれば、つながっているとなりのビルも得点にできる。
積み上げ方には①同じ色は重ねちゃダメ、②低い階を優先するというルールがあって、選択肢の幅は限られる。それでも自分のビルは最後に決まるから、どういう展開になるかはなかなか読めない。
特に橋のかけどころがポイント。他人の橋は利用できないので、自分が橋をかけたビルは自分で所有者になりたい。でもそれには橋の上にほかの人が積み木を置いてくれることが条件で、しかも自分が屋根を置くまでほかの人に取られてはいけない。でも階が低いうちに屋根を置けば点数が伸びないわけで……。4人でやるアブストラクトは、先の先まで読めないところが面白さといえるかもしれない。
ボルテージ(Voltage / B.ユー / マテル, 2006)
カードの数字比べで電圧を取り合うゲーム。マテル社がゲーマー向けのボードゲームを作るのは久しぶり。昨年のエッセン国際ゲーム祭のころに発売されたが、マテル社はブースを出しておらず、ほしい人はメールで作者と連絡して現地で取引するという珍しい販売となった。
自分の番には2枚出す、1枚出して1枚引く、2枚引くのいずれかができ、色に対応するところにカードを置く。『バルーンカップ』のように、自分の側においても相手の側に置いてもよいが、同じ色のカードを2枚出すことはできない。どこかの列が両者合わせて5枚になったとき決算。中央に置かれたコマが+なら数字の多いほう、-なら数字の少ないほうがコマを進める。4本先取。
形勢を一発逆転する中央のコマだが、山札からオシロスコープのマークのカードを補充した人が+と-を交換できる。ものすごい頻度でオシロスコープが出るのでカードの選択よりもこちらに重点があるくらいだ。+と-をどんどん入れ替えてデッドヒートになったが一歩及ばずよたろーさんの勝ち。有利なところが一転して不利になるという、ドラマチックなゲームである。
ザンジバル(Zanzibar / F-B.デロンシュ / ウィニングムーヴズ, 2007)
アフリカ東岸、タンザニアの沖40kmにある常夏の島ザンジバル(下の地図参照)。ここを舞台に香辛料をめぐって商人たちが陣取りを繰り広げる。
自分の色の商人は5人。カードに指示されたスパイスやエリアのところに商人を移動し、その数が多いほど得点が入るというしくみ。カードを公開して得点したら、また新しいカードを引いて次の目標に移る。誰かが全種類回り終わったところで得点の高い人が勝ち。
1回に移動できる商人は3人まで。だから何手番か使って商人を集め高得点を狙うか、少ない得点でも先を急ぐかの選択肢がある。でも、何手番か使っても高得点が狙えるとは限らない。それが商人の上下関係だ。
飛ばしまくり、飛ばされまくりの破天荒な展開となった。たまたま飛ばされたところが目標のスパイスに近かったりするとラッキーだが、それも運次第。いったいどれだけ忙しいんだか、この商人たち。FRTSさんが高得点をマークした直後に逃げ切って1位。私は上家のタナカマさんと目標がかぶっていて、手数もかかり得点も伸び悩んでしまった。
自分の番が来るまでに盤面が大きく変わり、商人の効果的な移動には結構頭を使う。