秋葉原水曜日の会 07/06/13

秋葉原水曜日の会 07/06/13

今回で99回目となった秋葉原水曜日の会。毎週水曜日ほとんど欠かさず開催されているのでわずか2年でこの回数を積み重ねている。月1回のサークルでは1回休めば2ヶ月遊べないことになってしまうが、週1回のここはそのブランクを自由にできる。毎週行くもよし、何ヶ月かに1回ふらっと行くもよし。行きたいときにやっているというのはすごく貴重なことだと思う。

キング・オブ・ザ・ヒル王国よ永遠なれウィキッド・ウィッチーズ・ウェイセレンゲティツォーディアク破滅の13

キング・オブ・ザ・ヒル(King of the Hill / 作者不明 / ウィニングムーヴズ)

キング・オブ・ザ・ヒル秘密の洞窟からヒュルルルル

クレーターから落とされつつ山の頂上をめざすスゴロクゲーム。クレーターのそばと通っているとき、後から来たボールに押し出されるとクレーターに落ちてしまう。落ちた先は秘密の洞窟になっていて、6ヶ所の出口のどこから出てくるか分からない。ほとんど振り出しに戻るだったり、反対にワープしてゴール付近に行けたり。
 進む数はシーソー状の不思議な道具を使う。最高5までなのに、*マークが出ると最大10マスも進めてしまう。総プラスチック製といい、瞬発力といい、アメリカゲームの香り。お陰でゲームはだらける前に勝負が決まりましたとさ。
 小学校の図工の時間にこんな感じの工作をしたのをちょっと思い出した。

王国よ永遠なれ(Lang lebe der König! / G.ブルクハルト / F.X.シュミット, 1997)

この広大なイギリスで過半数票を?

イギリスを舞台に各地域を手中に収め、全体の過半数票を集める陣取りゲーム。ドイツの陣取りゲームはコマ1つの移動でも悩む重々しいゲームが多いが、こちらはひたすらダイスで攻め合うという明解な作りになっている。
 まずは貴族コマを移動させながら、手下をばら撒こう。手下が多ければ多いほど、ダイス戦の防御力が上がるのだ。そのうちエリアが固まってくると、貴族が他国領に入る。戦争勃発! 当事者でない人も含めて全員が強制参加する。漁夫の利を狙ってくるのもいるぞ。
 戦争になったら、手札から何枚かカードを出して一斉に公開。出したカードの枚数だけダイスを振ることができる。「×2」のカードはダイス目を2倍、「×3」は3倍。これに貴族コマと手下コマ(1個2点)を足して、一番多かった人がほかのコマを追い出してその地方を占領する。
 カードをたくさん出してどんどんダイスを振れば快進撃を続けられるだろう。しかしカード枚数には限りがある。一番最初にカードを使いきってしまった人は、ペナルティとして票数が3分の2に減らされてしまう。しかし戦争が起こるたび最低1枚は出さなくてはならないし、カードをケチってばかりいれば領地はどんどん奪われていくだろう。中盤からはほぼ毎手番戦争の繰り返し。どのタイミングでカードを多めに出して勝ちに行くか、この「洗面器戦」(全員で洗面器に顔をつけるガマン比べ)が面白い。
 過半数を取るのは容易でないが、誰かがカードを使いきってラウンド終了するたびに、票数を多く持っていた人はボーナスがあり、次のラウンドでゲタをはかせてもらえる。このボーナスが蓄積するので3~4ラウンドくらいで決着が付くだろう。
 第1ラウンドはカードを使いすぎて苦しい展開。第2ラウンドで全員横一列に並んで第3ラウンド。カードを溜め込んだFRTSさんが出すタイミングを計りかねているうちに月齋さんがカードを切らしてゲーム終了。勝利が転がり込んできた。中盤あたりから1つの領地を巡って延々と同じような攻防が繰り返されていたので、終わったときはほっとした。

ウィキッド・ウィッチーズ・ウェイ(Wicked Witches Way / S.ラジェ&B.カタラ / アスモデ出版, 2006)

クモ、クモ……あれ、雲か蜘蛛のどっちだった?

ダイスを振って出た目を短時間で記憶するパターン認識ゲーム。フランスのゲームで、今年のカンヌで金賞を受賞した。魔法の本を使った仕掛けが心躍る。
 9つのダイスを魔法の本の中にジャラジャラ~。蜘蛛、蜘蛛の巣、稲妻、目玉と魔法のマークが書かれている。オレンジと黒の目があり、どちらかの色を覚える。ただし、両方の色で出ている目は除くこと!
 よし覚えた!と思ったら、魔法の本をパタンと閉じよう。これでダイスはもう見られなくなる。全員が手札から覚えている目のカードを出したら、本を再び開いて答え合わせ。間違ったカードを出していなければ、コマを進めることができる。さらにパーフェクトだったらボーナス。オレンジのボーナスはさらにコマを進める権利。黒のボーナスは魔法カード。
 この魔法カードが強力で、本を閉じてから10秒間だけのぞき見れるものとか、答え合わせで追加できるとか。相手の魔法をキャンセルするカードもある。これらをうまいタイミングで使って、魔法レースの1位を目指そう。
 序盤は覚えるのに手間取っていて、間違いも多かったが、中盤からコツをつかんだ人が驚くほどの速さで本を閉じる。制限時間は5~6秒といったところだろうか。これだけ短いと集中力が否応なく研ぎ澄まされる。高ぶる心臓。勝つことはできなかったが、まったくの余裕がないほど本気になって充実の時間を送ることができた。ゲームが終わったからもしばらく緊張が解けなかったほどである。

セレンゲティ(Serengeti / M.シャハト / アバクスシュピーレ, 2007)

場を支配せよ!

謎の骨董品を競りで集めるゲーム。M.シャハトがクイーンゲームズから出していた『ドン』のリメイクである(レポートはこちら)。
 自分のお金の都合だけでビッド額を決めるのではなく、そのビッドが通れば支払額はどこへ行くのかをよく考えることが大事だということがよく分かった。ひとりだけにお金が入らないように、2、3人で分け合っている数字をビッドして。一方、自分は手番の流れでもらいやすい数字を。
 勝敗は同じ色のカードを3~4枚取ることで決着するようだ。集めている色の3枚目、4枚目が出てきたときに潤沢なお金で競り落とせるように貯めておくのも大事。もっとも、カードの出方は運もある。
 ルールでは持ち金非公開だが、1回目は公開でやってみた。お互い足元を見合う展開はしびれるほど悩ましい。2回目に非公開にすると、ここぞというタイミングを取りにくくなった。デザインは、『ドン』よりこっちが好みかも。

ツォーディアク(Zoodiak / T.マロルド / フランヨス, 2005)

相手を誘う置き方

カードに指示された星座を作る2人用ゲーム。メビウスが一般発売せず、サンプルをゲームマーケットで販売したものをタナカマさんが購入。フランヨスのコンポーネントは今ひとつ見栄えがしないが、このゲームは夜空の星だからかえって美しい。
 お互い1枚ずつ星座カードをもつ。相手には見せないようにして確認しゲームスタート。自分の色の星を1個ずつ好きなところに置く。『オセロ』のように相手の星をはさむとひっくり返せるが、2個以上はさんでもひっくり返せない。先に自分の星座カードの並びになったら勝ち。
 1ゲームではあっけないので3点先取でやってみた。はじめは自分の都合のいいように置くが、そのうち邪魔してくる相手の置き癖を利用して誘う置き方もできるようにしてみた。しかし及ばずタナカマさんが圧勝。アブストラクトではない2人用ということで、ほのぼのと遊べそう。

破滅の13(Jetzt schlägt’s 13! / R.ドーン / ラベンスバーガー, 2007)

はめられた!

数字カードを配りあって、13になったらバーストするカードゲーム。ドーンのカードゲームというと『遺跡探検』『ガルゴン』などあるが、このゲームは非常にシンプルに作られている。今年のドイツ年間ゲーム大賞推薦作品。
 親が人数分をめくって、1枚めくっては好きな人へ。自分を含めて1人1枚、全員に配らなければならない。悪いカードだと思ってほかの人に押し付けたら、自分にはさらに悪いカードがやってくるかもしれない。このへんは判断というよりも運で、意外な展開に一喜一憂して楽しむ。
 配られたカードの合計が13以上になったらバースト。その人は得点なしで、ほかの人は+マークだけ得点になる。得点をせしめた人は当然、次のラウンドでみんなから数字の高いカードを押し付けられることになるだろう。
 カードの中には、直前に受け取ったカードやいらないカードを捨てたり、バーストを13から18に上げたりする特殊カードもあって、いい具合に彩りを添えている。盛り上がりどころをよく知ったゲームだ。
 最後の決戦でバーストして最下位。人数少なめのほうがほかの人に影響力が大きくて楽しそうだ。

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