連休はすきを見つけて山形のゲームサークルに出席。プライベートのゲーム会が多い中、私が参加しているほぼ唯一のサークルだ。確かに見ず知らずの人が集まってくるところはなるほどサークルだが、ここの雰囲気はプライベートのゲーム会に限りなく近い。同じ山形の人間なのだから、いい人しかいないはずだいう安心感がどこかにある。初対面でもあまり緊張しないし、ちょっと話をすればたちまちのうちに昔から知っている人のような気持ちになってくる。田舎のなせるわざといえるだろう。リラックスしてとても楽しい時間を過ごすことができた。
レポートは抜粋。ほかに遊ばれたゲームについてはYBGCのレポート参照。
ロボラリー|ハイパーロボット|コルセア
コルセア(Korsar/R.Knizia/Nuernberger Spielkarten, 2002)
交易船を自分の前に出して、1周のあいだ海賊船に襲われなければ自分のものになります。ポイントの低い交易船ならば幸運にも狙われないことがあるでしょう。しかしポイントが高くなるほど、海賊が群がってきます。
そのうちほかのプレイヤーが自分の交易船を狙って海賊船を出してきます。これまた海賊船を出してから1周のあいだにさらに強い海賊を出せないと、そのプレイヤーにぶんどられてしまいます。特に最強の「海賊船長」カードをいつ出すかが、ひとつのポイントです。
海賊には4種類あって、後から出すときには同じ色でなければなりません。手札によっては自分の船を守れるときと守れないときがあります。これはもう守れないとわかったら、自分の交易船はあきらめて、逆にほかのプレイヤーの船を狙いましょう。ポイントの高い交易船をねらって激しい攻防を繰り広げるか、安い船で妥協するか、悩みどころです。
手番にできることはカードを1枚引くか1枚プレイするかのどちらかだけ。補充しないと手札がどんどん減っていって足元を見られますし、補充しているうちにポイントの高い船がひとのものになってしまうかもしれません。シンプルさがジレンマを引き起こすという、クニツィアの得意技です。
交易船を誰も出していないところでは、安い船でも狙われがちです。安い船が狙われているあいだにさりげなく船を出航させてマークを外すという戦術を上手にとったホウロク君がダントツの1位。目立ってはいけません。なおこのゲームは2人組チームプレイで6,8人で遊べるようになっています。
汝は人狼なりや?(Lupus in Tabula/Unknown/daVinci, 2002)
このゲームは進行係が必要で、ゲームには参加しません。残りのプレイヤーに1枚ずつカードが配られます。ほとんどが無役の村人カードですが、その中にオオカミ男と、予言者が混じっています。最初は誰が何なのかわかりません。
ゲームは夜の場面から始まります。全員が目を閉じたところで、予言者が呼ばれて目を開けます。予言者は1人を指差して、その人がオオカミ男かどうかゲームマスターに聞きます。ゲームマスターは指の合図でYESかNOかを答えます。
予言者が目を閉じると、オオカミ男が呼ばれて目を開けます。はじめは何人かいるので目でお互いを確認してから、誰を殺すか指で指名します。そしてオオカミ男が目を閉じると、朝です。
朝になったらゲームマスターが殺された人を発表し、その人はゲームから抜けます。それから残った人で誰がオオカミ男か話し合うわけですが、話し合うといっても誰が何なのかまったく見当がつきません。みんな村人になりきって「俺はオオカミ男じゃないよ」「どうもあいつが怪しそうだ」など好き好きに述べ合うことになります。予言者はほかの村人よりも手がかりがありますが、それをあからさまにしてしまうとオオカミ男に狙われかねませんのでなかなかはっきりと言えず、オオカミ男はオオカミ男で自分に白羽の矢が立たないよう話術を駆使していますので、村人は迷うばかりです。
話し合いの後、オオカミ男だと思う人を多数決で選び、この人も殺されます。「夜にひとり、朝にひとり…なんて恐ろしい村なんだ!」…最初はみかけの怪しい人や、やけに多弁な人などから殺されていくようです。なお、殺された人は「死人に口なし」でオオカミ男であっても村人であっても自分の正体を明かしてはいけません。
そして再び夜。殺されなかったオオカミ男がまたひとり村人を殺します。オオカミ男が殲滅されるのが先か、村人が全滅するのが先か、心臓に悪いゲームになっています。
第1ラウンド、やけに多弁だったやまとさんが殺されてしまいました。そして罪もない人を次々と殺し、しまいには予言者のきくたさんまで殺される始末。みんなから「村長」と慕われていたmuraさんがオオカミ男だったというオチで、オオカミ男チームの勝利。寡黙だったのがよかったようで、「俺は怪しくない」という奴が一番怪しいと思われる法則が発見されました。何度かすれば、プレイヤーの性格もわかってきてもっと楽しめるようになるかもしれません。多人数コミュニケーションゲームとしてよくできています。
・デザイナー
Herve Marly & Philippe des Pallie’resです。このことと発売年から、フランス語版がオリジナルであることが推定できます。ただし、英語版では「マフィア」というトランプゲームに基づくとされています。イタリア語版はイラストレーターのみのクレジットとなっています。
・各国語版
1.フランス語版:Les Loups-Garoux de Thiercelieux、メーカー:Asmode’e、発売:2001年、人数:8~18人
2.英語版:Are you a Werewolf?、メーカー:Looney Labs、発売:2001年、人数8~15人
3.ドイツ語版(フランス語版の移植):Die Werwoelfe von Duesterwald、メーカー:Asmode’eDeutschland、発売:2002年、人数:8~18人
4.イタリア語版:Lupus in Tabula、メーカー:daVinci、発売:2002年、人数:9~23人
ヴィジョナリー(Visionary/R.Dubren/Schmidt, 1997)
目隠しをし、相棒の指示に従って積み木を組み立てるアクションゲーム。1997年の年間ゲーム大賞にノミネートされました。
まず2人でチームを組みます。1人が目隠しをして目の前に積み木を並べたらスタート。カードをめくると、積み木の形が写真で入っており、それを見て相棒が口で説明します。それを聞きながら積み木を組み立てていきます。
「最初に四角の短い柱を2本立てます。」…しかし積み木を取るところからわかりません。「その前の方にある、もうちょっと右!もっと右!それそれ」
「その上に正方形の板を乗せて、その向きじゃなくて90度回転!いやいや、そっち向きに90度じゃなくって」…ただ積むだけでも一苦労なので、回転させたりするうちに崩れてしまうことも。
「さらにその上に丸い柱を2本、くっつけて」…パーツを探すために積み木から一旦手を離してしまうとどこにあったかさえもわからなくなってしまいます。
こうして日ごろからいかに視覚に頼っているかをまざまざと思い知ることになります。競技方法には、同じ積み木の組み立て競争をする「同時プレイ」と、砂時計が落ちるまでに完成させる「タイムプレイ」がありますが、今回は3チームあったのでタイムプレイだけとし、しかも砂時計が落ちるまでなら何枚でもチャレンジできることにしました。
1回目はもどかしい感じだったのが、2回目になると説明する方も組み立てる方も上達します。だんだん頭にそういう回路が発達してくるような感じで、目が見えないようにイメージできるようになってくるから不思議です。ホウロク君muraさん組が怒涛の速度でダントツトップ。ゑびなさんきくたさん組は、苦手系のゲームだったようでポイントは稼げませんでしたが、ウケはしっかりとっていました。