『SCOUT』海外版、オインクゲームズから発売
手札から前の人よりも強いカードを出して、早くなくすことを目指すゴーアウト系カードゲーム。手札の順序を変えてはならず、複数枚出すときは手札の中で連続しているカードを出さなければならない。前の人が出したカードを手札の中に「スカウト」して強化するルールが独特で、高い評価を得ている。
海外版はサーカスがテーマになり、ほかのサーカス団からスカウトしてショーを組むことになった。今いるメンバーで戦うか、今はじっと待ってメンバーを集めるか、悩ましい決断を迫られる。アートワークには佐々木隼氏らがあたり、シックなワンモアゲーム!版とは一味違う雰囲気となった。
『人生ゲーム』の作者R.クレイマー氏死去
『人生ゲーム』の前身である『チェッカー人生ゲーム(The Checkered Game of Life)』はミルトン・ブラッドレー氏(1836-1911)が考案したもので、1860年、ミルトン・ブラッドレー社の設立と共に発売された。そして1960年、発売100周年を記念してリメイクされることになり、このときデザインを手掛けたのがクレイマー氏と、部下のビル・マーカム氏(1917-1993)である。ミルトン・ブラッドレー社は1980年代にハズブロ社に買収されたが、『人生ゲーム』はその後も今日まで販売され、これまでに26言語59カ国で発売され、7000万セットが販売されたと見られている。
クレイマー氏らのデザインによって格子状のマス目は山や建物を通る曲がりくねったコース状になり、円形のチェッカーコマは6人まで家族が乗れる自動車コマへ。勝利条件は100点先取からお金に変わり、紙幣や保険証が付属するようになった。これが日本に輸入されて、日本が世界に類を見ない人生ゲーム大国になったのはご承知の通り。2018年にはタカラトミー社の「人生ゲーム50周年事業発表会」にて日本に向けたビデオメッセージを送っている。
その後、ビル・マーカム氏とその遺族ががロイヤルティの配分を巡ってハズブロ社とクレイマー氏を2度提訴しているが、いずれも和解・控訴棄却となっている。
クレイマー氏がデザインしたボードゲームはほとんどが『人生ゲーム』シリーズだが、それ以外にもフープ、歩く子犬、哺乳瓶を飲む人形、大きな光線銃、練習用ローラースケートなど数多くの玩具を手掛け、特に強度の高いポリエチレン製玩具を広めたことで知られる。2005年にはアメリカ玩具業界の殿堂入りを果たした。
・People of Play:Reuben Klamer, Toy Industry Icon and Inventor of the The Game of Life, has Reluctantly Left this World at 99
・The Washington Post:Reuben Klamer, toy inventor who created the Game of Life, dies at 99
・The Toy Association:Remembering Game of Life Inventor Reuben Klamer
・タカラトミー:人生ゲームの歴史 1960年