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スーパーメガラッキーボックス(Super Mega Lucky Box)

複数枚同時進行の悩ましさ

3×3のカードでめくられた数字を消して、ラインを揃えるフリップ&ライトのビンゴゲーム。『スシゴー!』『クマ牧場』のウォーカー=ハーディングがデザインしただけあって、インプット・ランダムネスで考えどころのある作品になっている。

各自、最初に5枚配られた中から選んだ3枚のカードでゲームを進める。1~9の数字がカードでめくられ、出た数字のところにバツをつけるが、まず3枚のうちどのカードに付けるかが考えどころとなる。というのも、縦か横に1列揃うとさまざまなボーナスがもらえるからだ。

ボーナスには他のある数字を消す、出た数字を上下できる稲妻トークン、ゲーム終了時に他の人より多いと得点(少ないと失点)になる月トークン、1ラウンド中にいくつ達成できたかでボーナスが入る星マークがある。うまくすれば、1列完成で他の数字を消して別の列が完成し、それで他の数字を消してさらに別の列を……というように連鎖が起こせる。

さらに1枚のカードを完成させるとラウンドボーナスがあり、第1ラウンドで完成させると15点も入る。同じカードに集中したほうがよいか、複数のカードを同時進行したほうが効率が良いかも考えなければならない。

一定回数が終わるとラウンド終了で、新しいビンゴカードを3枚から1枚選んで受け取り、次のラウンドに進む。4ラウンド終了後に得点計算して勝敗を決める。

写真のように、1~9の数字が均等に割り振られているわけではなく、偏ったカードが多い。しかし1ラウンドに同じ数字は2回までしか出ないため、下手をするとどれも消せないことがある。そのときのために使った数だけ数字を増減できる稲妻トークンは切らさないようにしておきたい。これから出る可能性のある数字を考えて選択する計画性も問われる。

月トークンの競争以外インタラクションはないが、1枚めくるたびにワーキャー言って盛り上がれるところはビンゴゲームらしさがある。運の要素は小さくないが、どれくらいコントロールできるかというところで悩ましいゲームである。

Super Mega Lucky Box
ゲームデザイン:P.ウォーカー=ハーディング/アートワーク:S.セイドリッツ
ゲームライト(2021年)
1~6人用/8歳以上/20分

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ゲームマーケット2022春:新作ゲーム(3)

4月23日・24日に東京ビッグサイトで開催されたゲームマーケット2022春で発表された新作ボードゲームは数百タイトルにのぼると見られる。その中から当サイトの管理人が注目したいくつかの作品をピックアップ。→その1(ストラテジーゲーム)その2(トリックテイキングゲーム、ダイスゲーム)

2人用ゲーム

コルセイル(フダコマゲームズ)
紙ペンゲームで定評のあるフダコマゲームズが発表した2人用ゲーム。前半は逆ピラミッド状にカードを配置して資源変換ルートを作り、後半にはそのカードを順番に回収して役を作り、バトルライン式で陣取りする。前半の変換ルートと、後半で回収する順番の両方を考えて配置しなければならない。
ゲームデザイン:沢口游祐、イラスト:たかみまこと
2人用/12歳以上/30分

サラウアバク(大塚健吾)
探偵と怪盗がお宝をめぐって繰り広げる心理戦。探偵は3つの宝箱のうちどれに宝が入っているか知っており、怪盗は6人の容疑者のうち誰が怪盗か知っている。交互にカードの前にキャラクターを置いて、置いた場所からお宝と怪盗を推理する。逆転裁判シリーズのキャラクターデザイナー・シナリオデザイナーが手掛け、小説も同梱。
ゲームデザイン:大塚健吾/グラフィックデザイン:出嶋勉、キャラクターデザイン:岩元辰郎、ノベルライティング:山﨑剛
2人用/8歳以上/10~30分

ランバス(ゲームNOWA)
三角形が2ますつながったタイルを配置して、同じ色のつながりが偶数なら得点になるアブストラクトゲーム。相手の色のタイルもあるので、自分の色は偶数に、相手の色を奇数にする攻防が繰り広げられる。色だけでなく柄も関係する上級ルールあり。写真左は同サークルの新作トリックテイキング『死神プリスクール』で、こちらも同じ数字のカードを偶数毎集めると得点できる。
ゲームデザイン&アートワーク:かぶきけんいち
2人用/8歳以上/20分

ハムのサンドイッチ屋さん(Graphic335)
パッチワーク方式でハムスターを移動して環状に並べられたトッピングをパンの上にのせ、レシピができあがったと思ったら完成宣言。レシピはハムスターコマの前に並んでいるトッピングで、ハムスターが移動するたびに変わっていく。また種を飛び越えると手持ちのハムスターをトッピングにはさみ、隠されたトッピングを仕込むことができる。ハムスターによっては、その下にあるトッピングをつまみぐいしてしまうことも。
ゲームデザイン:大塚健吾、イラスト:Graphic335
2~3人用/8歳以上/30分

ワードゲーム

ポエモ(B-Cafe)
スタートのフレーズに続く言葉を順次発表して投票で採用。4枚で詩ができあがり、採用された得点が規定点になったら勝利。エモいフレーズが200枚も入っている。
ゲームデザイン:黒田尚吾、イラスト:ちゅぱみ
3~8人用/12歳以上/5~10分

4コマンガ(小学館)
順番に手札からカードを出して複数の4コマ漫画を同時進行で作り、できあがったものを読者役のプレイヤーが見て「人気1位」と「打ち切り」を決める。人気1位なら得点、打ち切りなら失点で、後のコマになるほど得点(失点)が大きくなる。
ゲームデザイン&グラフィックデザイン:daipo(ClaGla)/イラスト:ココナス☆ルンバ
3~6人用/8歳以上/20分

がんばれ!AIueo(MILLION PERCENT)
お題の言葉を一文字ずつ割り振って、その言葉から始まる作文をする。テレストレーション式で、見られるのは前の人の書いたものだけ。勝敗はなく、最後に発表会をして楽しむ。
ゲームデザイン:mizumizu/イラスト:ぴう
3~6人用/10歳以上/15~30分

エビフライエフェクト(無限インフィニティ∞)
手札からカードを選んで伏せて出し、創作した物語を話す。他のプレイヤーは話の内容から、カードに「エビフライ」があるかないかを推理して、「エビフライ」があると思ったら付属のエビフライを早いもの勝ちで取る。「エビフライ」があるのに誰もエビフライを取らないか、「エビフライ」がないのに誰かが取ると得点できる。
ゲームデザイン:無限インフィニティ∞、イラスト:ゆいめたる
2~8人用/10歳以上/20分

ムジュンゴ(Azb.Studio)
順番にカードをめくっていって、他の誰かと同じ動物が出てきたら相手の名前を相手より先に叫ぶ。相手を予め決められた動物の名前で呼ばなければならないのと、カードに透明カードを差し込んでいって1枚のカードに複数の動物が関連付けられるのとで、脳みそがバグってくる。
ゲームデザイン&イラスト・Azb.Studio
2~6人用/6歳以上/15分

つづく。